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映画「硫黄島からの手紙」

2006-12-19 12:04:14 | 映画感想
クリント・イーストウッド監督、渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、中村獅童。

硫黄島2部作の後編、日本軍から見た視点で描かれている。

前評判の高さに、アメリカでの公開が早まり12/20になりました。

全編日本語ですが、アカデミーでは外国語映画賞のエントリー資格なし、
ただし、アメリカ映画としての資格はありますので、
何らかの賞にノミネートされることと思います。

ゴールデン・グローブ賞では監督賞と外国語映画賞にノミネートされています。
このほか、現在までに
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞最優秀作品賞を受賞、
ロサンゼルス映画批評家協会賞最優秀作品賞を受賞、
アメリカ映画協会賞の“今年の作品賞トップ10”に選出されています。



さて、2005年の硫黄島。
硫黄島協会の会員が洞窟の中に埋められた「何か」を発見した。
それがどのようにして埋められ、何だったかは物語の最後に明かされる。

時代は遡り、1944年の硫黄島。
栗林中将(渡辺謙)は小笠原兵団長に赴任(6月8日には)硫黄島に司令部を置き、
硫黄島防衛の指揮を取ることになった。

それまでの帝国陸海軍の反目や体罰主義、海岸線死守作戦などをことごとく否定、
アメリカ軍の上陸を前提とした作戦に切り替えた。

パン屋から徴兵された一兵卒である西郷(二宮和也)らも理不尽な体罰から救われた。

(6月20日前後の)マリアナ海戦での日本軍の敗北を知った栗林中将は、
補給途絶を覚悟し、硫黄島の地下要塞化に取り組んだ。
部隊には、ロサンゼルスオリンピックの馬術で金メダルを取った
西中佐(井原剛志)の戦車部隊もいた。

(12月頃には)硫黄島は連日のように米軍の爆撃を受けるようになる。

(翌年2月13日)日本軍はサイパンを出港したアメリカ軍船団を発見、
(2月19日)アメリカ軍は、ついに硫黄島上陸を開始する。

それから長く苦しい持久戦が始まる。

確かに米軍に多大な損害を与えたが、結局は物量共に勝る米軍相手に多勢に無勢、
退却もままならぬまま自決する兵もあり、文字通り弾丸尽き水涸れの状態となる。

(3月17日最後の総攻撃、この日をもって日本の組織的攻撃は終了を遂げた)
そして(3月26日)栗林中将を先頭に最後の突撃が行われ、
36日間にわたる硫黄島の戦いは終わった。

(かっこ内の日付は筆者注)



重く暗い映画。
色を薄めに仕上げた映像が暗さをさらに強調する。
クリント・イーストウッドは明るい映画は撮れんのか。

日本兵を全体主義、軍国主義の亡者としてではなく、
一介の人間として描きだした。

「父親たちの星条旗」ともども従来の戦争ものとは一線を画す。
かといって、「反戦もの」ではない。

まあ、でもよくできていると思います。

随所に「父親たちの星条旗」で使われた映像が重なっていて、
同じ事実を「双方から見た視点」というか、
現実には同時には見れない事実を2本の作品にすることによって
観客に「双方から見せた」といえるでしょう。

淡々と進行する割には、2時間25分もあったとは思えませんでした。

これは「父親たちの星条旗」も同様なので、監督の手法なのだろうが、
一部の人の感想にまるで2、3日の出来事のようだったとあったりするので、
できれば、2005と1944だけではなく、
もう少し日付を入れるか、言わせるかして、時間の流れを見せた方が良かったかも。




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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます。 (mezzotint)
2006-12-20 10:21:09
KGRさん
記事の件どうもありがとうございます
早速訂正いたします。
きっとKGRさんと私は年齢的に近いかもしれませんね。
また宜しくです。
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