今治市別宮町、別宮大山祇神社に隣接する四国八十八箇所第55番札所。真言宗御室派寺院「別宮山 金剛院 南光坊(なんこうぼう)」。『大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい)』を本尊とします。
生憎のお天気にもかかわらず、沢山の善男善女が観光バスを連ねて参拝に見えていました。ちなみに四国霊場のうち「寺」ではなく「坊」がつき、更に四箇所に四天王を配置した山門を擁するのは、四国八十八箇所では唯一「南光坊」だけなんだそうです。
「推古天皇御代二年甲寅(594)に勅により大三島に造立される。其の後、越智玉澄公が文武天皇の勅を奉じて、大宝三年(703)風波のため祭祀がおろそかになるのを憂いて当地に勧請し、「日本総鎮守三島の地御前」と称して奉祭した。弘法大師は四国巡錫の時別館参拝し、坊で御法楽をあげられて四国霊場第五十五番札所と定めた。」公式HPより
境内に建つ「金毘羅堂」。金剛薩埵と摩利支天が脇仏で、本尊は権現像の姿であると言われていますが、住職もその姿を見たことが無いとされ、定かではありません。
この仏域を守護されるのは「別宮大山祇神社:境内社」の「奈良原神社」に居た狛犬さんと瓜二つ! 時代と場所を考えると、作者は同じ石工さんの手によるものかもしれません。
「金毘羅堂」の屋根から善男善女を見守るのは「鬼」と呼ぶのが気の毒なようなお顔立ち。
鬼瓦が楽しければ、留蓋の獅子だって負けじと愛嬌を振りまきつつ、それぞれが飾り鞠をもって思い思いに楽しんでいます。
山門の右にある池の中の小島に奉られる「弁天祠」。ここでもどこかで見た覚えのある狛犬さんが守護を任されています。
笑った口元がまるでエクボのように見えて、とにかく可愛いという言葉がぴったりなのです。
ご詠歌【このところ 三島に夢のさめぬれば 別宮(べつぐう)とても 同じ垂迹(すいじゃく)】
参拝日:2011年6月11日