とみぞうのお気楽ブログ

クルマ、日本、北海道を愛する生粋の道産子50歳♂です。カバー画像は、PC版は増毛駅、スマホ版は733系電車の大谷ver.

FIAT500ツインエア試乗記

2011-07-18 20:13:05 | クルマ


【スペック】全長×全幅×全高=3545×1625×1515mm/ホイールベース=2300mm/車重=990kg/
駆動方式=FF/0.9リッター直2ツインエア8バルブターボ(85ps/5500rpm、14.8kgm/1900rpm)/
価格=245万円


この3連休、札幌ドームで斉藤祐ちゃんの先発試合を見に行き、
無事勝つ事ができました。
めでたしめでたし。
正直、内容は、相手の岸投手の方が良かったですが、勝ったから良しとしましょう。
リリーフ陣の実力の高さも証明できたし。

さて、ツインエアの試乗ですが、
結論から言うと、「欲しい!」

そりゃドイツや日本の高性能車に比べると、、、

パワーはないし、
その割には価格は高いし、
なのに、ナビもついてないし
物はたいして積めないし、
ドラポジは「イタリア人はそんなに腕が長いんかい!」と突っ込みたくなるし
シングルクラッチの自動変速機は変速に時間がかかるし、
アイドリングストップから再始動する時の振動が少し大きいし、
かわいい形だけど、男子が乗るにはちょっとな、というのがあるし、、、
まだまだあります。

ということで、国産ならトヨタ車、輸入車ならドイツ車以外はガラクタだ!、と偏見をお持ちのあなた。
ぜひぜひ試乗してほしいです。


とにかくサイズの小さい500。
試乗車が目の前に来た時、「ちいせぇなぁ」と思わずつぶやいてしまいました。
嫁さんは「カワイい!」とのこと。
これだけで、家計を握っている奥様のハートはがっちり掴めます。

乗り込んでドラポジを合わせようとすると、
シートとペダルの間隔はウマく合ったのですが、
ハンドルがチルトするのに前後に調整できないため、どうしても腕を伸ばし気味になってしまいます。
それでもひるまず、ミラーを合わせてスタートです。

98年頃のアルファロメオのセレスピードが出たばかりの頃と比べ、
かなり進化した変速機「デュアロジック」は、発信の時に若干エンジン振動が発生するものの(さすが2気筒)、
概ね良好に発進できます。
ですが、これは、セレスピードがどういう機械かを知っていて、かつ初期の頃を知っているからであって、
通常のATしか知らない方ですと、かなり違和感があるでしょうね。

そう思いながらオートモード(勝手にシフトアップしてくれるモード)で、
アクセルをボンヤリと踏みっぱなしで加速していくと、
初期のセレスピードにあったような、シングルクラッチ独特のシフトアップ時のトルク切れ(ブーン、かっくん、ブーン、て感じ)、
は最小限に抑えられているのがわかります。
ただ、シフトアップは早めにされるので、若干ノッキング気味のままポンポンとシフトアップし、加速していきます。
その時のエンジン音は、2気筒ならではの「ビーン」っていう音。
もうこれだけで、楽しくて顔がニヤけてしまいます。
タービンは小さいので、ターボラグも少なく「ヒュイーン」というタービン音もそれほど聞こえてきません。
正直、今の自分の車に慣れているので、速くはないけど遅くてイライラする感覚は全くありません。

車が好きならマニュアルモード。

というわけで、とっととシフトアップしていくオートモードを早々に解除し、
マニュアルモードで運転してみました。
セレスピード同様、シフトアップ時にアクセルを離して、また踏み込む(MTと同じですね)、
という動作を繰り返していきます。
そうするとキレイに加速して行きます。

これが楽しいのなんのって。
速度はたいした出てないのに、この楽しさって何なんだろう。
ポルシェ911で爆走してもすぐ慣れるのに。

ギヤ比が低いのもあって、1速はあっという間に吹け切ってしまいます。
その時の音が妙な振動それほど感じず、といっても独特の振動を発しながら
一生懸命加速していく様は、ホント500馬力級の車を欲しいと思ってしまう自分が恥ずかしいくらい。

ちなみにこのエンジン、バランサーシャフトが2本付きですので、
これが無かったら相当大きな振動をボディに伝えてくるんでしょう。

新設計のこのエンジンの出来の良さと楽しさに、
自然と笑みがこぼれてしまいます。
同乗したセールスも「メカ好きな男性に大ウケです」とのこと。
それってすんごいよくわかるなぁ。

確かにアイドリングストップから再始動した時に「ブルルン」と振動を伝えてくるけど、
少なくとも私と嫁さんは大して気にならなかったです。
中にはこの振動(発進時だけではなく加速時も含め)を嫌がって、
通常の4気筒エンジンを選ぶ方もいるようです。
でも、世界最先端の技術が入っている「マルチエア」エンジン(BMWのバルブトロニックのようなもの)、
そして世界の潮流に則った、小排気量+ターボチャージャー。
(いまだにこの組合せを使った日本車はかなり少ないのが残念)

違和感を出さず、ここまで加速していくエンジンは、それだけで購入したくなりますね。
まちがいなく、かなりカネのかかったエンジンでしょう。
ちなみに、タイミングベルトではなくチェーンなので、
これまでのフィアット系エンジンのように6万キロでタイミングベルト交換で、
工賃12万円、なんて事は発生しません。

これだけ出来の良いエンジンですから、
申し訳ないですが、トヨタの4気筒エンジンはコレに太刀打ちできないでしょう。
音と振動は無いけど、全く加速してくれない、どうしてもアクセルベタ踏みになる、
乱暴な加速になる、前の車をあおる。。。という悪循環。だからトヨタは嫌いだ。

と愚痴を言っても仕方ないので、次はボディ剛性です。
昔の「ボディが紙でできてるみたいな」ペラペラでふにゃふにゃを想像すると、
見事に裏切られる、きちっとしたボディです。
やっとVWとためをはれるようになりましたね。

よって、ハンドリングも非常に良好。
楽しく曲がる事ができます。

標準でついているダンパーも固すぎず柔らかすぎず、ちょうど良い塩梅です。

あっという間に試乗コースを走り切りました。
楽しくてずっと乗っていたい、そんな気分です。

なお、値引きは無し、納期は3ヶ月。
在庫は無いため、全てオーダー発注だそうです。

色が少ないのは残念。
白、黒、グレー、赤、水色しかないんです(厳密には違うけど大まかにはこの5色)

個人的には、フィットのハイブリッドのような明るい緑か、
BMWミニのような深緑。
あるいは黄色やオレンジといった、いかにも欧州人が好みそうな原色系もいいな。
でも、残念ながらそれは選べません。
もしかしたら、限定車で出るかも、とはセールス氏の話。

ポルシェやアウディはすぐ飽きるけど(実際、新車で買ってあっという間に売る人も多い)
イタリア車は楽しいですよ!とのセールス氏の話もあながちウソではないな、と実感しました。

色が選べない事、そして自分の車が車検を取ったばかりであること、
そして、ドイツ車的な洗練された品質や絶対的な加速力や最高速を諦めきれない事、などなどで、
今の自分の愛車を売ってまで買おうという気にはならないけど、
もしセカンドカーが許されるのなら、どうしても欲しい!と、かなり心が動いたのも事実です。

いやー、楽しかった。

フィアット500、これを楽しいといった人はオジさんです(笑)
若い頃の自分なら、単に遅い車だったでしょう。
そのくらい玄人向けの車です、これ。