「HAC黒字化1年延期 赤字拡大2億8100万円 再修正案」(03/27 09:08)北海道新聞web版
北海道が、債務超過に陥る見通しの北海道エアシステム(HAC)に提出を求めていた現行事業計画の再修正案の内容が26日、判明した。利用率を今期実績に合わせて下方修正するなどした結果、黒字転換時期を修正案の2014年3月期から15年3月期に1年先延ばしした。また、13年3月期決算の経常損失見通しは、修正案から5千万円膨らんで2億8100万円とした。
同社は再修正案を、27日に道庁で開かれるHAC経営検討委員会に提出する。
再修正案は、大雪で低迷した2、3月の利用実績を新たに反映させた。
国を壊そうとした民主党政権のおかげで、日本の国のあり方を真剣に考えるようになりました。色々考えるようになりましたが、そのうちの一つが「何でもかんでも民間にやらせれば世の中良くなり、政府の出費は限りなくゼロになることが良いのか?」ということです。
とりあえず、現状分析。
(HACについて)
HACのHPによると、資本金4億9千万円の内訳は次のとおりです。
北海道36.5%
日本航空株式会社14.5%
札幌市13.5%
函館市5.0%
北海道電力株式会社4.7%
株式会社北海道銀行4.7%
株式会社北洋銀行4.7%
釧路市3.0% 他51株主
上記内訳のうち、行政の持ち分を足し算すると58%。明らかに純民間企業では無いです。
札幌釧路線の料金は、最安値で片道10,000円(ただし4/1以降。時期によっては更に高額)
※JRだと往復16,200円(=閑散期)
所要時間は片道50分。
※JRだと4時間ちょうど
3月1日HAC発表の速報値平均搭乗率は45.8%。
路線ごとの搭乗率がわかればもっと良いのですが見つけられませんでした。
(JRについて)
JR北海道HPに賃借貸借表が出てまして、
http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/kessan/24/pdf/00_jrhokkaido.pdf
資産 1,192,680,000,000円 のうち
経営安定資金は 675,140,000,000円 となってます。
基金(使えませんが)は国の支援ですので、57%は国のお金で成り立っていて、
つまるところ、純民間企業じゃないことがわかります。
黒字なのは、海峡線、千歳線、石勝線だけ(wikipediaより)だそうですから、
そもそも基金が無ければ収支は「真っ赤っか」。JR北海道は国の支援がないとつぶれている企業とも言えます。
それでもコストを削減しすぎて安全面が怪しくなってきているのは、
JRに知り合いがいる、という職場の同僚の方が言ってました
また、独法の「鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部」が100%の株式を持ってます。
JR東・東海・西日本や首都圏の私鉄は、純民間企業ですが、利用客数が半端なく多いので十分やっていけます。
(道路)
国道、道道、市道など、当然税金でまかなってます。
道路公団は民営化されましたが、中央道の事故でもわかるように、
公共性の強い分野の民営化にはリスクが伴うことがわかりました。
民間企業ですから、面倒でカネのかかる「橋やトンネルのメンテ」に
極限までコストを削りたくなる気持ちもわかります。
サービスエリアで高くてまずいメシを食わなくて良くなったのは良いことですが。
ということで、陸海空のうち海を除いては(港はもちろん100%公的資金でできている)、ほとんどが公的資金が投入されていて恩恵もしっかり受けているのですが、なかなかその実感が薄いのは自分もそうです。
短期的な利益を生み出せないサービスは行政が行い、
すぐに利益が出るモノには行政はしゃしゃり出てはいけない(つまり民間がやるべき)
人、カネ、モノの移動が発生すると、経済効果はまちがいなく出るのですが、
経済効果だけでは無く、災害発生時の代替手段として複数のルート(鉄道も道路も)は
当然用意されるべきで、災害が多く発生する日本としては考えなくちゃならないです。
実際、3/11の震災では、複数の道路が「串の目」にあった(作った)ために、
復興のための物資や人が現地に入ることができました。
さて、話は戻ってHAC。
搭乗率は上記のとおりですが、どんな人が利用しているのか、
というデータを見つけることができませんでした。
あくまでもローカル新聞の情報ですが、札幌と地方の病院を掛け持ちしている医者や、
忙しい企業の社長が乗っていると聞きました。
HACをいきなりつぶすのは相当な理由付けが必要です。
ただでさえも時間の無い医者が移動手段を無くせば、当然現地には行きません。
地方の患者は放置となります。
函館、釧路、利尻、奥尻に就航しているHACですが、HACを消滅させたらその後は?
新千歳ー羽田に比べればたいした人数ではありませんが、どうなんでしょう。
医者に関しては増やせばいいじゃん、というのもありでしょう。
さて、どうやって?医者が増えるまでどのくらい時間がかかるか?
もしHACをつぶしたら誰が困るのか、どのくらいの人数が困るのか、
HACを使えない人が発生することで、波及する影響はどのくらい?
これをしっかり説明した人を見たことはありませんが、、、
私個人が釧路~札幌の移動の際にHACを利用するかと聞かれると、
「運賃が高いので使わない」となります。
JRですら最近はほとんど使いません。札幌までの4時間の乗車は疲れるからです。
クルマだと疲れませんし、夫婦で移動すれば料金は半額で済みます(自動車本体の代金は除く)。
以上、若干話が寄り道しましたが「公共性のあるもの」というのは簡単につぶしてはいけない
ということを北海道民が今一度考えてみてはいかがでしょうか。
北海道が、債務超過に陥る見通しの北海道エアシステム(HAC)に提出を求めていた現行事業計画の再修正案の内容が26日、判明した。利用率を今期実績に合わせて下方修正するなどした結果、黒字転換時期を修正案の2014年3月期から15年3月期に1年先延ばしした。また、13年3月期決算の経常損失見通しは、修正案から5千万円膨らんで2億8100万円とした。
同社は再修正案を、27日に道庁で開かれるHAC経営検討委員会に提出する。
再修正案は、大雪で低迷した2、3月の利用実績を新たに反映させた。
国を壊そうとした民主党政権のおかげで、日本の国のあり方を真剣に考えるようになりました。色々考えるようになりましたが、そのうちの一つが「何でもかんでも民間にやらせれば世の中良くなり、政府の出費は限りなくゼロになることが良いのか?」ということです。
とりあえず、現状分析。
(HACについて)
HACのHPによると、資本金4億9千万円の内訳は次のとおりです。
北海道36.5%
日本航空株式会社14.5%
札幌市13.5%
函館市5.0%
北海道電力株式会社4.7%
株式会社北海道銀行4.7%
株式会社北洋銀行4.7%
釧路市3.0% 他51株主
上記内訳のうち、行政の持ち分を足し算すると58%。明らかに純民間企業では無いです。
札幌釧路線の料金は、最安値で片道10,000円(ただし4/1以降。時期によっては更に高額)
※JRだと往復16,200円(=閑散期)
所要時間は片道50分。
※JRだと4時間ちょうど
3月1日HAC発表の速報値平均搭乗率は45.8%。
路線ごとの搭乗率がわかればもっと良いのですが見つけられませんでした。
(JRについて)
JR北海道HPに賃借貸借表が出てまして、
http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/kessan/24/pdf/00_jrhokkaido.pdf
資産 1,192,680,000,000円 のうち
経営安定資金は 675,140,000,000円 となってます。
基金(使えませんが)は国の支援ですので、57%は国のお金で成り立っていて、
つまるところ、純民間企業じゃないことがわかります。
黒字なのは、海峡線、千歳線、石勝線だけ(wikipediaより)だそうですから、
そもそも基金が無ければ収支は「真っ赤っか」。JR北海道は国の支援がないとつぶれている企業とも言えます。
それでもコストを削減しすぎて安全面が怪しくなってきているのは、
JRに知り合いがいる、という職場の同僚の方が言ってました
また、独法の「鉄道建設・運輸施設整備支援機構国鉄清算事業本部」が100%の株式を持ってます。
JR東・東海・西日本や首都圏の私鉄は、純民間企業ですが、利用客数が半端なく多いので十分やっていけます。
(道路)
国道、道道、市道など、当然税金でまかなってます。
道路公団は民営化されましたが、中央道の事故でもわかるように、
公共性の強い分野の民営化にはリスクが伴うことがわかりました。
民間企業ですから、面倒でカネのかかる「橋やトンネルのメンテ」に
極限までコストを削りたくなる気持ちもわかります。
サービスエリアで高くてまずいメシを食わなくて良くなったのは良いことですが。
ということで、陸海空のうち海を除いては(港はもちろん100%公的資金でできている)、ほとんどが公的資金が投入されていて恩恵もしっかり受けているのですが、なかなかその実感が薄いのは自分もそうです。
短期的な利益を生み出せないサービスは行政が行い、
すぐに利益が出るモノには行政はしゃしゃり出てはいけない(つまり民間がやるべき)
人、カネ、モノの移動が発生すると、経済効果はまちがいなく出るのですが、
経済効果だけでは無く、災害発生時の代替手段として複数のルート(鉄道も道路も)は
当然用意されるべきで、災害が多く発生する日本としては考えなくちゃならないです。
実際、3/11の震災では、複数の道路が「串の目」にあった(作った)ために、
復興のための物資や人が現地に入ることができました。
さて、話は戻ってHAC。
搭乗率は上記のとおりですが、どんな人が利用しているのか、
というデータを見つけることができませんでした。
あくまでもローカル新聞の情報ですが、札幌と地方の病院を掛け持ちしている医者や、
忙しい企業の社長が乗っていると聞きました。
HACをいきなりつぶすのは相当な理由付けが必要です。
ただでさえも時間の無い医者が移動手段を無くせば、当然現地には行きません。
地方の患者は放置となります。
函館、釧路、利尻、奥尻に就航しているHACですが、HACを消滅させたらその後は?
新千歳ー羽田に比べればたいした人数ではありませんが、どうなんでしょう。
医者に関しては増やせばいいじゃん、というのもありでしょう。
さて、どうやって?医者が増えるまでどのくらい時間がかかるか?
もしHACをつぶしたら誰が困るのか、どのくらいの人数が困るのか、
HACを使えない人が発生することで、波及する影響はどのくらい?
これをしっかり説明した人を見たことはありませんが、、、
私個人が釧路~札幌の移動の際にHACを利用するかと聞かれると、
「運賃が高いので使わない」となります。
JRですら最近はほとんど使いません。札幌までの4時間の乗車は疲れるからです。
クルマだと疲れませんし、夫婦で移動すれば料金は半額で済みます(自動車本体の代金は除く)。
以上、若干話が寄り道しましたが「公共性のあるもの」というのは簡単につぶしてはいけない
ということを北海道民が今一度考えてみてはいかがでしょうか。