渋谷のオーチャードホールで熊川哲也率いるK-バレエカンパニーの「ジゼル」を鑑賞。
K-バレエの公演は東京文化会館での鑑賞が多いので、久しぶりにオーチャードホールでのバレエ鑑賞となりました。椅子は疲れにくいし、後部位置の席でも全体が良く見えるので、オーチャードホールはイイですねぇ。
哲ちゃんは芸術監督としての才能に溢れている人だけど、K-バレエの団員では哲ちゃんの考える世界観や振り付けを体現するにはスキルが不足しています。自分のやりたいことをやるために作ったカンパニーだけど、自分がやろうとしていることに異議を唱えない人だけでなく、カンパニーとして公演の精度を上げるための人材を確保すべきではないか・・・とも思います。
いつの頃からか、熊川哲也の踊りを見る度に「引き際」という言葉が頭をよぎるようになりました。彼が出演する公演は相変わらずチケットを取ることが難しいし、スタンディング・オベーションで終幕します。K-バレエ・カンパニーが見たいからというよりは熊川哲也の踊りが見たくて来ているお客さんがほとんどだろうし、私もその1人です。拍手はカンパニーに対するものではなく、哲ちゃん1人に対するものだと言っても過言ではありません。K-バレエカンパニー内で哲ちゃんを刺激するほどのスキルや才能の持ち主もいないし、哲ちゃんが1番で当たり前という環境です。今のところ哲ちゃんの踊りから衰えは感じないけど、それは私の願望なのかなと思ったり、過度な賞賛は彼を甘やかしてるだけなのでは・・・と考えるようになりました。そのくらいK-バレエカンパニーの行く末に不安を感じます。
スピード感溢れるダイナミックな踊りができるうちに、一流のカンパニーで彼が踊る姿をもう1度見たいと強く思います。