ni-tomoの日記

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『パレード』

2017-06-04 21:57:01 | 舞台観賞の日
東京芸術劇場でミュージカル『パレード』を鑑賞。

久しぶりに舞台に立つ武田真治さんが見たい!!っていう理由で、
予習もしないで軽く見に行った私には重過ぎるくらいシリアスな人間ドラマでした。

ユダヤ人の主人公が白人の女の子の強姦事件の犯人に仕立て上げられてしまう話ですが、
「1913年のアメリカ」「人種」「出自」とそれぞれの人間の立場が交錯していきます。

以前読んだ小説に「その出来事が事実かどうかではなく、多くの人間が事実と思えるかどうか」と
いったようなことが書かれていたのだけど、観劇中そのことが急に頭に浮かんできました。
「誰が犯人か」ではなく、自分の利害も含めて「犯人として望ましいのは誰か」ということで
南部に馴染めない北部出身のユダヤ人が犯人にされてしまうわけです。

犯人になってしまった主人公は石丸幹二さん。石丸さんはハンサムだし、歌も演技も上手だけど
鑑賞後は「なんかしっくりこない」という違和感が残ることが今まで多かったんです
(東宝ミュージカルの衣装や演出が合わないのかしら)
でも、今回のパレードのレオ・フランクが出来るのは石丸さんだけでしょう
融通が利かず、最後まで自分の信条を曲げない自尊心が強い男を素晴らしい歌声で演じられていました。

そして、石丸さんの奥さん役が堀内敬子さん。
世間知らずで夫からもバカにされているような節もあった彼女が、
自分の大事な夫を救うため奔走していくうちに、夫からの愛と信頼を深く得られるようになるのです。
可愛かっただけの女の子が強い女性に変わっていきます。
堀内さんが歌が上手で可愛らしいことは以前から知っていましたが、強い女性を演じてもイイですね。
今後、狂気を秘めた女性を演じる堀内さんが見てみたいです。

さて、今回のお目当ての真治さん。予想よりも歌声が聴けて嬉しかったです
衣装もお似合いでした。油断すると七五三に見えてしまいそうだったのは、ご愛敬

鑑賞後、重苦しいものが頭と心に残る作品だけど見てヨカッタです。良い作品でした。


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