ヒゲが、高校三年生の時の話・・・
その当時、生徒から一番嫌われて数学。
なんと、それを趣味とする 『 数学クラブ 』 に何故か在籍していたのです。
その活動の中で、一番研究していたのが、 『 算術幾何学 』 という名の
『 将棋 』 でした。
そして、ヒゲと仲間は、勉学研鑽のおかげで、お隣の大学生の将棋クラブと
肩を並べる様になりました。
そんな時、公の 『 全日本高校将棋選手権 』 が、開催されるニュースが回ってきました。
一同、 「 やろーっ! 」 と一致。
部長だったヒゲが許可取りの仕事を引き受けました。
相手は、 “ 生徒指導部長 ( S.43時 ) ”
「 先生! 宜しく御願いします。 必ず日本一を取って来ますから! 」 と申し込み書を
提示しました。 と、教師のコメカミに青筋が走りました。
「 なにィー、将棋だと? 」 ヒゲの顔を睨みつけました。
「 きさまァー、あの丁半賭博、ちんちろりんの将棋大会に出るんだと (怒) 」
教師は激しく机を叩いて、
「 ならぬ! 恐れ多くも本黌の名を持って将棋大会に出るなど、まかりならぬ (怒) 」
ヒゲは、将棋の立場を思い知らされたのでした。
“ 銀行員は囲碁をし、ヤクザは将棋をする ” ・・・という当時の考えを。
こうして、この学校では非常に稀な知的分野の甲子園のタイトルを逃しました。
校門を出る時、 「 クソーツ、二度とこんな学校の名を口に出すかい。 」 とヒゲ。
それから五年後、違う分野で日本チャンピオンになったヒゲは、
東京新聞さんのインタビューで、決して出身校の名を答えなかった。