田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

時代は繰り返すのか~悪魔のささやき

2012-10-11 17:53:05 | よもやま話・酒編
さて、地方の酒に美味いモノが在ると、感ずいた酔っ払い共。
地方に出張しては酒屋を巡り、大吟醸を手に入れました。
ある日の事、ふと見ると、大吟の隣りの一升瓶も二級酒と書いてある。
値段も安いし、ついでに頂こうーっ!
そして、無鑑査と表示のその酒も、何と旨い事でしょう。

                

こうして、地方(!)の地酒ブームが起こったのでした。
特に、新潟県の酒、越乃寒梅に代表される淡麗辛口タイプのモノ。
それまでが、ベタ甘の灘・伏見の酒に辟易していた酒呑み共には、もってこいでした。
『 水の如く飲める酒 』 は、あっという間に飲み助を魅力していったのです。

これとは別の、市販用では無いとされた大吟醸も、密かにブームに。
特に熱心(?)な国税局が音頭を取って。
売れない蔵元の耳もとで、こうささやくのです。
                                

「 売り方をお教えしましょう。 清酒鑑評会で入賞するのです。
  すると、新聞に載るし、メディアにも登場します。
  そうして、蔵の名前をアピールすれば良いンです。 」
「 しかし、私共の技術で入賞出来るでしょうか? 」
「 大丈夫! それは我々がお教えします。
  入賞するには、ちゃんと公式が有るんですヨ。
  その公式とは、 “ YK35 ” です。
  では、具体的に、 Yは山田 ・・・     」

こうして、国税のありがたい指導で、メーカーは新酒鑑評会に入賞し、
普通酒の一升瓶も売れていったのです。
が、 ・・・
コレが、同時に自分たち日本酒メーカーの首を絞める事になるとは、
まだ気づいていませんでした。

お上の熱心な指導で、各蔵元が努力して優勝を目指したおかげで、
美味い酒がたくさん出回る様になりました。
そして、次に何が起きたと思いますか?
酒呑み達は、どの酒を飲んでも味が変わらない事に気づいたのです。
当然ですよネ。
同じ山田錦の特A米を使い、ソレを35%磨き、熊本の九号酵母で仕込む。
同じ様な酒が出来上がるハズです。
しかも、美味過ぎて、とても食中酒には出来ません。
こうして、馥郁( ふくいく)たる大吟醸酒に飽きた酒呑みの多くが、
高価な芋焼酎の世界にドドッと流れて行ったのでした。
第二次焼酎ブームです。

更に、その大吟醸酒を二級で出荷していたのを、某大手ウイスキー・メーカーが
議員か何かに圧力をかけたのか(?)、級別廃止になり、二級酒もなくなったのでした。
当然、二級と云う安い税率の恩恵は無くなり、酒は高級品に。
どうなるのでしょう?


       《 どうどうと、無鑑査表示をしたラベル 》
          田園でも、最初から使っていました。
      冷やでも燗でも、 “ 超 ” が付く位の人気酒でした。

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