田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

鯛の子は、どこにいった~スピンオフ

2019-07-16 16:06:38 | よもやま話・料理編
今は知りませんが、昔の京都では“レモン”を使うことは、多くありませんでした。
ところが、ドーンとレモンを使う献立も在ったのです。

前日 ~ 鯛の子を、前ブログのように酒八方煮にしておきます。
翌日 ~ 多めのUSレモンが入荷されて、仕事が始まります。
             
先ずは、横半分にカットして、中身をくり抜きます。
黄色い皮と果肉の間に、スプーンをだましだまし差し込んでいくのです。
その外側の皮だけになったレモンが、今日の主役。
そのレモンを、“ぐい飲み” みたいな器等に立てて、準備します。

同時に、別グループは、前日の鯛の子の皮を剥ぎ、ほぐして岡あげに。
合わせ出しに寒天を煮溶かし、いったん漉します。
ほぐした鯛の子を、漉した寒天汁と共に鍋に入れ軽く煮込む。
火を止めた後に、少量のゼラチンを加えます。
粗熱が取れたら、先ほどのレモンに、鯛の子寒天汁を注ぎます。
充分に冷えたら、そのまま一晩冷蔵庫で寝かせ、出来上がりです。
当日、伊太郎親方が輪切りに切り出して、前菜の一品に。

その後、店を移って、親方が変わった時のことです。
ヒゲが、その鯛の子レモンを輪切りに切り出そうと構えたところ、親方の怒鳴り声が。
 「 お前! なにしてんの? そんなもん、くし形に切るに決まっているヤー 」
なるほど、親方の言うのももっともです。
くし形の切り出しの方が、合理性があります。
切り易い、平等に切れる、食べ易い。
その通りですが、輪切りにされたレモン真子のセンターに、木の芽がのった風情も、
なかなか捨て難いものがあります。
料理人の美意識で湧き上がる相克が、それぞれのドラマを生むのです。
いやぁ、やっぱりシャバは面白いですネ。

鯛の真子ではありませんが、同じような手法の物です。
輪切りと櫛形切りが、伊太郎親方の本にありました。
如何でしょうか?
          
                
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コメント (2)
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