アメリカのオレゴン州で,末期ガンにかかっていたブリタリー・メイナードさんが安楽死。29歳。
アメリカでは州によって法律が異なり、安楽死を認める州が5つあるという。オレゴン州もその一つだった。
アメリカが分権の国であることがよくわかる。分権というよりも連邦国家であり、主体は各州にある。アメリカを考える時、これを見落としてはならない。日本とは異なる。
今回のメイナードさんの件は、日本の定義によれば,安楽死ではなく、医者の幇助による自殺であるという。
言葉の遊びはどうでもいい。
余命いくばくもないとわかった時点で,本人の希望による死を認めるか否かが問題なのだ。
NHKでは,反対の論調ばかりを放送していたが、公共放送の立場からいうと,そうせざるを得なかった。ニュース番組でも話題になるだろうが、コメンテーターいうことも想像が付く。公の場での発言には限界がある。
安楽死はタブーである。日本はタブーが多すぎる。メディアの自主規制が過剰である。
私は尊厳死を認める立場なので,今回の件についても肯定的である。
安楽死も、いわゆる医者の幇助による自殺も,日本で行われていると思う。病院なら表沙汰になるだろうが、自宅なら表沙汰にならないケースがほとんどだろう。
病院に入ったらあとは家族の手の施しようがない。病院に入ったらオシマイと心得ておこう。
しかし、いまに風向きが変わると思っている。
要介護の人がどんどん増えれば、全員を手当てすることなどできない。必要があれば、考え方も変わる。
日本では,こういう悲劇が起こる。
茂原市で、92歳の夫が病気で苦しむ妻の首を絞めた。妻は重体だという。妻が死ねば殺人罪だが、92歳の人にこういう行為を行わせるよう追いつめる社会は残酷である。