日経新聞にみずほ信託銀行の「選べる安心信託」の広告が載っていた。
広告を読んでアレッと思った。
信託契約時の信託報酬が、信託金額の2.16%。最大で216万円という。つまり1億円信託すると、216万円の信託報酬を払わなければならない。
その他に管理信託報酬が月額10,800円。これは信託金額に関係なし。年間129,600円を払う。
アレッと思ったのは、こういう信託は他の信託銀行もやっているので比較できるからである。
同じような金融商品には、三菱UFJ信託の「ずっと安心信託」や三井住友信託の「じぶん年金信託」がある。
あからさまに書いて商売の邪魔をしたくないから、この広告に興味を持った人は、「ずっと安心信託」や「じぶん年金信託」の資料を取り寄せて、比較して欲しい。
(以下、補足)
みずほ信託の「選べる安心信託」は最低金額が3000万円である。つまり3000万円以上である。
三菱UFJ信託の「ずっと安心信託」は最高金額が3000万円である。つまり3000万円以下である。
信託できる金額が異なる。
ちなみに、3000万円を信託すると、どうなるか。
みずほ信託の場合。
設定時の信託報酬が3000万×2.16%=648,000円。
仮にこれを毎月25万ずつ年金形式で受け取るとすると、25万×12ヶ月で、年間300万円。設定時の信託金額が3000万だから、10年間、25万円ずつ受け取ることになる。
10年間の管理信託報酬は10800円×12ヶ月×10年=1,296,000円である。
合計1,944,000円。(消費税率が上がらないとして計算。)
三菱UFJ信託の場合。
設定時の信託報酬はゼロ。管理手数料もゼロ。つまり、合計でゼロ。
数字上は、三菱UFJの方が圧倒的に有利だ。ただし、タダほど高いものはないということもある。三菱UFJ信託はどのようにして収益をあげるのだろうかと考えてしまう。
三井住友信託銀行の「じぶん年金」も同じで、設定時も管理料もゼロである。
みずほ信託の場合、数億円単位の信託金額を予定しているように思える。
ちなみに私は、三菱UFJ信託の「ずっと安心信託」を利用している。もう4年たったが、なんの問題もなく毎月定額が振り込まれている。
信託金の運用収益から信託報酬が支払われる理屈だが、この低金利で運用難の時代に事務管理費が賄えるのかと不思議に思っている。