平成16年11月28日。御府内八十八カ所霊場の番外?の二つの札所を訪れる。
霊場事典で、二つの番外?があることを知ったからである。高野山東京別院に電話して確認したが、霊場全体を管理しているわけではないので分からない、という。
そうであれば、行ってみるしかない。
第13番の番外?は田端にある
大龍寺である。田端と駒込の中間にあり、八幡神社に隣接している。江戸時代には八幡神社の別当寺だった。
御朱印では、弘法大師13番とある。御府内八十八カ所霊場の印判がない。「豊島区八十八カ所霊場」と重複した寺院だが、豊島区では21番である。13番札所なのかどうか?
田端駅に出て、山手線で巣鴨駅まで乗り、ここで都営三田線に乗換える。三田駅で都営浅草線に乗換え、終点の西馬込駅で下りる。
第19番札所という
円乗院は駅に近い。
こちらは第19番札所と案内板がある。ホームページでも第19番札所と書いてある。
第19番札所という印判も押してある。
以下混乱した理由を書く。
第19番札所は、江戸時代は、愛宕下の圓福寺だった。明治の神仏分離で廃寺となった。札所は浅草松葉町の清光院に移った。ところが、関東大震災で清光院も廃寺となった。札所は弘法大師象とともに青蓮寺に移ったとされている。これが今の第19番札所である。
第13番札所も同じで、最初は霊岸島の圓覚寺が札所だったのが、明治後期に火災にあい、仏像とともに龍生院に札所が移転した。大龍寺が第13番札所を名乗る根拠が不明だが、当時の住職同士の話合いで決めた可能性もある。なんらかの根拠があったのだろう。
四国八十八カ所霊場のように全国区となると札所を決めておかなければならないが(第30番札所は裁判沙汰になった)、御府内八十八カ所霊場はローカルなものだから、裁判を起こすまでもなく共存している、ということだろう。
ということで、この大龍寺と圓乗院も参拝しておくべきである。私が参考にしたJTBの案内書には、この大龍寺と圓乗院は掲載されていない。2003年の発行だから、改訂されている可能性もあるが確認していない。新しい別の案内書も発売されているが、そちらは見ていない。
結局、御府内八十八カ所霊場は、全部で90カ寺を巡ることになる。