山田和樹=日本フィルによるマーラーチクルスの最終回、交響曲第9番の演奏会を聴く。
2017年6月25日。オーチャードホールで。前座はタケミツの「レクイエム」だった。交響曲第9番の曲想を思えば、この選曲は妥当。もっともタケミツの曲を面白いと思ったことがない。「レクイエム」もまた同じ。
本番は、マーラーである。
実は、マーラーの交響曲は相性が悪く、いいと思えるのは、第1番と第8番だけ。他の曲はオケが吼えまくっているようにしか聞こえない。
それに加えて、第9番は今まで一度も聴いたことがない。終わりが静かすぎるということは知っていた。
第1楽章から第3楽章まで。やはり、オケが吼えまくっていた。第3楽章のボリューム感はそれは大したものだったが、ここまでやるっか、という気がした。やっぱり相性が悪いのだろう。
ところが第4楽章。これはレクイエムでしょ。全然違う曲を聴くような気がした。この楽章から感じるものは、やはり「死」である。
体力全般が低下し、自分はいつまで生きられるか分からないと感じている。しかし、死を見つめることはしていない。死を考えることは回避している。
それでいいのか……。
第4楽章を聴きながら思ったことはそれである。
最後は消え入るような音が延々と続く。いつ終わるのだろうかと、かなりの緊張感を強いられた。終わった時はホッとした。
涙が出ていたことが分かったのは、しばらくしてからである。死に向かう勇気を与えられた。
2017年6月25日。オーチャードホールで。前座はタケミツの「レクイエム」だった。交響曲第9番の曲想を思えば、この選曲は妥当。もっともタケミツの曲を面白いと思ったことがない。「レクイエム」もまた同じ。
本番は、マーラーである。
実は、マーラーの交響曲は相性が悪く、いいと思えるのは、第1番と第8番だけ。他の曲はオケが吼えまくっているようにしか聞こえない。
それに加えて、第9番は今まで一度も聴いたことがない。終わりが静かすぎるということは知っていた。
第1楽章から第3楽章まで。やはり、オケが吼えまくっていた。第3楽章のボリューム感はそれは大したものだったが、ここまでやるっか、という気がした。やっぱり相性が悪いのだろう。
ところが第4楽章。これはレクイエムでしょ。全然違う曲を聴くような気がした。この楽章から感じるものは、やはり「死」である。
体力全般が低下し、自分はいつまで生きられるか分からないと感じている。しかし、死を見つめることはしていない。死を考えることは回避している。
それでいいのか……。
第4楽章を聴きながら思ったことはそれである。
最後は消え入るような音が延々と続く。いつ終わるのだろうかと、かなりの緊張感を強いられた。終わった時はホッとした。
涙が出ていたことが分かったのは、しばらくしてからである。死に向かう勇気を与えられた。