「まだ、始めて二年ですがよろしくお願いします。」
「ユニホームを用意してあるので、これを着てください。」
「え?」
出されたユニホームは青いジャージ、胸には地元の中学校の校章、そしてゼッケン。さらに北国の中学生らしく頬に紅を塗って・・・。
「中三っていうデパートのチームなので、中学三年生をイメージした恰好なんですよ~。」
これ、三年前に青森で開かれたオープン大会「春のお花見カーリング」に出場したときのことでした。シーズン納めのイベント色が濃い大会で、各チームはさまざまな仮装で出場するのでこんな姿でカーリングすることになったのですが、そのとき私が混ぜてもらったチームが中三デパートのチームでした。
その「中三デパート」が民事再生法を申請したと夕刊が報じていました。創業1896年というから115年の歴史があり、北東北の方には馴染みあるデパートなのです。今回の震災の数日後に盛岡店の地下でガス爆発事故が起きていて、このニュースにも驚いたのですが、追い打ちをかけるような事態に更に驚かされました。
オープン大会とはいえ初めての青森の氷に緊張気味の私に「みよた(長野のカーリングホール)でやってるつもりで気楽にやろうよ。」と声を掛けてくれたお陰ですっかりリラックスできて、チームの足を引っ張ることなく総合4位の好成績を残すことができて楽しくすごすことができたのでした。
大会二日間のチームメイトだったみなさんのデパートが、この難局を乗り越えてくれることをお祈りします。