イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

ポルヴェリエーラ 2012

2015-01-21 09:14:19 | イタリアワイン

今回抜栓したイタリアワインは、ポルヴェリエーラ バルベーラ エミリア I.G.T.です。このワインは特売をしていたので、ハウスワイン用に仕入れることが出来ました。当初は果実味だけが目立つワインでしたが。さすがに1ヶ月も経つと浮ついた果実味は落ち着き、酸とタンニンもそれなりに存在感を示し始めたな、と言った感じです。香りはプラム、桑の実、カラメル。この価格なので、それなりの造りになっています。どうしてもピエモンテのバルベーラと比較をしてしまいますが。良く言えば、柔らかく果実味が豊か、と言いたいところではありますが。私としては、酸がだらしないと感じています。ピエモンテのバルベーラも最近は随分と酸がエレガントになったな、と思いますが。ポルヴェリエーラは牙を抜かれた状態で、闘争心がない。私はバローロのようなワインを期待はしていません。むしろ、たたき上げの野武士のように胸の中に熱いものを抱いたワインであって欲しいと思っています。しかし、がっつりしたワインではありません。ネッビオーロのブドウから造られるワインには出来ない。利発で突き通すような意志の強さを感じさせてくれるバルベーラが好きなのですが。乳母日傘で育ったお譲ちゃん、といった風情で面白くない。そのためか、アルコール度数が15度もあるのに、ドライブ感が感じられない。とは言っても、テロワールの表現と片付けられる程度のことだと思います。決して不味い訳でもないし、喉を通って行かない訳でもありませんが。心の中にちょっとだけ不満を感じています。