今回抜栓したイタリアワインはプロドゥットーリ ネッビオーロ ディ カレーマのカレーマ リゼルヴァ (Carema Riserva)1999年です。このワインは2001年と一緒に購入しリリースされてから10年が過ぎたワインです。この価格帯なのでコンディショニングを軽く済ませることで飲み頃を迎えるのではないかと思っていたのですが。2年3年が過ぎても、単純に酸が強く、長いエイジングが必要であると判断しました。奏功している間に2001年は在庫が切れ、2004年を購入した時に、いったんプライスタグをはずしました。このワインはバローロやバルバレスコと同じネッビオーロから造られます。リストにはピエモンテ州でネッビオーロ種のグループに入っています。そのためだと思いますが、当初は比較的に安価なこともあり、飲まれていました。しかし、この不完全な状態のままではいけないと思ったからです。プライスタグを張り直したのは1年くらい前だったと思います。
生クリーム、ココアのほんわりした香りに桃の花、サクランボの花、完熟したクランベリーのふわりとした香りに、何気に現れるミネラリーな香り。滑らかさを通り過ぎたような柔らかなタンニンに、酸っぱさをどこかに忘れてきたような酸は、バローロの産地より50km北部という割には彷彿とされる印象が一切ありません。ネッビオーロのクローンの違いによる影響だと思われます。ちなみに30年前の資料にはネッビオーロのクローンであるピクトネルとプニェから造られるとあります。出過ぎたところの無い、優しく丸みのある果実味。素朴な味わいとは違う、清楚で陰影のくっきりした、はにかんだ様な味わいはバランスよく可愛らしくさえあります。
構造が大きくはなく、さほど複雑ではないし、深くもなし広くもありません。表現の違うネッビオーロのワインの一員として、これからも見守っていきます。それから一つ、位置づけはバローロやバルバレスコのセコンドではありません。これはこれで世界観がしっかりあります。
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