設問2. 本文と下記の資料(i)に基づいて中国の将来に対するアメリカの中国政策の影響について、200字以内でまとめなさい。
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本文 ←は前日のタイトル「奄美大島での覚醒剤入手経路調査状況について」の記事中
『環境と国際総合(’97慶応大)
次の文章を読んで下記の設問に答えなさい。 』
という部分より下から
『設問1.』
という部分の直前までである
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資料(i)著者の母国であるアメリカの対中政策は、あくまでも自国の政治的・経済的・軍事的利益を確保しようとする現実主義的な世界戦略の側面と、中国民主主義に根強い不信を抱く国内世論(具体的には議会)から派生した理想主義的な人権外交の側面、という2面を持っている。これを象徴するのが天安門事件である。以下にこの事件を巡ってアメリカがとった対応の主だったものを示す。
1989年
6月
天安門事件勃発(中国の民主化運動挫折)
事件鎮圧後、ブッシュ大統領は対抗措置を発表(イ. 政府間、民間の武器輸出の停止、 ロ. 米中軍指導者の相互訪問の停止、 ハ. 米国在住の中国人留学生による滞在延長願いへの同情的措置、 ニ. 武力鎮圧での負傷者に対する赤十字を通じた人道的医療援助)
7月
ブッシュ大統領、4800万ドル相当の戦略機装備の対中供与を承認
12月
ブッシュ大統領、政府高官を秘密裏に中国に派遣(関係修復を模索)
1990年
1月
中国、北京の戒厳令解除、事件関係逮捕者を釈放
5月
ブッシュ大統領、中国への最恵国待遇を更新
1991年
10月
米国、中国からの貿易赤字の急増に対し、スーパー301条を発動
11月
中国、西側の人権外交を非難
1992年
10月
選挙戦中、クリントン大統領候補、ブッシュ大統領の対中政策を非難(中国の人権抑圧や武器輸出の中止、最恵国待遇の再検討を示唆)
当選後、クリントン、「中国を孤立化させず、市場経済発展を促すのが米国の利益」と軌道修正、ただし、人権問題の重要性は強調
1994年
5月
クリントン大統領、米国の対中最恵国待遇を人権問題から切り離すと発表
(朝日新聞の記事などを参考に作成)
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設問2.
解答例
経済成長と軍事力増力をめざす中国にとって、アメリカの協力は欠かせない。従ってアメリカが人権外交を発動して武器輸出禁止や最恵国待遇の停止などの措置をとることのないように、中国は民主化運動や人権の極端な抑圧は自重せざるをえないだろう。しかし、アメリカも国益確保のためには、人権外交を強行して対中関係を損なうわけにはいかず、現実主義的外交を行う面もあり、中国で人権が欧米並みに保証されることもないだろう。
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本文 ←は前日のタイトル「奄美大島での覚醒剤入手経路調査状況について」の記事中
『環境と国際総合(’97慶応大)
次の文章を読んで下記の設問に答えなさい。 』
という部分より下から
『設問1.』
という部分の直前までである
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資料(i)著者の母国であるアメリカの対中政策は、あくまでも自国の政治的・経済的・軍事的利益を確保しようとする現実主義的な世界戦略の側面と、中国民主主義に根強い不信を抱く国内世論(具体的には議会)から派生した理想主義的な人権外交の側面、という2面を持っている。これを象徴するのが天安門事件である。以下にこの事件を巡ってアメリカがとった対応の主だったものを示す。
1989年
6月
天安門事件勃発(中国の民主化運動挫折)
事件鎮圧後、ブッシュ大統領は対抗措置を発表(イ. 政府間、民間の武器輸出の停止、 ロ. 米中軍指導者の相互訪問の停止、 ハ. 米国在住の中国人留学生による滞在延長願いへの同情的措置、 ニ. 武力鎮圧での負傷者に対する赤十字を通じた人道的医療援助)
7月
ブッシュ大統領、4800万ドル相当の戦略機装備の対中供与を承認
12月
ブッシュ大統領、政府高官を秘密裏に中国に派遣(関係修復を模索)
1990年
1月
中国、北京の戒厳令解除、事件関係逮捕者を釈放
5月
ブッシュ大統領、中国への最恵国待遇を更新
1991年
10月
米国、中国からの貿易赤字の急増に対し、スーパー301条を発動
11月
中国、西側の人権外交を非難
1992年
10月
選挙戦中、クリントン大統領候補、ブッシュ大統領の対中政策を非難(中国の人権抑圧や武器輸出の中止、最恵国待遇の再検討を示唆)
当選後、クリントン、「中国を孤立化させず、市場経済発展を促すのが米国の利益」と軌道修正、ただし、人権問題の重要性は強調
1994年
5月
クリントン大統領、米国の対中最恵国待遇を人権問題から切り離すと発表
(朝日新聞の記事などを参考に作成)
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設問2.
解答例
経済成長と軍事力増力をめざす中国にとって、アメリカの協力は欠かせない。従ってアメリカが人権外交を発動して武器輸出禁止や最恵国待遇の停止などの措置をとることのないように、中国は民主化運動や人権の極端な抑圧は自重せざるをえないだろう。しかし、アメリカも国益確保のためには、人権外交を強行して対中関係を損なうわけにはいかず、現実主義的外交を行う面もあり、中国で人権が欧米並みに保証されることもないだろう。