toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「教室に並んだ背表紙」 相沢沙呼

2022年09月08日 | 読書日記
これが面白くなかったらもう相沢沙呼を読むのは辞めようと思って手に取った一冊。
大当たりではなかったけれど、私の相沢沙呼史上一番良かった。

まったく共感できなかった「雨の日は学校に行かない」と同じく中学生達が主人公で、設定が特殊過ぎて着いて行けなかった「卯月の雪のレター・レター」と同じテーマの短編集。
「雨の日は学校に行かない」を「卯月の雪のレター・レター」の手法で作り変えて完成させたと言った感じかな。

「雨の日は学校に行かない」と同じく登場人物が微妙に重なっていて、主人公が代わりながら同じエピソードをそれぞれの視点からとらえてるというスタイル。
どうでも良いけど、注意深く読んでいないと、同じ図書館を舞台にした2つの時間の物語で構成されていることを見逃すかも。。
「しおり先生」と言うキーワードに惑わされるって言うのも有るけど、並べ方も絶妙な感じ。
(続編で三崎さんが司書になってたらやり過ぎだけど(笑)・・・)
ラストで三崎さんに声をかけたのがあおちゃんとはっきり書いてないところがちょっと気にいった。

あっちの話のあの部分がこっちの話の伏線になっていたりと、とにかく複雑に絡み合ってるのを楽しむのも面倒くさいけど面白いかも・・。

ただ、読書で救われたというのはまだ許せるけれど、いじめられっ子や協調性の無い子が読書に逃げるような書き方をしてるのが納得できない。




集英社
コメント
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