toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「インサイド」 佐藤まどか

2024年02月13日 | 読書日記

インドのカースト制のような感じで、上流階級、中流階級、下流階級、底辺と生まれながら区別される国が舞台。
その国では階級によって住む場所も違うし、上流階級は特権階級でそれ以外とは生活水準などすべてが違う。
そんな国にある特別な施設に集められた4人の少年と2人の少女達の物語。

途中までは、その施設の秘密に迫る・・・と言ったミステリみたいな内容だったけれど、結局詳しいことは何も分からないまま終わってしまった。
物語そのものは佐藤まどからしく予定調和に進んでいくけれど、中途半端なエンディングで不完全燃焼。

6人の中で、主人公格のキイは下流階級のみなしごの設定なのに、やけに思慮深いし、知識も持っていて不自然だった。

 

 

 

 

2024.1.16

静山社

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「キボウのミライ」 福田和代

2024年02月12日 | 読書日記

S&S探偵事務所シリーズ第2弾にして、しのぶとスモモシリーズとして第3弾。

今回はデラさんが係わり現在まで続いている事件についての物語。
解決に向けてしのぶは活躍するものの、ITスキルはほとんど使わない。

タイトルになっているマルウェアの「キボウ」と「ミライ」の話はサイドストーリ扱い。
こちらでは、スモモのITスキルが登場するものの前作ほどではない。

続編(「いつか夜は明けても」?)の予告となるようなシーンで終わっていて、ホープ博士(=筏?)の今後が気になる。
ところで二人と筏の関係って、どこかに書いてあったっけ?





2019.4.20
祥伝社

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「サイバー・コマンドー」 福田和代

2024年02月11日 | 読書日記
「最終兵器は女王様」を読んで、是非前日譚となる本作を読みたくて手に取った。
思った通り最後まで面白く読めた。

ただ、ネットワークを介したあらゆるテロに対処するため防衛省に設置された“サイバー防衛隊”の職員が3人、しかもちゃんとスキルを持っている人が2人って頼りなくないですか??

書かれている通り、様々な製品に組み込まれているコンピュータにマルウェアが仕込まれている可能性が有るとして、ネットに接続されていないシステムの場合、コマンドを送ることができないからトリガをかけるのが難しいと思うし、遠隔ではほぼ不可能かと思うけれど・・。

この作品には重要な内容がさりげなく書いてあるけれど、みんな分かったかな?特に文系の人。。




2013.9.10
祥伝社
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「睦家四姉妹図」 藤谷治

2024年02月10日 | 読書日記
タイトル通り、睦家夫婦とその四姉妹の物語。

数年ごとに変わっていく家族の話で、物語自体は別段どうってことないけれど、その時々の出来事とリンクしていて、懐かしく思い出した。





2021.1.30
筑摩書房
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「最終兵器は女王様」 福田和代

2024年02月09日 | 読書日記
一流ハッカーのしのぶとスモモの女性二人が開いたIT探偵事務所を舞台にした物語。

最初は連作短編集のように一話完結の体裁になっているけれど、徐々にサイドストーリのように扱われていたスモモの両親行方不明の謎解きに収束して行く。
さすがに工学部卒業の著者だけあって、専門用語の使い方や技術的な描写は正確。

しのぶとスモモに関する前日譚の作品や続編が有るようなので、そちらも読みたい。




2017.2.20
祥伝社
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「素数とバレーボール」 平岡陽明

2024年02月08日 | 読書日記
感動的な最後にしようとして、ちょっと失敗したといったところ。
「ぼくもだよ。」は途中で失速しながらも最後に盛り返したという作品だったけれど、こちらは逆に中盤盛りすぎて最後に息切れした感じ。

ところで、理系の東大が東工大って有るけど意味不明。
理系の東大は東大(の理科)でしょう。。





2022.6.5
講談社
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「海とジイ」 藤岡陽子

2024年02月07日 | 読書日記
瀬戸内海に浮かぶ小さな島が舞台の3編。

冒頭の「海神(わだつみ)」はこの本での唯一の短編で、一番良かった。
残り2編は中編作品で、「夕凪」は最後の展開がちょっと不自然。
最後の「波光(はこう)」は前の2編を強引に結び付けたようなところの無理やり感がちょっと気になる。

そうは言っても、藤岡陽子には外れが無いと思っていて、これも当たり。
ただ、国立大学の理系の学科は30人くらいですよ。100人もいません。



2018.11.20
小学館
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「つばめや仙次 ふしぎかわら版」 高橋由太

2024年02月06日 | 読書日記
死者をよみがえらせると言う拝み屋は出てくるものの、妖怪の類は登場しないけれど、やっぱり高橋由太らしい作品。

登場人物はみんな個性的で楽しい。
もしかして続編も有るのかも・・・。






2011.7.20
光文社文庫
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「ここが終の住処かもね」 久田恵

2024年02月06日 | 読書日記
高原に有るサ高住で暮らすことになったカヤノの物語。

舞台となるサ高住は、良く有る一棟のビルの分譲式ではなく、庭付き戸建てのゆったりとした住宅で、そういうところなら将来住んでも良いかな・・・と思わせるような物件。
サ高住内での物語かと思っていたら、何人かの住人とハウス長が登場するだけで、カヤノの周辺で起こる様々な出来事で物語が進む。

不思議なことにサ高住に暮らす男性は一人も登場しないけれど、女性専用だったのかな?

ところで、普通は「終の棲家」と書くと思うんだけど、敢て「住処」としたところに何か意味が有るのかな??





2022.12.20
潮出版社
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「ひとっこひとり」 東直子

2024年02月05日 | 読書日記
読み終わった後で、「それで?」と言いたくなる短編集。
どの作品も「いとの森の家」に近いテイストだけど、みんな中途半端な感じ。

「見つかった?」だけは完結してる感があって良かった。





2023.7.29
双葉社
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「はんぷくするもの」 日上秀之

2024年02月04日 | 読書日記
震災の津波で流された店を仮設で再開させた毅の日常の(?)物語。

主人公の毅をはじめ、友人の武田、借金を返さない古木、剛の母と主要な登場人物の考えていることがみんな理解できない。
多少まともなのは風峰さんくらい。
物語も結局何が言いたかったのか・・・・?





2018.11.20
河出書房新社
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「ななつのこ」 加納朋子

2024年02月04日 | 読書日記
先日読んだ「1(ONE)」が『「ななつのこ」から始まる〈駒子〉シリーズの20年ぶりの最新作』と言うことだったので、未読の本作を読んでみた。
シリーズというけれど、「1(ONE)」で主人公のの母親としてチョコッと登場する駒子が主人公と言うだけで、物語が続いているわけではなかった。

第3回(1992年)鮎川哲也賞受賞作と言うことだけど、ミステリ色は弱い。
主人公が出会った「ななつのこ」と言う本と、主人公の現実の物語が有機的に結びついて話が構成されていて、それを主人公が「ななつのこ」の著者へ手紙で知らせ、その返信で締めるという形の連作短編集。
非常に凝っている構成なのに、違和感なくすっきり読めてしまう。

最後の短編の表題作は全体の種明かしのようになっていて、1冊の本としても上手くまとまっている。

それぞれの短編はどれも出来が良くて、読んで良かった素晴らしい一冊。
1992年に出版された本だけど、全く知らなかった。出会えてよかった。






1992.9.25
東京創元社
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「平凡な革命家の食卓」 樋口有介

2024年02月03日 | 読書日記
先日偶々読んだ「礼儀正しい空き巣の死」の姉妹編が有ると言うことで読んでみた。

主人公の女性刑事はやたらに強引で、ストーリにはかなり無理が有るけれど、先の展開がまるで見えないのでついつい読み進めてしまうと言う感じ。
最後は全く予想外で、こう来るのか。。。

それにしてもタイトルの意味は理解できない。






2018.4.20
小説と
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「いつか岸辺に跳ねていく」 加納朋子

2024年02月01日 | 読書日記
「フラット」と題された前半は護の視点から語られる、ちょっと変わった幼馴染の徹子の物語。
後半の「レリーフ」は徹子による「フラット」に対する回答編のような内容と、その後日譚。

物語としては「レリーフ」だけで完結しているけれど、その前半を別の人物の視点で描くことで立体的になっている。
宮部みゆきの「模倣犯」と同じ手法かな。

「フラット」では語られていない話になってからの展開はちょっと強引だし、結婚式のドタバタで無理やりまとめてしまった感じになってしまいちょっと残念。
そこまでと同じように丁寧に物語を作って欲しかった。






2019.6.25
幻冬舎
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