「本当に必要なもの」 使徒言行録 3章1~10節
生まれつき足の不自由な人が神殿の「美しい門」という場所に連れられて来て、毎日そこで施しを乞うていました。一見すると、彼にとって必要なものはお金であるように思えます。一方で彼は、親が罪を犯したために足が生まれつき不自由なのだと考えられ、人間として尊ばれることもありませんでした。そんな彼は、ペトロとヨハネと出会い、互いに見つめ合いました。そして、手を取って引き起こされ、立ち上がることができるようになりました。彼は、立ち上がり、歩けるようになった喜びを、踊ることによって表現しました。
本当に必要なものとは何でしょう。彼にとっては、お金などではなく、同じ人間として見て欲しいということ、手を取り合って共に生きて欲しいということではなかったでしょうか。彼が立ち上がり、歩けるようになったということは、神さまが彼を赦し、もはや「罪人」と呼ばれる理由さえもなくなったことを証明しています。人間性の回復、それが彼にとっての救いであり、本当に必要なものであったと伝えられているように思います。