「立派な信仰」 マタイによる福音書 15章21~28節
「イスラエルの失われた羊」とは、5つのパンと2匹の魚によって養われた群衆を指しています。彼らは、「罪人」と呼ばれて社会から排斥されている人たちでした。彼らがイエスさんが分けられた5つのパンと2匹の魚によって食事をしたとき、残ったパン屑が12籠あったことが伝えられています。
カナン人の女性がイエスさんの一行に近づいて来て、娘が病気でひどく苦しんでいるので癒やして欲しいと懇願しました。イエスさんが何も返事をしなかったところ、弟子たちが「この女を追い払ってください」とイエスさんに言い出しました。弟子たちの態度は、外国人に対する予断と偏見そのものでした。
イエスさんは、彼女に「わたしは、イスラエルの家の失われた羊のところにしか遣わされていない」と言い、また「子どもたちのパンを取って子犬にやってはいけない」とも言いました。すると彼女は、「主よ、ごもっともです。しかし、小犬も主人の食卓から落ちるパン屑はいただくのです」と言いました。彼女の言葉を聞いたイエスさんは、「あなたの信仰は立派だ。あなたの願いどおりになるように。」と言い、そのとき、娘の病気は癒やされました。
「イスラエルの失われた羊」がイエスさんによって分けられたパンによって養われたそのとき、12の籠一杯のパン屑も用意されました。それは、カナン人にも分けられているパン屑であったことを彼女は理解していました。それを知ったイエスさんは、「あなたの信仰は立派だ」と言われたのです。
*タイトル「粘り強い信仰」を改めて、「立派な信仰」としました。