融通無碍 翼を休めてみませんか

新温泉町浜坂にある日本キリスト教団浜坂教会の
牧師日記

「子どもを愛する」

2024年05月11日 | 聖書のお話

「子どもを愛する」 ルカによる福音書 18章15~17節

 5月5日は「こどもの日」です。祝日法では、「こどもたちの人格を重んじ、幸福をはかると共に、お母さんにも感謝する日」と定められています。現在、少子高齢化が進むばかりで、出生率も減少の一途を辿っています。このままでは、大幅な人口減が予想され、小さな町や村は消滅し、道路や鉄道、学校や病院を維持することが困難になることが予想されています。

 少子化になった原因は、これまで長きに渡り政治の力で出生率が上がるような施策が行われて来なかったからです。政治家を始め多くの人たちが〈今だけ、カネだけ、自分だけ〉という考えに囚われ、子どもや若い世代が貧困にならないような社会を形成し、放射性廃棄物や借金を子孫に残さず、未来の子どもたちに希望を託そうとしなかったからです。

 イエスさんは、祝福してもらおうと赤ちゃんを含む子どもを連れて来た人たちを叱りつける弟子たちに、「子どもたちを私のところへ来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。」と言いました。子どもの人格を軽んじ、子どもの祝福(幸福)を願わず、母親を不安にさせるばかりでは、神の国に入ることなど決してできないと教えているのです。

 


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正・反・揚・合

2024年05月07日 | 日記

 べーゲルの弁証法は、問題が起こった際に、みんなでより良い方向へと向かうための思考として優れていると思っています。私自身も、多くの問題に直面した際、この弁証法の思考によってどれだけ助けられたか数知れません。

 一般的には、正・反・合として知られているところですが、反と合の間に「揚」というのがあることを学んでいくうちに知りました。下の画像は、「思考と表現の実験室」というサイトさんの「ヘーゲルの弁証法とは?」という頁からお借りしたものです。言葉で説明されるより、画像を見ながらの方が分かりやすかったです、ありがとうございました。画像をクリックすると、サイトへ移動します。

 「揚」とは、「止揚」の略です。この言葉で思い出すのが、滋賀県にある「止揚学園」です。弁証法に当てはめると、世の中は健常者の目線で動いている。これが「A」。しかし、それでは障がいのある人は生きづらい。これが「B」。従って、互いに平等に生きることのできる社会を目指す。これが「Z」。そこに至るまでの過程として、「障がいのある者とない者がぶつかり合って新しい世界を生み出していきたい」との理念に(止揚学園のホームページより)よって歩む。これが、「止揚」。止揚学園の「止揚」とは、ヘーゲルの弁証法を体現する言葉であることが理解できます。

 

 

 このように、ヘーゲルの弁証法が広く知れわたれば知れわたるほど、正・反・揚・合という思考によって、問題解決へのより良い考えが共有できることへとつながります。より良い考が共有されればされるほど、実行に移るのが早くなり、世の中の変革も早くなるというものです。反対に、世の中の変革を妨害するには、問題解決への良い考えが共有されることを妨害すれば良いということになります。従って、妨害への対抗策は、質の高い情報をたくさんの人たちと共有するということに尽きると思います。

 弁証法によって考えると、平和が尊い「A」。しかし戦争が絶えない「B」。より良いものは、停戦と和平である「Z」。そのためには、紛争当事者双方による交渉が必要です「止揚」。しかし、ウクライナでは、ロシアと一切の交渉をしてはならないという法律があり、ロシアと交渉すること自体が犯罪とされています。イスラエルも誰とも交渉しようとする気がなく、アメリカや西洋も同様であり、武器を供与して紛争を煽るばかりであり、日本や韓国もその中に組み入れられつつあります。休戦・和平への道が閉ざされている現状があります。この現状が行き着く先は、先取りの形で現在見聞きしている通りではないかと思います。

 ヘーゲルの弁証法から学ぶことは多いと思う今日この頃です。


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JYさんのこと

2024年05月07日 | 日記

 思い出したことですが、備忘録のために記します。

 昨年度、JYさんという方からお電話がありました。JYさんとは面識がありませんが、浜坂教会に献金されたいとのことでした。多分クリスチャンだと思いますが、聖書の「右の手をすることを左の手に知らせるな」との姿勢を強く感じ、唯唯お気持ちのままに有り難くご献金を受領した次第です。その後、何度かJYさんのことを知らないなりに想像しながら感謝のお祈りをし、また教会の皆さんにもお伝えしました。

 年度が変わり、総会を開いて教会会計の決算を報告しましたが、今年も多額の赤字が出ました。振り返って見ると、JYさんからのまとまったご献金がなければ、もっと多くの赤字が出ていたことを思うと、改めて不思議な出来事だったと回想しているところです。どうしてJYさんが浜坂教会にご献金してくださったのか、未だに不思議な気持ちがします。

 教会総会も終えて時間が経ちましたが、ふと頭に思い浮かびましたので、改めて感謝しつつ書き留めておきたいと思いました。

 


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明日は礼拝です

2024年05月04日 | 礼拝のご案内

 明日5月5日(日)は、主日礼拝です。午前10時から礼拝が始まります。メッセージは「子どもを愛する」、賛美歌は「神の霊よ、今くだり」、「聖霊よ、降りて」です。ご興味のある方は、どなたでもご出席ください。

 5月5日は、子どもの日です。この日は、祝日法で「子どもたちの人権を重んじ、幸福をはかると共に、お母さんにも感謝する日」と定められています。ちょうどこの日の前後に他の祝日が繋げられて、GWと称する期間となっています。この期間、まとまった休みをとってレジャーを楽しむことが慣例になっていて、普段は静かで人も少ないここ浜坂でも、スーパーは人が混み合い、駐車場も県外ナンバーが目に付き、普段あまり見かけない大型外車もちらほらと。

 一方で、少子高齢化社会にあって、もっと子どものことを考える時間が必要ではないかと思わされたりもします。世界に目を向けても、ガザではイスラエルに虐殺されたパレスチナ住民の数が東日本大震災で亡くなった人数を遙かに超えてしまいました。そのうちの、7割が女性と子どもであることを考えると、何だか子どもの日も気分が沈んでしまいます。

 イスラエル軍は、ゴスペルとラベンダーという名前の付いたAI兵器を使用しています。ゴスペルは、主に破壊する拠点を定め、ラベンダーは殺害する人間を定め、あたかも人間が判断したかのように作戦命令を出す装置だと伝えられています。成功率を高めるために、攻撃範囲について余裕を持たせるそうです。確実に仕留めるために、広範囲に攻撃するのです。そのため、被害が大きくなっています。AI兵器は、民族浄化のためには、女性や子どもを殺すことが一番効率的と計算しているのでしょう。まったくもって映画「ターミネーター」の世界です。

 


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「愛こそ唯一」

2024年05月03日 | 聖書のお話

「愛こそ唯一」 コリントの信徒への手紙一 8章1~6節

 コリントの教会では、偶像に供えられた肉を食べて良いものだろうかと考える人たちがいました。現代に生きる私たちも、食の安全を考えて自分が口にする食べ物について吟味するものです。遺伝子組み換え食品や様々な汚染の問題もあるために、何でも気にせず食べて体の中へ入れてしまうのは、健康面への配慮に欠いた行為になってしまいます。

 またコリントの教会では、神は唯一なのだから偶像など存在せず、偶像に供えられた肉について気にせず食べても良いと考える「知識」を持つ人たちがいました。このように意見が分かれ、どの立場を取れば良いのかをパウロに質問した背景には、食卓に届けられた肉が偶像に供えられた肉なのか、そうでないのかが明確に分からないという事情があったのかも知れません。

 パウロは、神は唯一であるという「知識」によって何を食べても良いと教える一方で、そうは言っても割り切れない人たちもいることを配慮し、食べることによってそれらの人たちが躓いてしまうなら、食べない方が良いとも教えました。いずれにしても、「知識」を用いて神に従うことも、「知識」を用いないで神に従うことも、両方とも等しく神を愛する行為です。愛こそ唯一なのです。

 


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