新・空と鷹と鉄の間に

ヒコーキ、ホークス、鉄道好きのブログです。

鉄道ジャーナル誌休刊

2025-01-23 20:20:00 | 鉄道


毎月のように購読している鉄道ジャーナル誌。3月号をいつものように開いたら、休刊のお知らせに手が止まってしまいました。休刊と書いてありますが,事実上の廃刊とみて間違いなさそうです。昨今の出版業界や鉄道ジャーナル誌が得意としてきた取材に基づく記事の成立の難しさなどがあり、致し方ない決断かとはおもいますが、残念です。2月号が通巻700号だったのに特に何もなかったのでおかしいなとは思っていましたが、そういうことだったとは思いもよりませんでした。
鉄道雑誌はやや専門的なテーマの鉄道ピクトリアル、写真を主体として列車や車両にフォーカスを当ててきた鉄道ファン、そして取材に基づくルポ記事主体の鉄道ジャーナルとそれぞれ特色のある雑誌が発行されてきました。

はじめて鉄道ジャーナル誌を買ったのは1985年12月号。今や絶滅危惧種の205系電車が表紙で埼京線開業と通勤電車が特集の号。まだ小学5年生だったので小遣いで買ったのでしょう。それからしばらくは散発的に買っていたのですが、
国鉄分割民営化、JR発足という鉄道界にとって大変革の時の1987年6月号からは毎月買いだしています。国鉄からJRに変わったタイミングと、中学2年生になって定期的に雑誌を購入できるほど小遣いをもらうようになったからでしょうか。以来38年、通巻247号から701号に渡り購読し続けてきました。レイルウェイライターの種村直樹氏や紀行作家宮脇俊三氏の存在を知ったのもジャーナル誌。以来、種村氏や宮脇氏の著作も買って読んでいきました。時折当ブログでも出てくる郵便局巡りも種村直樹氏の影響です。



38年の購読で印象に残っているのは1999年2月号の日本海縦貫線の旅路。青森ー大阪間の特急白鳥号を追跡取材しているのですが、当該列車が大雪で途中の羽後本荘駅打ち切りとなってしまい、1週間ごに再び取材乗車し、その顛末を記事にしていたこと。11月に大雪になるのも今ではびっくりですが,大雪の中でも列車を動かそうとする努力を垣間見た記事でした。
あとは1988年にオリエント急行が日本にやってきた時。日本の景色の中を走るオリエント急行に注目してしまいますが、ジャーナル誌ではオリエント急行を日本で走らせようとしたテレビマンと、それを実現した鉄道マンの手記が掲載されて、それは興味深く読んだ記憶があります。
2025年3月号では氷雪の旅 思い出の夜汽車と題して、津軽鉄道のストーブ列車・JR五能線・びゅうコースター風っ子のストーブ列車が取り上げられ、過去に掲載された急行はまなすと特急日本海の追跡記事が掲載されています。
残り3号ですが,1987年6月号で購読がはじまり,2025年6月号で終えるのもなにか不思議な縁を感じます。


ドクターイエロー引退

2024-06-14 20:17:35 | 鉄道

東海道・山陽新幹線で運用されているドクターイエローこと923形新幹線電気軌道総合試験車が2027年度をめどに引退することが発表になりました。
923形は700系新幹線電車をベースに2000年にJR東海T4編成が、2005年にJR西日本T5編成が製造されました。7両編成で電気・信号・通信・電車線・軌道の状態を走行しながらチェックすることができます。異常個所は関係各所へ通達されて修繕が施され新幹線の安全運行を支えています。月に数回、東海道・山陽新幹線をのぞみ号のダイヤまたはこだま号のダイヤで運転され、検測を行なっています。700系ベースの車両なので2020年以降N700A、N700S系で統一された東海道・山陽新幹線での運用がいつまでなのか注目されていましたが、JR東海のT4編成が2025年1月に、JR西日本のT5編成が2027年度中に引退することが発表となりました。引退後は営業車のN700S系に検測機器を設置して営業運転しながら検測を行うようです。
このドクターイエローは何度か撮影をしており、新幹線での撮影地でも撮影しています。

こちらは三島ー新富士間の有名撮影地。新幹線と富士山が撮影できる場所ですが、ドクターイエローのぞみ下り検測ダイヤではお昼前に通過するので、富士山に雲がかかってしまうことが多いです。この時は事前に時刻と運転情報を調べて撮影に行ったのですが、富士山が雲に隠れてしまいました。こちらの写真は当ブログのパソコン版でヘッダー画像になっています。

静岡ー掛川間の茶畑スポット。こちらも非常に有名な撮影地です。富士市の撮影地では運転情報を調べて狙って撮ったものですが、こちらの写真は情報もなく突然現れたドクターイエローです。検測ではなく、博多総合車両所への回送電車だったと記憶しています。270km/hで背後から現れて撮影できたのは奇跡としかいいようがありません。


2024ブルーリボン賞・ローレル賞

2024-05-28 20:22:38 | 鉄道

鉄道友の会が選定する、2024年ブルーリボン賞、ローレル賞がこのほど発表になりました。

ブルーリボン賞
東武鉄道N100系電車「スペーシアX」
浅草と日光・鬼怒川を結ぶ新しい特急列車として開発され、100系スペーシアの後継車両としてスペーシアが築き上げてきた伝統を継承しつつ、時代に合わせて進化した東武鉄道のフラッグシップトレインとなっています。外観は真っ白な車体に先頭車の窓枠に組子や竹編細工など伝統工芸をイメージするような形状を採用、車内も江戸文化の象徴のグリ紋や組子細工をデザインに取り入れています。客室はスペーシアで人気の個室のほか、東武鉄道では初となるプレミアムシートや先頭車のコクピットラウンジなど今までにない座席構成となっています。
運転開始当初から満席が続き、当初は2本でしたが2024年3月に2本が増備されて、現在は浅草ー東武日光間4往復、浅草ー鬼怒川温泉間2往復の計6往復が運行されるほか臨時列車として浅草ー東武日光間で1往復の設定があります。
 
ローレル賞

宇都宮ライトレールHU300形電車
新規路線としては76年ぶりに開通した芳賀・宇都宮LRTの新型車両で2021年より17編成が製造されました。開業は2023年で、ブルーリボン・ローレル賞の選定基準が前年に営業運行を開始した車両ということで選定されています。
富山ライトレールや万葉線、岡山電軌MOMOなどと同じ旧アドトランツ社のLRT車両であるブレーメン形の超低床路面電車を元にしており、ベースは福井鉄道のF1000形の3車体連接車で、車体デザインは雷都宇都宮をイメージした黄色とグレーをベースとした塗装となっていて、車体も雷の光や先進性を踏まえた流線型となっています。また乗降用ドア全てに交通系ICカード読み取り部が設置されており、ICカード乗車券であればどのドアからも乗降できるようになっています。現在は軌道法に基づいた40km/hの最高速度ですが、性能的には70km/hまで出せるように設計されており、速度向上は将来の課題ともなっています。
 
大阪市高速電気軌道400系電車
写真を持っていないのが非常に残念ですが、大阪市交通局がOsaka Metroになってから初めて導入した車両で、2025年の大阪万博輸送用、中央線20系の老朽置き換え、24系の他線への転用を目的に6両編成23本が導入される予定の車両です。
デザインはE5・E6・E8系新幹線をデザインした奥山清行氏で宇宙船をイメージしたデザインとなっています。中央線を2025年の大阪万博の会場である夢洲へのアクセス路線と位置づけ、それにふさわしい近未来的なデザインとなるものとして採用されています。客室は地下鉄車両でもあることからロングシートが主体で構成されていますが、4号車の扉間の座席は固定式クロスシートとなっており、Osaka Metroとしては初の試みとなっています。
これまでに8編成が投入され地下鉄中央線・近鉄けいはんな線で運用されています。大阪万博までに中央線はコスモスクエアー夢洲間が延伸されることになっており、万博輸送では主力車両となって活躍することでしょう。

日光へ初詣

2024-01-06 12:00:00 | 鉄道
お正月休みの1/3。このままどこへも行かないのはどうかと、思い立って日光へ。朝早く地下鉄銀座線で浅草へ。

浅草0700発特急けごん3号東武日光ゆきに乗ります。

金色の日光詣スペーシアとは新年早々ついています。早朝の浅草からの日光ゆきで混んでいるかと思いましたが、意外にも空いていて、終始ガラガラのままでした。スペーシア独特のどっしりとした座席に身を預け、およそ2時間半の旅を楽しみます。
東武日光駅到着後は何も考えていなかったのですが、せっかく来たのだからと、世界遺産めぐり周遊バスのフリーきっぷを買って日光二社一寺へ。混雑対応で周遊ではなく西参道折り返しとなっていました。

東照宮はなんとなく混んでいそうなのと、拝観料が必要なので、今まで行ったことのない日光二荒山神社へ。

日光二荒山神社は日光三山(男体山、女峰山、太郎山)を祭神とし、麓の本社の他、中禅寺湖畔の中宮祠、男体山頂の奥宮から構成されています。その境内は日光山内に広がり、日光三山はもとより、神橋や華厳滝まで境内地になります。

本殿脇には金色のウサギが。良い縁ウサギだそうです。
お参りを済ませて、東照宮や輪王寺には行かずに西参道からバスに乗って神橋バス停で下車。神橋のすぐ脇にある日光金谷ホテルのベーカリーでお昼ごはん用にパンを買います。

坂道をひと停留所歩いて、旧日光市役所庁舎へ。平成の大合併前の旧日光市の役所だった建物で、和洋折衷の木造4階建ての建物になっています。大正時代にホテルの建物として建造されましたが、ホテルとしては開業せず、日光市役所本庁舎、合併後は日光市行政センターとして使用されましたが、2018年に新庁舎開設とともに役目を終えて2022年に外観修復をして公園として整備されました。
外観見学のみしているので、外観を眺めてからバスで東武日光駅へ。このあとは栃木と桐生で乗り換えて赤城から特急りょうもうで帰ろうかと思いましたが、満席だったので諦めて、東武日光から特急けごん20号に乗って浅草へ帰ることに。

帰りのスペーシアはDRCカラーでした。DRCはスペーシアの前に東武の日光特急として走っていた1720系電車でデラックスロマンスカーと呼ばれていました。車内は喫茶室やジュークボックスも設置され、日本初の自動ドアも採用されていました。その血を引いているスペーシアに乗って帰ります。栃木からは満席でした。

走り始めたばかりのいちごスペーシアには途中の春日部で行き違い、15番席のある車両に設置されたいちごシートが窓越しに見られました。東武日光駅には記念撮影できるボードが設置されていました。


宇都宮ライトレール

2023-11-26 11:02:22 | 鉄道
新規の路面電車としては76年ぶりに宇都宮市に開業した宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線。8/26に開業して以来、平日のみならず休日は初乗りを含む乗客で非常に混雑をしているとの報道もあり、しばらくは乗りに行くのをためらっていましたが、11月4日に思い立って乗りに行って来ました。
宇都宮までは東北新幹線で。9時ごろに東京駅に到着。宇都宮ならばやまびこ号のほかにもやまびこ・つばさ号も停車して1時間に2〜3本ほどの停車列車がありますが、9時台のやまびこ・つばさ号は福島まで停車しない速達タイプ。そのあともはやぶさ・こまち、盛岡やまびこと通過列車と遠距離へ向かうやまびこ号で混雑していると思ったので、0948発やまびこ・つばさ177号仙台・新庄ゆきに乗車。やまびこ号の自由席に乗りますが、空席が多くガラガラでした。乗ってしまえば宇都宮までは49分。あっという間です。

東口のライトレール乗り場に行って、定期券売り場で前日より発売開始された一日乗車券を購入。首からぶら下げて乗降するようですが、この乗車券ならばどのドアから乗降しても良いそうです。ちなみに全線乗っても400円。往復するだけでは元は取れませんが、途中下車をしていこうと思います。

ホームへ行ってみるとすでに乗客が並んでいます。ホーム面に養生テープで乗車列のラインが示されているのは予想外の混雑ぶりが垣間見えます。電車の到着までしばらく時間があるので折り返し電車を撮るために一旦軌道外へ。

折り返しの電車が遅延して到着。ICカードでの乗車ではどのドアからも乗り降りできますが、現金精算の場合は運転席後ろのドアから降りなければならないので、精算に手間取り遅れ気味での運転のようです。ICカードでの乗車の普及と、乗客側が慣れてくれば落ち着いてくるのでしょう。

電車はHU300形電車で新潟トランシスにより製造された超低床路面電車で、ドイツ・ボンバルディア・トランスポーテーションから技術提供を受けてライセンス生産をしているブレーメン形と呼ばれる車両です。福井鉄道F1000形をベースにした3車体連接車となっています。ブレーメン形の特徴として左右車輪が独立していて客室全面が超低床となる点で、スムーズな乗降ができます。この日も混雑はしていましたが、超低床車の威力でしょうか、あまり圧迫感はありませんでした。

とりあえす終点の芳賀・高根沢工業団地まで乗り通します。途中での乗降もありますが、終点まで乗り通す人も多く、未だ初乗り需要は途切れていないようです。

終点の芳賀・高根沢工業団地停留所は本田技研工業の研究所・工場のそばに立地しており、現状では商店などはありません。北へ向かうと芳賀町と高根沢町の境界があり、宮内庁の御料牧場が広がっています。乗って来た人たちも折り返しの電車に乗って戻っていくようです。

発車してく電車を見送って1本後の電車に乗ります。日中は12分間隔での運転となっており、10分間隔でも良さそうな乗客数ですが、今後の乗客次第といったところでしょうか。
宇都宮方向に戻りつつ乗り降りをしていこうと思いますが、そろそろお昼時でお腹もすいてくる時間。沿線で住宅地やロードサイド店も並んでいたゆいの杜地区で下車して、お昼ご飯とします。

ゆいの杜地区は1997年から造成されて来た宇都宮テクノポリスセンター土地区画整理事業によって誕生したニュータウン地区で、宇都宮市東部の住宅地になっています。ライトレールの走る県道沿いにはスーパーなどの商業施設も並び、ライトレール線内でも賑わいのある場所です。道路や住宅も新しく、これから発展してく町であろうと想像できます。

ゆいの杜地区でお昼ご飯を食べてライトレールに乗って次に降りるのは平石停留所。停留所からは鬼怒通りへの立体交差へと登ってゆく電車が見られ、望遠レンズを使えば電車の写真が撮れそうです。

平石停留所は国道4号線のバイパスのそばにあり、ライトレールの車庫や運行管理設備があります。停留所の周りには何もないので車庫に集うライトレールの電車も見られます。

そしてこの停留所は路面電車の停留所としては珍しい2面4線の構造となっています。将来的には快速電車の運行も視野に入れているようで、緩急接続の停留所としても機能するようです。
平石からは宇都宮市街へ戻ります。このまま宇都宮駅まで行ってもいいのですが、沿線には前々から気になっている場所があります。宇都宮駅東公園前で下車して、駅東公園へ。

宇都宮駅東公園はその名の通り宇都宮駅の東にある公園で、公園内のプールや隣接する宇都宮市体育館・マロニエプラザと一体になっています。この日は体育館でプロバスケットの試合があったようで公園内は活気がありました。

その駅東公園内にひっそりと保存されているのは国鉄EF57形電気機関車。

1941年に電化の進行していた東海道本線の優等列車牽引用に登場した機関車です。戦後の浜松電化の際にパンタグラフが車体からはみ出して取り付けられている特徴的な姿に改造され、当機を印象付ける姿となっています。のちにEF58形電気機関車の登場により、高崎・上越線に転じますが、末期は宇都宮機関区に配置されて東北本線で旅客列車を牽引するようになります。1978年に全機引退しますが、7号機は解体されることなく宇都宮駅東公園に保存され、EF57形電気機関車唯一の保存機となっています。屋根付きの場所で保存されている上、保存会により手入れをされていることから、保存状態は良くEF57独特のパンタグラフの形状も観察することができます。
EF57を見学してから駅東公園停留所からライトレールに乗って宇都宮駅へ戻り、上野東京ラインのグリーン車に乗って帰りました。