JR東海が1993年から主に関東・中部地区で流しているシリーズCMです。京都の風景をバックに『サウンドオブミュージック』の『私のお気に入り』の曲が流れ、長塚京三さんのナレーションが入るという実にシンプルですが、見るものの心に訴えかけてくるCMです。現在は龍安寺石庭を題材にしていますが、毎回コピーがグッとくるものになっています。知っている方にも知らないという方にも、近年のコピーをご紹介いたします。
2012春 「あ、石庭が、笑ってる。いつもは難しい顔しているお庭にも、春がきました。」 (龍安寺)
2011冬 「聞こえてくる「京ことば」も風景のひとつだと気づきました。」(二年坂)
2011秋 「いい秋ですね、と言葉をかわしあえる。それだけでうれしい。」(毘沙門堂)
2011夏 「この町の過去は、君たちの未来のためにあるのだよ。」(本願寺界隈)
2011春 「どういうわけだろう。今年は一本の桜とじっくり向き合う春にしたかった。」(東寺)
2010冬 「母と私は、京都に通っているうちに、笑顔が似てきたそうです。」(知恩院)
2010秋 「『暑い』『寒い』だけで私の一年が終わるなんて、ジョーダンではありません。」(金戒光明寺)
2010夏 「『清水の舞台』を子供と一緒に予習してくる。そんな旅じたくもあるのです。」(清水寺)
2010初夏 「古くからあるのに古くない。毎年、新しい生命力を緑からもらうようにできていました。」(祇王寺・高桐院)
2010春 「遅咲きのサクラです。見なければ『春の義理』が果たせない、と京都の人は言うのです。」(仁和寺)
2009冬 「連れてきてあげたかった。母と娘が互いに思っている。」(祇園巽橋)
2009盛秋 「2009年の秋。今わたしたちは日本の歴史の、どのあたりを歩いているのだろう。」(光明寺)
2009初秋 「中秋の名月。風情ある言葉です。ひさびさに口にしました。」(泉涌寺)
2009年夏 「一二〇〇年もの歴史の前では、親子の年の差なんてひょいと乗り越えてしまいました。」(東福寺)
2009年初夏 「生まれたばかりの季節の匂いがしました。『人と緑のいい関係』が、ここにはありました。」(法然院)
2009年春 「見事なサクラであればあるほど、長い冬の時間、耐えてきたことを思うのでした。」(醍醐寺)
2009年初春 「『みんなどうか元気で』と思う人で、この季節、この町はできているみたいだ」(北野天満宮)
どうです。この台詞を長塚京三さんの声で言われたら行きたくなっちゃいますよね。ちなみに2005年から夏は「父と子の京都」、冬は「母と娘の京都」をテーマにしています。
ポスター全作品はJR東海の「そうだ 京都、行こう」のサイトで見ることができます。じっくりと味わってください。