J-CAST ニュース : 「おごるな」と毎日が 朝日社説に苦言2006/10/16
2006年10月16日付けの
毎日新聞で、
朝日新聞の社説が「おごるな」と苦言を呈された。新聞業界で、他紙の記事を批判するのは珍しいうえ、「毎日VS朝日」も極めて異例だ。
毎日に苦言を呈されたのは06年10月12日付け朝日新聞の「君子豹変ですか」と題された社説。「拝啓 安倍晋三様」ではじまる社説の中で、同紙は次のように述べる。
「これじゃ朝日の主張と変わらないよ」
「半年前を振り返ると、私たちは不安でいっぱいでした。なぜかといえば、首相になるまでの安倍さんの言動が、私たちの言動とあまりに隔たっていると思ったからです。(中略)けれど目下のところ、私たちの心配は杞憂だったようです」
そして、安倍首相が村山談話を受け継ぐと表明したこと、従軍慰安婦問題で河野官房長官談話を認めたこと、教育再生会議のメンバーでは保守派の起用は
限られ、バランスが取れていること、について同紙社説は「君子は豹変す、と申します」と安倍首相を皮肉る。さらに、「『これじゃ朝日の主張と変わらない
よ』。旧来の安倍さんに期待した人たちからは不満も聞こえてきそうです」。
さらに、
「残念なのは、あれほどこだわってきた持論をなぜ変えたのか、その説明が足りないことです」
と批判している。
「本当は首相の軌道修正が悔しかったのでは」
これに対し、06年10月16日朝刊の毎日新聞はコラム「発信箱」の欄で論説室の与良正男氏の「本当は悔しい?朝日新聞」を掲載している。与良氏は、このコラムのなかで、朝日の社説の「『これじゃ朝日の主張と変わらないよ』~」について、
「ここに、朝日のおごりを感じないわけにはいかない」
「修正すると今度は嫌味のオンパレードである」
と評した。この社説について「おごるな」と言っているに等しい表現である。
さらに同氏は、この社説について「邪推」としながら次のように語る。
「本当は朝日は首相の軌道修正について悔しかったのではあるまいか。もっとイケイケドンドンの安倍首相らしさを出してもらった方が批判がしやすいのに……そんな思いが行間ににじみ出ている気がするがどうだろう」
朝日集中砲火 毎日、読売が苦言「おごり感じる」 安倍首相の歴史認識の社説で-ビジネスニュース:イザ!
朝日新聞が16日の新聞各紙でやり玉に挙がっている。毎日新聞には、
安倍晋三首相の歴史認識を論じた社説について「おごりを感じる」と苦言を呈され、読売新聞には、かつての慰安婦問題報道について名指しは避けられたものの「捏造して報道」と一刀両断されている。企業CMで「言葉のチカラ」を訴えている朝日。言論による反撃はあるのか?!
毎日は、この日朝刊に、論説室の与良正男氏による「本当は悔しい?朝日新聞」というコラム(発信箱)を掲載した。
12日付の朝日社説「君子豹変ですか」を取り上げたもので、安倍首相が村山談話の踏襲など歴史認識を軌道修正したことを、朝日が「『これじゃ朝日新聞の主張と変わらないよ』。旧来の安倍さんに期待した人たちからは不満も聞こえてきそうです」と書いたことを、こう指摘している。
「朝日のおごりを感じないわけにはいかない」「(安倍首相が)修正すると嫌みのオンパレードである」「私には『どうだ、朝日の歴史認識の正しさが分かったろう。ざまを見ろ』と言っているようにしか聞こえない」
厳しい苦言が続いた後、毎日の与良氏は「メディアは謙虚で素直でありたいと私はいつも思っている」と締めくくっている。
一方、読売は同日朝刊に、「『慰安婦』決議案 日本政府はきちんと反論せよ」との社説を掲載した。
米下院の国際関係委員会が、いわゆる従軍慰安婦問題で日本非難決議案を議決したことを取り上げたもので、読売は「こんな問題の多い決議案を放置すれば、日米関係に禍根が残る。日本政府はきちんと反論すべきである」と指摘している。
この問題点をあぶり出す中で、同紙は「慰安婦問題は1990年代初頭、一部全国紙が、戦時勤労動員制度の『女子挺身隊』を“慰安婦狩り”だったと、歴史を捏造して報道したことから、日韓間の外交問題に発展した」と説明しているのだが、この一部全国紙が朝日であることは明白。
昨年7月20日の衆院文部科学委員会で、中山成彬文科相(当時)も「ある新聞が(慰安婦狩りの)大キャンペーンをしたが、その後で(証言者は)『あれはウソだった』と言って取り消された。既にそのときにはこの言葉はひとり歩きをしていた」と語っているのだ。
読売社説は「事実誤認や歴史の“捏造”まで、『継承』する必要がないのは当然である」と締めくくっている。
賢明な読者は、どう読み比べたか。
<ZAKZAK>