放送界の自主チェック機関である放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(川端和治委員長)は21日、7月にフジテレビ系 で放送された「27時間テレビ」で放送倫理違反があったと認定する「意見」を発表した。コーナーは「スピリチュアルカウンセラー」を名乗るタレントの江原 啓之氏が、東北地方在住の美容室経営の女性を「霊視」し、アドバイスなどをする内容。同委は、裏付けなく美容室を「経営難」と断定し、女性本人の了解を得 ないで「カウンセリング」を受けさせたことを問題視。「『スピリチュアルカウンセリング』なるものを面白く見せるため、一方的に出演させた人の生活状況を 十分な裏付けも取らずおとしめた」と指摘した。
さらに、「面白さを求めて『スピリチュアルカウンセリング』をPRするような構成・演出は避けるべきだ」として、霊視や占いを安易に取り上げることにも警鐘を鳴らした。同局には3カ月以内に改善策などの提出を求めている。
フジテレビは「ご迷惑をお掛けしたことを改めておわび申し上げる」とコメントした。
痛いニュース(ノ∀`):「善意のボランティア」をペテンにかけた江原啓之
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そこで霊視を受けることになった美容院経営のAさん(50歳女性)。
選ばれた理由は善意のボランティア活動であった。Aさんは父の死後、美容院と同時に
10年以上リンゴ園を経営。'04年には新潟県中越地震の被災地の子供たちに、'06年には
イジメで悩んでいる学校などに向けて、リンゴと手紙を送っている。
しかし番組は、そんなAさんに悩みがあるのだとナレーションで提起する。
<リンゴ園の経費がかさみ、肝心の美容院の経営が苦しくなってきたのです。
こんなとき、お父さんが生きていれば何て言ってくれるだろうか>
そんなAさんを心配した美容院スタッフの手紙により、香取慎吾が立ち上がるという“体裁”
で番組は進行する。そしてAさんに、次のような“ドッキリ作戦”を決行するのだ。
①「講演会の依頼が来た」とウソをつき、Aさんを東京に呼び出す。
②何も知らないAさんの前に、講演会の司会だと言って香取が登場。有名人との思わぬ遭遇にAさん喜ぶ。
③かつてAさんからリンゴを送られた被災者たちも駆けつけていて、Aさんを大拍手で迎える。
④香取が、講演会はウソだと暴露。江原が登場し、亡くなったAさんの父親の声を聞かせる。
無論Aさんは、江原に“霊視”されることなど知る由もなかった。
http://www.excite.co.jp/News/magazine/MAG6/20071031/95/
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「江原さんが出てくるまでは、大拍手にAさんが涙するなど文字通り“ハッピーサプライズ”だったんですが…」問題はその後だった。
「突然現れた江原さんが、『亡くなったお父さんが、このままでは
お店が大変なことになると言ってます』なんてAさんの慈善活動を侮辱するようなことを言い始めたんです。」
江原の説教の要旨は単純だ。
「ハッキリ言ってごめんなさいね、お父さん自身も守護霊さんもおっしゃってるから
言うんだけど、Aさんが悪い。下手なの」──Aさんは美容院の経営をおろそかにして
ボランティアに熱を上げ、自分ばかり喜んでいる。それでは美容院スタッフにも迷惑が
かかり、「“両方の車輪”がうまく回っていない」と江原は言うのだ。
そして最後に、江原の話に目を潤ませているようなAさんを映し出し、
<亡き父のメッセージによって心の迷いが晴れたAさんに、いつもの笑顔が戻りました>
しかし、実はこれ、大ウソなのである。まず、Aさんの美容院は決して経営難ではない。
デタラメな霊視に笑顔になるどころかAさんは憤慨、江原を睨み反論するが、番組では
その場面は一切カットされ、リンゴをもらった人たちの感謝の拍手に涙したAさんを、
江原の言葉に涙したかのようにつなぎ合わせている。
Aさんは番組放送後、地元で「経営難の美容院」と囁かれ、人間関係もギクシャク…。
いわば全国ネットで人格を全否定されたようなものだが、テレビを見た人たちには
そんな事情など分からない。
リンゴを送ってもらった被災男性は「Aさんが出るというので見たんですが、経営が
危うい状態でリンゴを送ってもらったと思うと悪くって…」
重ねて言うが、Aさんは望んで江原の霊視を受けたわけではないし、「経営難」という
江原の主張も全くの虚偽である。
さらに取材を進めると、制作手法にも多くの問題点があることが判明した。
Aさんの関係者を参加させるために「Aさんが誹謗中傷され落ち込んでいるので、
励ますために来て欲しい」とウソをつき、さらに観客の半分以上はサクラだった。
元をただせば、美容院のスタッフが出したという手紙も実は“ヤラセ”だったのだ。
江原のデタラメな霊視とフジテレビのヤラセが、一体どれだけ多くの一般人の気持ちを
踏みにじったことだろう。
フジテレビに取材すると、Aさんに注目したのは番組側のリサーチによることを認めた。
そして、番組側が書いた手紙を美容院側が送るという形をとったのはヤラセではなく
“演出である”と開き直っている。
またサクラの存在についても認め、Aさんの心情を害したことについては「27時間テレビ
その後SP」で納得いただいたと言い切るのだ。
実はこの“問題番組”に対してはBPO(放送倫理・番組向上機構)が重大な関心を寄せて
おり、すでに関係者のヒアリングも始まっている。
「BPOが調査を始めたと知ったフジテレビは血相を変えAさんに謝罪、『その後SP』で
手の平を返したようにAさんの慈善活動の素晴らしさを喧伝しましたが、あれが彼らの
誠意なのでしょうか。11月9日の放送倫理検証委員会では、この件について何らかの
議論があるはずです」
ソース:週刊文春 34頁~36頁より編集
http://www.excite.co.jp/News/magazine/MAG6/20071031/95/
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