魔女のお仕事 ・8
円「・・・・・・。」
透明「(なんだか、いつもの円と別人みたいだ)」
いつもの円は、どんな仕事も鼻歌を歌いながら
こなしていた・・・。
しかし、今回はまったく別もの
さっきから、口の中で呪文を詠唱しながら
真剣な表情で書を解読し呪を拡散、デスペルしている
私は、円の横から黄泉戒陀の書を覗いてみる
透明「(な、なんだこの書は
文字が動いてみえる・・・)」
円「透明動揺しない
黄泉戒陀の書にのみ込まれるよ」
透明「わ、わかったごめん・・・」
円は、静かに、そして淡々と作業をこなしている・・・。
透明「・・・・・・。」
私は、円の仕事を視つつ、その書に書かれている内容に
目を奪われていた・・・。
目を奪われていた・・・。
透明「(田倉蝉衛・・・正に、天才っていうやつだ
こんな内容なのに、正道をついている・・・。
でも、何だろう
黄泉戒陀の書がめくられるたびに、何だか・・・。)」
ふと、円に目を向ける・・・。
透明「」
円の目には、涙が溢れていた・・・
透明「(この書は、ただ狂信者が書いたモノじゃない
この世への悲しみ、苦しみ、そして浄土への
想いみたいなものが込められている・・・。
田倉蝉衛とは、一体何者なんだ)」
この世への悲しみ、苦しみ、そして浄土への
想いみたいなものが込められている・・・。
田倉蝉衛とは、一体何者なんだ)」
それからどれくらい時間がたったのだろう
辺りは徐々に夜の兆しを告げていた・・・
そして、日が落ちきる前に黄泉戒陀の書最後のページが
開かれる
開かれる
透明「」
円「・・・・・・。」
そこには、書の内容を全て物語っている一文が
「我、往生の月と共にあり、
想いをはせるは、我が半身の
黄泉を越え、浄土をひらき、
ひと目の想い繋ぎたし・・・。」
想いをはせるは、我が半身の
黄泉を越え、浄土をひらき、
ひと目の想い繋ぎたし・・・。」
そこには、我が子を失った父親の切なる願いが
込められていた
込められていた
田倉蝉衛は、仕事柄、浄土にはいけないことを
知っていたのだ
今は亡き、我が子が極楽浄土にいる・・・。
自分は浄土にはいけない・・・。
せめて、もう一度だけひと目だけでも我が子と
会いたい・・・抱きしめてあげたい・・・
黄泉戒陀の書という魔道書は、現世の摂理を曲げてでも
叶えたい想いを綴った書だったのだ
叶えたい想いを綴った書だったのだ
円「ふ~っ終わり・・・・・
・・・・・・・ばっかじゃないの 」
透明「」
円「自分の想いだけの為に、沢山の人に
同じ想いさせていたら、世話ないって~の」
同じ想いさせていたら、世話ないって~の」
透明「ま、円」
珍しく、声を震わせながら怒っている
円「・・・・・せ~の」
透明「」
円は、黄泉戒陀の書の真ん中のページを開き
左右に力を込める・・・
円「・・・・・も~~~っ
か弱い私じゃ破けないっ
透明破いちゃってよ 」
透明「ええ~っで、でも」
円「いいから早く 」
透明「・・・・・円お前、何だかおかしいぞ」
円「そ、そんなことないわよ」
明らかにおかしい・・・
こんなに取り乱す円を見たことがない
透明「・・・お前、この書に何か・・・」
円「ぐすっ いいから・・・早く・・・
ぐすっ ・・・破いてよ~・・・・・」
透明「円・・・。」
円は、この書に何らかの思い入れがあるようだ
私は、円を気づかいながら、円の頭をポンと叩く
透明「見てな」
円「」
「ビリビリ~~~ッ 」
黄泉戒陀の書は、真っ二つに破かれる
「コロン」
透明「」
何かが落ちた
透明「なんだコレ石」
円「それ、核石だよ・・・」
透明「こ、こんな大きいのが」
次回、全ての謎が解ける ・・・。
続く ・・・。
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