あんぎゃ~~~っ 
・11


透明「くっ
し、仕方がない


揚羽
私の靴を片方ずつ脱がしてくれ
」


揚羽「えっ
で、でも
」


透明「大丈夫だから
早く
」


揚羽「は、はい
」


私が一緒に落ちないように、ゆっくりと靴を脱がして行く

透明「(・・・我、大岩なり
悠久より大地に根付きし、極星の大岩なり
)

悠久より大地に根付きし、極星の大岩なり

ふぅ~~~~~~~~~~~~~~っ 
」


剛体具現の法

自己暗示をかけ、己の力の流れを制御する

透明「(よし
これなら
)」


足が地を噛んだ瞬間

片手で相手を少し持ち上げ、両手で掴み、
相手を上空に引っこ抜く





透明「どりゃぁ~~~~
」

「ズドン
」

透明「はぁはぁはぁはぁ
・・・ふ~~~~ぅ
」


六羽「やった~~~
」

揚羽「ご主人・・・この子・・・
」

透明「ああ
わかってる
」


眼の前に倒れている女の子・・・どうみても中学生くらいか

助けられたことにも気づいていないのか

目が暗闇に沈んでいる

私は、彼女の後ろに周り、背中に気を当てる





透明「気がついた
」



透明「名前、教えてくれるかな
」

ひな「・・・ひな・・・です・・・。」
透明「ひなちゃんかぁ~
可愛い名前だね
」


ひな「可愛くなんて・・・ないです・・・。」
まあ、そりゃぁ~警戒するわなぁ~



助けられたとはいえ、初めて会うおっさんが
声かけてきたら
・・・それに、この子は

助けられたとも思ってないだろうし

ひな「な、何でですか・・・。」
透明「んっ
」

ひな「なんで・・・邪魔をするんですか
」


透明「邪魔か
」

ひな「そ、そうです
私は・・・・。」

色々と、葛藤しているんだろうなぁ~

揚羽「こ、こいつ
」

ひなちゃんには、揚羽は見えていないだろうけど、
今にも飛びかかろうとする揚羽に待ったをかける

透明「どうしてだろうね



何となく、邪魔したくなっちゃったんだよねぇ~
」

ひな「えっ
」


透明「あ~~~っ
そっか


きっと、この谷のせいだ
」

ひな「た、谷
」

透明「そうそう
この谷の高さだと、確実にあの世に
行ける高さか、わかんないからねぇ~
」

行ける高さか、わかんないからねぇ~


ひな「えっ
」

透明「ほら
この谷の下って、川が流れてるじゃない


もし、川が深かったり、中途半端だと、
大怪我だけ負って、あの世にはいけないかも
しれないし、その場合、生きているのに
一生背負わないといけない怪我をするだけかも
一生背負わないといけない怪我をするだけかも
しれないじゃない
」


ひな「ええっ
・・・・ゾック
」



谷の底を改めて見ることで、自分がどれだけ恐ろしい
ことをしたのかに気づいたみたいだ

ひな「ううっ
」

透明「それに、ひなちゃんは、ここから飛ぶことで
楽になれると、希望を抱いて飛んだのだと
思うけど、その先には、一切の希望はないよ
」

ひな「・・・希望が・・・ない・・・うううううううっ

わぁぁぁぁあああああ 

」



今は、沢山泣いたほうがいい

少しでも涙に流せるものがあるのなら、
たくさん泣いて、沢山吐き出して、
明日を見る気持ちを取り戻せたら

そんな思いで、ひなちゃんを見つめる透明先生

次回、ひなちゃんの話を聞きます 

続く ・・・。







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