あんぎゃ~~~っ 
・13


息を大きく吸い込む

透明「よし
おじさんと一緒に旅をしよう
」


ひな「えっ
」

透明「おじさん、これから新潟まで旅をして、
その後、東京に戻るのだけど、一緒においで
」

ひな「えっ
で、でも・・・。」


透明「ひなちゃんは、一度この世から勇気を持って
旅立ったんだよ
旅立ったんだよ

だったら、その命、これからは自分の為に
使っても良いんじゃない
」
使っても良いんじゃない

ひな「自分のため・・・。」
透明「学校に行かなくてもいい

家に帰らなくてもいい

これだけの勇気をもって行動したんだ

君は強い

いじめている子も、先生も両親も、
絶対にできないことをしたんだ

勇気の使い方の、正しいかどうかは
この際、気にしなくていい
この際、気にしなくていい

一度終えた人生なら、人に何を言われようと、
自分のために、自由に生きてゆけばいいんだよ

ひなちゃんが、生きていてくれたこと
それが一番大切なんだよ

それが一番大切なんだよ

ひなちゃんを取り巻く環境が、ひなちゃんが
生きている意味を与えてくれなくても、
生きている意味を与えてくれなくても、
おじさんは、君が生きていてくれた、存在して
くれていたことが本当に嬉しいんだ
くれていたことが本当に嬉しいんだ

世界に一人でも、君の命を喜べる人間がいる
ことだけは、忘れないで
ことだけは、忘れないで

きっと、人間はそれだけを知っていれば、
強く生きていけるから
」

ひな「ううっ
・・・そんなこと・・・初めて・・・


わぁあぁあぁあああああん 
」


辛かったよね
痛かったよね


でも、もう大丈夫

君は、自分の足で歩いて行ける

どうか、自分の存在だけは疑わないで

しばらくして・・・。
透明「ひなちゃん
おじさんの知り合いに、

君のような子を面倒見てくれる人がいるんだ

おじさんももちろんだけど、その人も、きっと
ひなちゃんを守ってくれる

そこには、君と同じような境遇の子が沢山いるし、
きっと、親友になれる同じくらいの年の子もいる

だから、もしよければ、おじさんと一緒に行こう
」

ひな「・・・本当に・・・ありがとう・・・

わたし・・・自由になっていいのかなぁ
」


透明「当然
」

ひな「ニコッ
」

少し日が傾き出し、綺麗な夕日が私達を照らし出していた ・・・。
続く ・・・。







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