千世の大神(ちせのおおかみ)・８

千世の大神 (ちせのおおかみ) ・８ 

よしまだ日が出ている

私と流奈は、急いで荒れ果てた廃社の中へと進む・・・。

流奈「透明そこ危ないから注意しなさいよ」

透明「はいはい」

くすっすっかり元気を取り戻したみたいだ

しかし、この廃社・・・２０年経っているとしても、

 ここまで荒れるか

廃社になってからも、修行僧が立ち寄ることも

あっただろうに・・・。

しかし、穢れを吸わないようにはしているけど、

中心となっている場所が特定しづらいのも気になる・・・。

流奈「う～ん・・・ここでも無いか・・・。」

透明「かなり特定し辛いなぁ～」

流奈「やっぱり、もっと奥なのかもしれないわね」

透明「・・・・。」

拝殿の奥・・・幣殿を渡り、神の御わす本殿か・・・。

座主様じゃないけど、さっきから、胸騒ぎが止まらない・・・。

流奈は、硬い扉を開けながら、どんどん奥へ奥へと進んでゆく

流奈「これが本殿結構立派じゃない

　　　なんで、廃社になったんだろう」

透明「流奈あ、あそこ」

流奈「」

本殿のさらに奥・・・巨大な結界がそびえ立っている

しかも、その結界が

透明「こ、こいつは、流石に手に余るぞ」

流奈「け、結界自体が穢れてる 」

透明「あの狸・・・流奈

　　　とにかく、一度外に出るぞ」

流奈「う、うん」

私達は急いで、元来た道を引き返す・・・。

すると、突然、流奈の動きが止まる

透明「・・・どうした」

流奈「・・・あ、開かない・・・」

透明「えっ」

流奈「扉が・・・開かない・・・」

透明「ちょ、ちょっと代われ」

さっきは、流奈でも開いたはずなのに、

幣殿と本殿をつなぐ扉がびくともしない

私が本気で色々と手を尽くしても動かない

透明「まずいな・・・」

流奈「こ、これって、閉じ込められたってこと」

透明「・・・・結界のせいかあるいは別の・・・。

　　　とにかく、他に外へ出られる場所がないか、

　　　探してみよう」

流奈「うん」

流石にまずいぞ

これほどの穢れの中だと、私でも一日ともたない

なんとか、出る方法を探さなければ 

　　　　　　　　　続く ・・・。

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