11月5日ソワレの観劇記です。開幕直後ですが、いちおう再演なので(かなり書き直されていたけど
)ネタバレしちゃいますので、観劇予定のある方はご注意を
あと、、、かなり言いたい放題の毒吐きも含んでいますので、その点はご了承を。
行ってきました~~実はお初でした
赤坂ACTシアター。今まで観たい演目はた~くさんあったのですが、日程や都合やチケットの関係で行けなくて……うん、友人たちからいろいろ聞いていたけど、確かに狭い!傾斜が凄い!!板張りの床が気になると言えば気になる!!!あと、いかにもテレビ局が芝居小屋を作りました~的な造りと雰囲気がちょっとね~と思わないでもない…か
でも観やすいといえば観やすいのかな~~今日はL列だったのですが、最前列=D列で2列目からひな壇開始なのでオペラなんぞ不要だし
なので、普通ならムムッ
と考え込むP列やらW列やらでも全然OKかと
←かぶりつきで観たい人がいなければ
初演は2年前だし1回しか観ていないので(それが普通なんだけど
)記憶が曖昧なのですが、結構変わった部分がありました。開演前、初演の時は客席にパリの街の人に扮したアンサンブルさんたちがウロウロしていたのですが今回はなし。ま、青山劇場でも出入り口が少なくて結構邪魔だったし~~ACTでは絶対に無理ね
で、、、ファントムの宙吊りって2回あったっけ?2幕ラストでキャリエールに撃たれる直前だけだったような気がしたんだけど……1幕と2幕両方にありました。仁先生…じゃなくて大沢さん、体張って頑張ってました
(2幕の方はいかにも命綱の構造的にロープ持ってます的な舞台上の人が不自然すぎて気になったんだけど
)そして、、、1幕途中でいきなり5分の休憩
実はこの日はちょっと前に地震があったんですわ。客席でも結構揺れを感じたし、舞台セットの上枠部分が揺れてて、最初は「まさか下は地下鉄が走ってるからそのせい?」なんておバカすぎることを考えてたんだけど(外を走るバイクの音が聞こえる大阪城公園の横にある某劇場じゃないんだし~
)どうやらこの5分休憩はいつもあるらしいので無問題っぽいです。舞台セット?お着替え??の関係なのかな~
あと、シャンドン伯爵のセリフが増えていたような
さすがに初演の時に出ていたルカスにここまで喋らせるわけにはいかないし
ただ、見せ場は
していたような気がしますね~~伯爵のソロ曲(一部クリスティーンとデュエット)が短めだったような気がしたんだけど???……っていうか新キャストの伯爵、今回は海宝クンだったのですが、う~~ん、期待ハズレかも
何かこう~~ね、地味なんですわ。エリックとの対比で何でも持っていて恵まれている光輝く存在には程遠かったのよね~~社交界で女性たちが虜になる王子キャラではない……な。その点、比べるのも申し訳ないと思うけどルカスは日本語は怪しかったけど、それ以外ではキラキラしててクリスティーンが惹かれる気持ちが分かったもん。海宝シャンドン伯爵だと……ただの金持ちボンボンのヘタレにしか見えなくて
そうそう、ガラリと変わったのが「The Story of Erick」のシーン。初演の時はベラドーヴァ役で姿月あさとさんが映像出演していて、歌でエリックの生い立ちが語られていくんだけど、今回は篠井さん演じるキャリエールが普通にセリフで語ってました。ま、通常の演出通り歌にしたとしても、篠井さんならかろうじて大丈夫そうだけど(いや、でもやっぱり心配
)ベラドーヴァ=伝説のDIVAに相応しい人を誰が演じるのかという問題もあるし、歌ウマ~な人がやったらその人に生き写しのクリスティーンがあれではギャグにしかならないし(爆!)、エリックもね~~演技が無問題でも歌に関しては……ね。そんなわけで、普通のセリフで十分だったかな~~ちょっと物足りない感じはあったけど。
再演での進化/深化を一応は
期待してみたんだけど、
思いっきり我慢大会になりました
さすがにチケ代返せ~とまでは言わないけど……まぁ高かったわね~チケット
という公演だったことは否定しません。第一声は
Angel of Musicはいずこに??? 当たらなくていい予感が思いっきり的中した感じです。一番の不安材料だったクリスティーン、ホント申し訳ないんだけど史上最悪のクリスティーン・ダエーじゃないかと
頑張っているのは分かります。経験がないのも分かります。でもね~~あれだと、例えば3歳の女の子が初めてバレエの発表会に出て、拍手されて可愛がられるのが嬉しくて自分なりの決めポーズを次々に繰り広げる、まさにそれと同じ状態……それを仮にもヒロインを演じている“女優”がやるんだから見ていて痛いのなんのって
特に1幕は酷かったですね~~しかも立ち居振る舞い全てが「ここは2010年ですか?」って感じ。ガッツポーズをしたり、オペラ座の従業員の肩を後ろから押して劇場に自分を連れて行かせたり、お辞儀をしたり、、、そのままスーツを着たらこの前までやっていた刑事ドラマの新人刑事でもいけるわ
とにかく一挙手一投足全てが現代的……演じる以前の問題です!!!2幕はマシになったけど、それって衣装と髪型が粗を隠してただけのような気も
歌も……ね
あのぉ~~じいはこの演目の曲が大好きなの
ホントこれで音楽の天使なんていい度胸してんじゃん!と絡みたくなるくらい酷かった!いつぞやのコンスタンス@M!といい勝負かも
Melodie De Paris
この際なのでクリスティーンは出てこなくていいので、アンサンブルさんたちだけで聞かせてほしい~って感じでした。それなら心おきなく口パクで一緒に楽しく歌えるので。ビストロのシーンも乾いた笑いしか浮かばず。DIVAっぽい声量で高い音を出す、、、まぁ1音だけなら演出や訓練次第で素人でも誤魔化してそれらしく聞かせることはできる。でもね~~音楽というのは1音1音に意味があって、その繋がりにもまた意味があって……意味不明なジグソーパズルの欠片のような歌を聞かされても困るんだけど。そして、思いっきりファントムに萌え萌えしたい(する必要はないけど
)「You Are Music」もう~~
するどころか体中に力が入って、手は怒りに打ち震え……ま、この場面に関しては“先生”のはずの人が先生に非ずな状態なので(爆!)これまたギャグか?と思わないでもないんだけど
ドレミファソ~のドからいきなり音を外すって
言っても仕方のないことだけど、少しでも音楽がちゃんと体にしみ込んでいたら音名と別の音を奏でる方が難しいと思うけど
いきなりずっこけましたよ
何かね~~「ドレミファソ~~ファレ~ミド~~ah~~You are music…」と上がるところで「あ~~~もう止めて~~」と歌い叫びたくなっちゃった
そして最後の泣きツボ、クリスティーンがエリックをこの曲を歌いながら天国に旅立たせるところ……さすがに殺意を覚えました。思いっきり没入して泣きたくても泣けないのよっ
仕方ないので存在を抹消してエリックとキャリエールだけを見て滂沱の涙を流しました
もうぅ~~言葉を重ねれば重ねるほど酷い言葉しか出なくなるのでこの位にしておきます
以下の3人、、、この方々を観るためなら行く価値のある公演ではないかと
↑の史上最悪の音楽の天使とは真逆!じいの中で1位2位を争うカルロッタじゃなかったかな
樹里咲穂さん
アクの強いキャラクターを見事に演じられていました。樹里さんって確か2004年の宙組ファントムでキャリエールを演じられていました……よ…ね
実は当初はヅカ出身であまり良いイメージはなかったんだけど、ここ何作かの出演作の評判が
だったので期待していったらめちゃめちゃ良くて
しかもミュージカルなら当たり前のことなんだけど、ちゃんと歌えてる……っていうかこっちの方がAngel of Musicじゃないの?と突っ込みたくなるほどで
カルロッタの“どぎつい魅力”というのかな~~鼻につくような、肌に纏わりつくような、ジットリネットリした存在感が見事でした。しかもそれがしっかりカルロッタの個性になってるんですよね~~決してクリスティーンみたいに正統派で愛される役回りではないけど、カルロッタに相応しい役回りがあって、ちゃんと彼女の人生を生きている。だからこそ!!!エリックに殺された後に夫のショレが「俺は元は炭坑夫の卑しい身分で、この地位はお金で買った。でも芸術は誰の者だ?高貴な美しい奴らだけのものか?俺は誰が何と言おうと彼女(=カルロッタ)の歌声に癒され元気を貰った」みたいな感じのセリフを言った時に、ものすご~~くカルロッタの存在に説得力を与えてたんですわ。これぞ、、、樹里さんがカルロッタを見事に演じられていた証拠ではないかと
そして、その存在感があってこそ、、、音楽→美しい人たちだけのもの?→エリックやクリスティーン、キャリエールだって決して美しいわけじゃない→エリック自身もまた醜い風貌があり、純粋な心ゆえの醜さがある……と受け止めたのよね~~
キャリエール
まぁね~~この役はオイシイ役ではあるのですが
篠井さんが演じられたキャリエールはパッと見クールな感じというか、ある意味何を考えているのかわからないというか……そういう部分では少し怪しい感じがするのは他の作品で演じられた役のイメージの影響
でも、そこが実はキャリエールの心の闇の深さを醸し出す良い空気感になったんじゃないかな~~と思いました。同情すべき良い父親というキャラクターではあってはならないと思うんです。クリスティーンに「中途半端な優しさは与えるべきではない」と忠告するけど、その言葉で真実から逃げていた無責任そのものなのはキャリエール本人!その冷たさと、それでも見捨てられない愛情と……いろ~~んな複雑な思いが同居したキャラクターになっていたと思います。冷静に見える部分がキャリエールの自制心でもあり、エリックを見放した冷たさでもあり……だからね~~瀕死の重傷を負ったエリックと最後に語り合う「You Are My Own」!!!初めて感情を露わにしてエリックを抱きしめる姿にダダ泣き
反則じゃ~~
オオトリはもちろん、、、ファントムでエリックな大沢たかおさん
2年ぶりのナマ大沢さんですぅ~~
やっぱり……かっこいいわ
仮面で半分顔を覆っていても、傷メイク?(オペラで見ていないので分からないんだけど多分汚しメイクしてるっぽい
)で醜い顔を演出していても、何といっても元がいいですから
しかも煌びやかな貴族衣装が嫌味なく似合うわけですよぉ~~悔しいけど(笑)惚れるのは仕方ないと許してくださいな
何だか制服マジックの如く……ま、大沢さんには白衣やらGHQの軍服やらで騙され……いえいえ
それ以外の役も好きだし仁先生にも少なからず
してたことは認めます……はい
そして、、、演じる部分に関してもGJだったと思います。シャンドン伯爵とクリスティーンが手を取り合って去っていくところで、花束を持ってお祝いにかけつけたファントムが絶望して花束を落とす時に醸し出していた孤独な空気感……ほんの一瞬なんだけど心が伝わってきたんですよね~~あと、オペラ座の地下深くにある自分の隠れ家をクリスティーンに案内する時。クリスティーンがとにかく↑の通り悲惨な状況なのでちゃんとやり取りが成立していないのがもどかしい、ってか腹立たしくて苛々してたんだけど、大沢さん演じるエリックの方は危うい純粋さと未熟さを併せ持った、体は大人だけど本当は子供という感じがビシバシ伝わってきて釘付け!!!エリックにとっての女性=母親のベラドーヴァが全てなんですよね~~だからクリスティーンに対しても母であり恋人であり、普通に生きていれば矛盾していて絶対に成立しないような恋愛感情?思慕感情??があるわけで……その複雑な危うさ
というのかな~~そういうところがちゃんと表現されていたので良かったです。それと、、、最後に叫んだ「父さん!」という声が~~これまた反則。ダメ押しに泣かされたではないですかっっっ
そして、、、“問題の”歌
……ですが……「諸事情により」普通なら音楽に関して
少しのブレも許さないじいもここ何年かでずいぶん寛容になったと思うのですが(笑)冷凍マグロにならなければ~~とか、椅子からずり落ちなければ~~とか
まぁね~~ほら、、、アハハ
ただ、それはヲイヲイな歌を遥かに上回る演技力があればという大前提なわけで……そういう意味では今回の大沢ファントム、初演に比べて進歩していたところはありました。特に2幕の「My Mother Bore Me」まぁ歌だけ取り出して冷静に聞けば目もあてられない悲惨なレベルなことは確かなんだけど、一応旋律は取れてるし(何とか…ね
)何といっても歌詞に感情がきちんと乗せられている!初演の時は決められた歌詞を歌ってます感が拭えなくて観ていて何ともいえない居心地の悪さを感じたので、それに比べたら
しているな~~と思いました。それに、クリスティーンに裏切られた後の幼児のような泣き声→自分の運命を切々と歌うところがもうとにかく可哀想で可哀想で……歌い語られるベラドーヴァの愛とエリックの孤独が胸に突き刺さりました
しか~し
そうは言っても音楽を題材にした作品なのでね~~やっぱり安心して作品に没入できるくらいのマシな歌は聞かせてもらわないと~と厳しく言いたい部分も無きにしも非ず。感情が高ぶっている「My Mother Bore Me」と「You Are My Own」は少々外しても、それよりも“演じられること”の方を重視したいので敢えて歌唱力に関してはスルーするけど……でもね~~他は正直手に汗握る&頭を抱える状況でした
確かに難しい曲ではあるけど、クラシックの基礎から考えれば不協和音だらけの他のミューナンバーに比べて真っ当な音符の並び方だと思います。もちろん歌うのは声楽のイロハから学んだプロの歌手でも至難の技ですけどね
大沢さんは基本、、、演じる人であって歌える人じゃないのは分かっているけど、大沢さんのかっちょいい姿かたちを見物しにいっているわけではないので……と、これは初演の時のインタで大沢さん自身が答えていたこと。テレビに映る芸能人のナマの姿を見に劇場に来てもらうような舞台になるのは困ると。。。でも、、、残念だけど今回もそんな雰囲気は劇場で感じましたね~~観劇じゃなくて芸能人あるいはお目当ての人だけを“見物”に来ているのでは?と思える風景
こういうのには本当にヘキヘキさせられます
ふぅ~~オペラ座の怪人絡みは何とも不完全燃焼気味。これぞまさに海外に救いの手を求めたいもの。あっちの怪人もこっちの怪人も
あ、、、相違や思い出したぞ
今年の初めに行ったライヴでファントムのナンバーを歌って心を震わしてくれた人がいた
無理なのは分かっているけど……観たい