日常

bunkamura ルーベンス

2013-04-21 07:56:09 | 芸術
渋谷bunkamuraの「ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア」。会期ぎりぎりに言ってきた。
3/9から4/21まで。1カ月の会期は厳しい。なんとか行けた。


ルーベンスで知らなかったところ、
1.多言語を操る(ネーデルラント語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ラテン語など・・)、歴史や文学への知識も深い。学位や貴族の称号も得た。を手にしている。
2.8人も子供がいた。(うち一人はルーベンスの死後に生まれた)
3.大事な工房を約2年閉鎖してまで、故郷の和平交渉に奔走した
4.優秀な版画家を探すためだけに外国も行った。

知的で向上心にあふれ、情熱家で努力家。平和を願う。
Positiveな面だけで言えば、こういう印象で自分の中のルーベンス情報は上書きされた。

ルーベンスは絵画を描きながら平和を願っていた。その思いは深い。

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ルーベンスの手紙より
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「私は平和を愛する人間であり、策略やあらゆる種類の紛争をペストのように憎悪しています。
そして、心の平穏の中に生き、公的にも私的にも、多くの人々のために役立ち、誰も傷つけないことこそが、すべての名誉ある人物の第一の願いであるべきだと信じています。
全ての王と貴顕たちがこのような見解であるとは限らないことを残念に思うのです。
王たちが犯すいかなる過ちにも、民衆は苦しむことになるのですから」
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ルーベンスの絵の世界は非常に神話的だった。
現代の世界に、現実世界からはアクセスできないとルーベンスは感じたのか、見ていたら無性に眠くなってきた。夢の回路。
通常の覚醒状態で見れないほど、夢見心地で絵画を見た。退屈なわけではなく、異様に眠くなった。
眠くなる時、現実世界からの消極的な逃避であることもあるけれど、もう一つの現実手の積極的な参加を意味することもある。ルーベンスは後者だった。

ルーベンスの絵画に秘められた情報量は、かなり多いのだと予感した。通常の意識状態だけでは受け取ることができない。そういう時、池のような意識世界に対して、大海原である無意識がその役目を引き受ける。


次のBunkamuraは現代スペイン・リアリズムの巨匠、アントニオ・ロペス展(4/27(土)-6/16(日))。楽しみ。