日常

「ふしぎの国のバード」佐々 大河 (ビームコミックス)

2016-06-26 23:32:18 | 
「ふしぎの国のバード」佐々大河 (ビームコミックス)
面白かったー。漫画は進化してるなぁ。
==============
<内容紹介>
イギリス人の目から見る、懐かしくも驚きに満ちた日本文化

ディスカバー・ジャパンーーこれは、古き良き日本文化を取り戻すための物語。

時は明治初頭。東京から蝦夷まで、地図なき道を旅したイギリス人がいた。
その名はイザベラ・バード、冒険家。彼女の目的はただひとつ、滅びゆく日本古来の生活を記録に残すこと。
通訳の伊藤鶴吉をひとり連れ、日本人すらも踏み入ったことのない奥地への旅が、今はじまる!
漫画誌ハルタの実力派新人・佐々大河。初のコミックスは、日本の魅力を熱筆した旅物語!!
==============



自分は高校まではほぼすべて漫画で勉強しました。
漫画日本の歴史、漫画世界の歴史・・・・
漫画は本当に素晴らしい。学問の入り口として最高のナビゲーター。

活字でイザベラ バード(Isabella L. Bird)の「日本奥地紀行」 (平凡社ライブラリー)、「イザベラ・バードの日本紀行」(講談社学術文庫 )」を読んだ時も、少し前の日本との違いに驚愕したものですが、漫画版は頭に入ってきやすい。






明治維新前後にはじめて外人が日本にやってきたとき。
そのときの日本の描写は本当に面白く、この100年近くでこんなにも変わったのかと、良くも悪くも驚く。




この本のついでに、
渡辺京二さんの「逝きし世の面影」(平凡社ライブラリー) も、日本人ならぜひ一度は読んでほしい。
泣けてくる本です。
→○「逝きし世の面影」(渡辺京二)(2015-04-03)



■「逝きし世の面影」より。
(イザベラ バードの引用)
『私はこれほど自分の子どもに喜びをおぼえる人々を見たことがない。
子どもを抱いたり背負ったり、歩くときは手をとり、子どもの遊技を見つめたりそれに加わったり、たえず新しい玩具をくれてやり、野遊びや祭りに連れて行き、子どもがいないとしんから満足することがない。
他人の子どもにもそれなりの愛情と注意を注ぐ。
父も母も、自分の子に誇りをもっている...(バード)』

■「逝きし世の面影」より。
『これ以上幸せそうな人びとはどこを探しても見つからない。
喋り笑いながら彼らは行く。
人夫は担いだ荷のバランスをとりながら、鼻歌をうたいつつ進む。
遠くでも近くでも、『おはよう』『おはようございます』とか、『さよなら、さよなら』というきれいな挨拶が空気をみたす。
夜なら『おやすみなさい』という挨拶が。
この小さい人びとが街頭でおたがいに交わす深いお辞儀は、優雅さと明白な善意を示していて魅力的だ。
一介の人力車夫でさえ、知り合いと出会ったり、客と取りきめをしたりする時は、一流の行儀作法の先生みたいな様子で身をかがめる(アーノルド,1889)』


『彼らは皆よく肥え、身なりもよく、幸福そうである。一見したところ、富者も貧者もない。
ーこれが恐らく人民の本当の幸福の姿というものだろう。
私は時として、日本を開国して外国の影響を受けさせることが、果たしてこの人々の普遍的な幸福を増進する所以であるかどうか、疑わしくなる。
私は質素と正直の黄金時代を、いずれの他の国におけるよりも多く日本において見出す。
生命と財産の安全、全般の人々の質素と満足とは、現在の日本の顕著な姿であるように思われる(ハリス,1857)』