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■ハチ公の最後の恋人
これも一気に読んじゃいました。もう朝2時だけど。思わず。 これも切ない。読後の余韻がすごい。
主人公のマオ、そして別れる運命にあり、別に帰る場所があるハチ。マオの母親、おばあちゃん、マオの特殊な家庭・・・。あまり僕が書いてもしょうがないですが、ハチとマオがバスの中で、ももをくっつけて座りながら、二人が同期して風景や世界を感じている瞬間の描写。この辺は鳥肌ものでした。
この話も別離が前提に合ったりして、もちろんかなり切ないんですが、最後はなんとなく清清しい気持ちになるとこも不思議です。そして、時の流れと共に、きっとこの大切な切ない感情も忘れてしまうだろうということ、その事実に更なる切なさを感じている。そういう描写も好きです。
デッドエンドの思い出の幽霊の家もそうでしたが、ばななさんの性描写って、別にいやらしく書いてるわけではないのですが、かなり真実に近いドキドキする描写ですね。その辺の作り物のアダルトビデオと比にならないエロスを感じます。
こういう物語を読むと色々考えさせられますね。もっと早い時期に読んでおけば俺も失敗しなかったかなぁと思う反面、やはり失敗を経て、こういうすばらしい作品を読んで、深く深く、深く深く、愛やその周辺にあるものを見つめなおす必要があったのかな、と。ちゃんと真剣に考えなさいよー、と怒られているような。それを素直に感じ入っておる今日この頃です。 ばななさんの作品は、読む人によって読み方が全員違うんでしょうけど、自分としては非常に考えさせられるというか、こちらに色々な問題提起されているようです。感情や感覚の奥深いところに光を当てて、それを直視せざるをえない状況にもっていかれ、その上で考えることを強制されているわけではないんだけど、素直に根っ子から、根本の根本の、一番大事な部分は何かってこと、思わず考えてしまうう。そんな作品ばかりですね。だから思わず朝3時近くになっても目を爛爛として読みふけっちゃうんでしょう。翌日の仕事が辛いけど。
そうやって、今までの人生は、そのとき出会うもの次第で、自分の血となり、肉となっていくんですね。
こんな面白く、切なくて、勉強になる本読んでるなら、みんな早く教えてくれればよかったのになぁ。と今更ながら思ってます笑
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後でコメントのとこに追加したんですが、自分が感じ入った文章をこちらの本文の方にも書いておきます。
文庫版P58(→深い言葉だなぁ。)
*************
「嫌いな人がいたら、好きになるところまで離れればいいのよ。」
*************
文庫版P65(→若いときの、愛というものへの誤解?)
*************
なにかの修行をしていたのだ。私たちは、自然に、息をするように、きっと。なにか使っても使っても減らないもの、この世にありえないからこそあこがれてやまないものを創り出す錬金術を、私たち自身の肉体にほどこそうとしていた。いつまでも続かない青春というべきものを、続かせるやり方を研究していた。
私たちは。
*************
文庫版P69(→言葉を過信するなかれ。)
*************
「・・・言葉にするほど違ってくるので、そして減ってしまうので、悟った奴があまりいろいろ語らないのは、言えないからだけではなくて言うと減るのがわかっているからなんだ。・・・」
*************
文庫版P128(→ここの文章は最高に美しい!!文章からキラキラ後光がさして見えるほど最高に好きな一節!
自分でこんな文章書けたら死んでもいいー。最高に大好き!)
*************
ハチは黙って前を見た。私も見た。
バスは揺れて、坂道を下ってゆく。並んですわった足が、もものところが触れ合っている。
今、同じこと考えてる。
今、全く同じことを考えてる。静かに。耳を澄まして感じよう。
光が二人の膝で踊っている。前のほうでおばあさんが居眠りをしている。運転手の前には家族の写真が張ってある。道筋にあるたくさんの旅館にのどかな午後が訪れている。木々が光をはらんで揺れに揺れている。風、涼しい、極上の風。
バスが揺れている。光が、踊っている。
どうかそれだけで、このままで。
永遠に消えない。
夏の、奇跡の抱擁を。
二人だけで、二人きりで。
*************
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好きなとこの引用終わり
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これも一気に読んじゃいました。もう朝2時だけど。思わず。 これも切ない。読後の余韻がすごい。
主人公のマオ、そして別れる運命にあり、別に帰る場所があるハチ。マオの母親、おばあちゃん、マオの特殊な家庭・・・。あまり僕が書いてもしょうがないですが、ハチとマオがバスの中で、ももをくっつけて座りながら、二人が同期して風景や世界を感じている瞬間の描写。この辺は鳥肌ものでした。
この話も別離が前提に合ったりして、もちろんかなり切ないんですが、最後はなんとなく清清しい気持ちになるとこも不思議です。そして、時の流れと共に、きっとこの大切な切ない感情も忘れてしまうだろうということ、その事実に更なる切なさを感じている。そういう描写も好きです。
デッドエンドの思い出の幽霊の家もそうでしたが、ばななさんの性描写って、別にいやらしく書いてるわけではないのですが、かなり真実に近いドキドキする描写ですね。その辺の作り物のアダルトビデオと比にならないエロスを感じます。
こういう物語を読むと色々考えさせられますね。もっと早い時期に読んでおけば俺も失敗しなかったかなぁと思う反面、やはり失敗を経て、こういうすばらしい作品を読んで、深く深く、深く深く、愛やその周辺にあるものを見つめなおす必要があったのかな、と。ちゃんと真剣に考えなさいよー、と怒られているような。それを素直に感じ入っておる今日この頃です。 ばななさんの作品は、読む人によって読み方が全員違うんでしょうけど、自分としては非常に考えさせられるというか、こちらに色々な問題提起されているようです。感情や感覚の奥深いところに光を当てて、それを直視せざるをえない状況にもっていかれ、その上で考えることを強制されているわけではないんだけど、素直に根っ子から、根本の根本の、一番大事な部分は何かってこと、思わず考えてしまうう。そんな作品ばかりですね。だから思わず朝3時近くになっても目を爛爛として読みふけっちゃうんでしょう。翌日の仕事が辛いけど。
そうやって、今までの人生は、そのとき出会うもの次第で、自分の血となり、肉となっていくんですね。
こんな面白く、切なくて、勉強になる本読んでるなら、みんな早く教えてくれればよかったのになぁ。と今更ながら思ってます笑
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後でコメントのとこに追加したんですが、自分が感じ入った文章をこちらの本文の方にも書いておきます。
文庫版P58(→深い言葉だなぁ。)
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「嫌いな人がいたら、好きになるところまで離れればいいのよ。」
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文庫版P65(→若いときの、愛というものへの誤解?)
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なにかの修行をしていたのだ。私たちは、自然に、息をするように、きっと。なにか使っても使っても減らないもの、この世にありえないからこそあこがれてやまないものを創り出す錬金術を、私たち自身の肉体にほどこそうとしていた。いつまでも続かない青春というべきものを、続かせるやり方を研究していた。
私たちは。
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文庫版P69(→言葉を過信するなかれ。)
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「・・・言葉にするほど違ってくるので、そして減ってしまうので、悟った奴があまりいろいろ語らないのは、言えないからだけではなくて言うと減るのがわかっているからなんだ。・・・」
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文庫版P128(→ここの文章は最高に美しい!!文章からキラキラ後光がさして見えるほど最高に好きな一節!
自分でこんな文章書けたら死んでもいいー。最高に大好き!)
*************
ハチは黙って前を見た。私も見た。
バスは揺れて、坂道を下ってゆく。並んですわった足が、もものところが触れ合っている。
今、同じこと考えてる。
今、全く同じことを考えてる。静かに。耳を澄まして感じよう。
光が二人の膝で踊っている。前のほうでおばあさんが居眠りをしている。運転手の前には家族の写真が張ってある。道筋にあるたくさんの旅館にのどかな午後が訪れている。木々が光をはらんで揺れに揺れている。風、涼しい、極上の風。
バスが揺れている。光が、踊っている。
どうかそれだけで、このままで。
永遠に消えない。
夏の、奇跡の抱擁を。
二人だけで、二人きりで。
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好きなとこの引用終わり
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表紙が夏っぽいなって思って。
3カ所ドッグイヤーでした。(耳の形のように折り曲げた感動ページ。感動の深さで耳がでかくなる)
「そのときから私は言葉で説明しないことにした。どこまでも、どこまでも説明をしたら私の血管を流れる血のことさえもわかってもらえるかもしれないという甘えは、年寄りも老けた私が淋しい私の肉体から全宇宙に発信していた唯一の子供の心だった」
「本当についた嘘よりもっと悪いことは、自分の考えで人を動かそうとすることだ」
そして、最後の一文。
すごくいい。それって、人間の才能だと思う。
今日は本屋で「キッチン」を買ってきました。ゆったり読もうっと。
わしのドッグイヤーは5箇所。
やっぱひっかかるとこはShin.K氏とちょい違います。
また時期が違えば違うとこで思わず折っちゃうんだろうね。
Shin.K氏が折ってる文もいい!
なんか当直中で、さきほどまで緊急の心筋梗塞運ばれてきて、改心のできで治療もうまくいってテンションあがってきたんで笑、わしも好きな部分を引用させてもらいます。
なんかわしのメインの文より、コメントの方がドンドン長くなってる気が・・笑
文庫版P51(→絵を描く感覚を潜水にたとえてるとこ。これは言い得て妙だなぁと。)
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闇雲に追ううちに現実として、形として目の前になにかを掴んだときの・・・体を使った喜び。
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文庫版P58(→深い言葉だなぁ。)
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「嫌いな人がいたら、好きになるところまで離れればいいのよ。」
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文庫版P65(→若いときの、愛というものへの誤解?)
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なにかの修行をしていたのだ。私たちは、自然に、息をするように、きっと。なにか使っても使っても減らないもの、この世にありえないからこそあこがれてやまないものを創り出す錬金術を、私たち自身の肉体にほどこそうとしていた。いつまでも続かない青春というべきものを、続かせるやり方を研究していた。
私たちは。
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文庫版P69(→言葉を過信するなかれ。)
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「・・・言葉にするほど違ってくるので、そして減ってしまうので、悟った奴があまりいろいろ語らないのは、言えないからだけではなくて言うと減るのがわかっているからなんだ。・・・」
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文庫版P128(→ここの文章は最高に美しい!!文章からキラキラ後光がさして見えるほど最高に好きな一節!
自分でこんな文章書けたら死んでもいいー。最高に大好き!)
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ハチは黙って前を見た。私も見た。
バスは揺れて、坂道を下ってゆく。並んですわった足が、もものところが触れ合っている。
今、同じこと考えてる。
今、全く同じことを考えてる。静かに。耳を澄まして感じよう。
光が二人の膝で踊っている。前のほうでおばあさんが居眠りをしている。運転手の前には家族の写真が張ってある。道筋にあるたくさんの旅館にのどかな午後が訪れている。木々が光をはらんで揺れに揺れている。風、涼しい、極上の風。
バスが揺れている。光が、踊っている。
どうかそれだけで、このままで。
永遠に消えない。
夏の、奇跡の抱擁を。
二人だけで、二人きりで。
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ま、とにかく、読んだことないみなさん、引用してたら文庫本一冊引用しなきゃならなくなるんで、とにもかくも、読んでくださいな笑