津波試算 対策には生かされず(NHKニュース 10月3日 12時27分)
>東京電力福島第一原子力発電所で設計段階の想定を大幅に超える津波が来るおそれがあるという試算結果を震災直前に国に報告していた問題で、その際に国に提出された資料が公開されました。福島第一原発に8.4メートルから10.2メートルの津波が来ると試算されていましたが、対策については、ことし4月以降に検討するなどと書かれていて、結果として対策が間に合いませんでした。
>東京電力の松本純一本部長代理は「3月7日の時点では、こうした津波がどのくらいの確率で来るのかは分からず、試算は研究段階のもので早急な対応が必要だったとは考えていなかった」と話しています。
>原子力安全・保安院の森山善範原子力災害対策監は「3年前に試算が行われてから公開の場で専門家も含めて議論して津波対策を進めるべきだったと思う。結果的にそうならなかったことは大変残念だ」と話しています。
東電が正しい。原子力安全・保安院の言っていることは結果論に過ぎない。来る可能性が事前に指摘されていたと言っても、それが差し迫った危険であると評価されていたというわけではない。地震は予知できないからだ。未来の結果を知らない限り(今我々はそれが起きたと知っており、この記事は錯覚させることを狙っているとも受け取れる)、東日本大震災の津波を想定した対策をとっておくことは不可能であり、原子力安全・保安院の言っていることは、「タイムマシーンで過去に戻れたら、津波対策をしておくべきだった」の類の空想話なのである。
津波など想定せずとも、そもそも事故を検証すれば、幾らでも事故を防ぐ改善点は見つかる。さしてハードルは高くもない。津波の想定を突き詰めて論理的にあるべきビジョンがみつかるとは思えない。その先には東電を結果論で無理矢理叩くか(←今)、東電を免責するかしかないに違いない。
具体的に一例だけあげると(前出WiLL11月号の櫻井よしこ×奈良林直の原発事故徹底検証対談参照)、60台以上電源車を集めておきながら、電源車の仕様とプラグの問題で実際に使用できたのは一台だけとされている。こんなお粗末はないわけで、訓練をまともにやってきてないことは明らかだろう。原発で装備を実際に使って訓練するという極めて簡単なことをしておいたならば、事故は防げた可能性がある。責任は明らかに東電及び監督する政府にある。政府はそれが分っているから、何とか東電に全ての責任をなすりつけようと必死になっているのではないか。(原発に対しても)訓練をちゃんと実施させられない政府なんて無駄メシぐらいだ。それが出来ないなら、監督する権限をさっさと返上すればいい。
事故の教訓は明らかだ。津波の予知を前提とせず(予知できない限り、ピンポイントで対策など出来ない。あなたは交通事故を起こすかもしれないし、事前にそのことを分っているが、いつ何時どういう事故を起こすかという情報がない限り、具体的に何時もと違って何が出来るというわけでもない)、事故を徹底的に検証し、どういう対応策が現実的に出来たか考えるのだ。簡便で効果的な対策があるにも関わらず、あえて出来もしないことを考え、白か黒か(絶対安全か脱原発か)のような議論に向かうことは、非現実的(リアリズムがない)であり、実際の安全に寄与するとは思えないのである。
>東京電力福島第一原子力発電所で設計段階の想定を大幅に超える津波が来るおそれがあるという試算結果を震災直前に国に報告していた問題で、その際に国に提出された資料が公開されました。福島第一原発に8.4メートルから10.2メートルの津波が来ると試算されていましたが、対策については、ことし4月以降に検討するなどと書かれていて、結果として対策が間に合いませんでした。
>東京電力の松本純一本部長代理は「3月7日の時点では、こうした津波がどのくらいの確率で来るのかは分からず、試算は研究段階のもので早急な対応が必要だったとは考えていなかった」と話しています。
>原子力安全・保安院の森山善範原子力災害対策監は「3年前に試算が行われてから公開の場で専門家も含めて議論して津波対策を進めるべきだったと思う。結果的にそうならなかったことは大変残念だ」と話しています。
東電が正しい。原子力安全・保安院の言っていることは結果論に過ぎない。来る可能性が事前に指摘されていたと言っても、それが差し迫った危険であると評価されていたというわけではない。地震は予知できないからだ。未来の結果を知らない限り(今我々はそれが起きたと知っており、この記事は錯覚させることを狙っているとも受け取れる)、東日本大震災の津波を想定した対策をとっておくことは不可能であり、原子力安全・保安院の言っていることは、「タイムマシーンで過去に戻れたら、津波対策をしておくべきだった」の類の空想話なのである。
津波など想定せずとも、そもそも事故を検証すれば、幾らでも事故を防ぐ改善点は見つかる。さしてハードルは高くもない。津波の想定を突き詰めて論理的にあるべきビジョンがみつかるとは思えない。その先には東電を結果論で無理矢理叩くか(←今)、東電を免責するかしかないに違いない。
具体的に一例だけあげると(前出WiLL11月号の櫻井よしこ×奈良林直の原発事故徹底検証対談参照)、60台以上電源車を集めておきながら、電源車の仕様とプラグの問題で実際に使用できたのは一台だけとされている。こんなお粗末はないわけで、訓練をまともにやってきてないことは明らかだろう。原発で装備を実際に使って訓練するという極めて簡単なことをしておいたならば、事故は防げた可能性がある。責任は明らかに東電及び監督する政府にある。政府はそれが分っているから、何とか東電に全ての責任をなすりつけようと必死になっているのではないか。(原発に対しても)訓練をちゃんと実施させられない政府なんて無駄メシぐらいだ。それが出来ないなら、監督する権限をさっさと返上すればいい。
事故の教訓は明らかだ。津波の予知を前提とせず(予知できない限り、ピンポイントで対策など出来ない。あなたは交通事故を起こすかもしれないし、事前にそのことを分っているが、いつ何時どういう事故を起こすかという情報がない限り、具体的に何時もと違って何が出来るというわけでもない)、事故を徹底的に検証し、どういう対応策が現実的に出来たか考えるのだ。簡便で効果的な対策があるにも関わらず、あえて出来もしないことを考え、白か黒か(絶対安全か脱原発か)のような議論に向かうことは、非現実的(リアリズムがない)であり、実際の安全に寄与するとは思えないのである。