3年前に自分でフル・レストアした早川電機の高1スーパーの RS-350 を倉庫から出して火を入れた。RS-350 の特徴は高1回路採用で高感度だけでなく大きな 16cm スピーカー、雰囲気あるST管7本、木製容器などありますが、何と言っても Magic Eye Tube の表示を使った同調と共に雰囲気がいいです。大きさも半端ではなく昔のブラウン管テレビだと12型くらいあります。
この Magic Eye はロシア製 NOS ( 新古品 ) だったのですが早くも光が弱くなったきたような?
ラヂオを長持ちさせる為に定期的に火を入れないと!ということで出して使っています。
↑ 動画は JEAGAM で受信した FM Classic を自作 Mic Amp 経由 RS-350 で聴いています。
いい雰囲気です。いつもの自画自賛の世界です。
使い込むほどに RS-350 は私の宝物になります。
ほぼレストアを終了した早川電機の RS-350 です。
以前のブログにも書きましたが、もう少し手を加えたい部分があります。
1 正面のプラスチック・パネルの化粧、後面木製の仕切り板補修。
2 P/U 切り替えスイッチ付き VR をオリジナルに戻す。
特に気になっているのが上記2です。
ラジオから P/U へ切り替える時は VR を左一杯に絞り、更にカチッと回すと P/U になる設計です。
P/U 切り替えが付いていなければ、ここが電源オフになる所です。
RS-350 の場合、電源スイッチは音質切り替えのスイッチに付いています。
さて本体をオークションで落札した時、付いていたスイッチ付き VR の部品はオリジナルではない「 単極双投 」タイプであることが判明。
↓ 左が「 単極双投 」 ↓ 右が「 3点接続 」( RS-350 用 )
上の画像右の「 3点接続 」と言われるスイッチ付き VR が RS-350 正規部品です。
このタイプのスイッチ付き VR は激レア部品です。
多くの真空管ラジオの P/U 切り替えは「 単極双投 」が付いているようです。
「 3点接続 」スイッチが欲しい理由はオリジナルということもありますが OSC の発振を切ることができるからです。
右上の画像「 3点接続 」のスイッチ位置だと OSC 回路をアースへ接続・形成し OSC を発振させ、同時に P/U をアースに落として信号はラジオだけになります。
スイッチを反対 ( 点線側 ) へ倒すと P/U からの信号をアースから切り離して入力回路へ入れ、同時にOSC のアース接続を切ることで OSC 発振を止め完全に P/U に切り替えることができます。
左上の「 単極双投 」の部品は単にラジオと P/U の入力切替だけのスイッチです。
「 単極双投 」の場合 OSC 発振を止めることができないので P/U にしてもラジオの音が混じるという欠点があるようです。
上の画像にあるように「 単極双投 」は探せば新品があるので、現在はしかたなく入手可能な「 単極双投 」を使っています。
P/U 側へ切り替えるときは、ラジオの音を消すために、本体後ろに、もう一つスイッチを追加して OSC 発振を止めています。
「 3点接続 」タイプのスイッチ付 VR を探していますが探しきれません。
しかも外見が同じ?なのでテスター持って探さなければ識別できないかも?
スイッチ1つについてもオリジナルに近づけるのは至難です。
性能が向上したこともあります。
ST 管は古いので同じ型の真空管を2個から3個集めました。
同じ型番でも雑音の出る個体がありますが使い続けると雑音、異音が治まってくる場合があります。
自己流のスライダックを使ったエージング で性能を回復しているのかもしれません。
57年前のラジオ、あと一揃えの ST 管があれば、これから50年は聴けるでしょうけど、
その頃は AM アナログ放送なくなっていることでしょう。
遂に完成しました。
早川電機の RS-350, 7球高1付スーパー ST 管ラジオ .... レストアは大変、夏からの課題は長い期間がかかりました。
ST 管ラジオは高校の時以来の所有となりました。
マンションの中で室内アンテナですが SONY ICF-2001D と遜色のない感度です。
分解、アンモニア水で洗浄、乾燥から始まって、
電源トランス、出力トランスは全て巻き直し、チョーク・コイルを追加、
抵抗、ボリューム、コンデンサー、ANT, RF, OSC コイル、パディング・コンデンサー、照明など、ほとんどの部品を新品へ変えました。
全くオリジナルの部品は、真空管、バリコン、IFT, スピーカー、ダイヤル機構、電源スイッチ、筐体 ... くらいです。
骨董的な価値は大きく下がりましたが、末永く使える安心感の方を選択しました。
途中、何回も挫折しそうになりました。技術的、金銭的にも。
最後一番難しかったのは OSC コイルの調整でした。
オリジナルのコイルが不良だったので自作用の新品コイルを買ったのですが、
オリジナル ( 工場生産 ) の回路と、一般的な自作回路に多少の違いがあり、戸惑いました。
結局オリジナルには無いパディング・コンデンサーが必要と判断し 「 内田ラジオ 」さん まで買いに行きました。
P.S.
後で分かったのですがオリジナルの設計 OSC 付近 ↓ の回路図で、赤矢印のコイル延長部分がありますが、ここは本来コンデンサーを使う所をコイルを利用してリアクタンスを稼いでいたようです。
本体裏に糊付けしてあったセピア色の配線図では全く理解できない部分でした。
この部分はレストアで再現不能、コイルではなく一般的な温度補償用 90pF セラミック・コンデンサーを入れました。
やはり 内尾氏の教科書 がなければ完成には至らなかったでしょう。
上手く行かない時は、電車の中で考えるとか、寝転んで考えると " ハッ " と気付くことがあります。
今回の経験では、あまり集中しすぎたら、どんどん負のスパイラルに入ってしまいました。
やり残したことがあるとすれば前面パネルの仕上げ、処理です。
↓ 後ろから覗いたガラス管の中の灯り、美しいです。
↓ " Sharp " のエンブレム、真っ黒で何か分からない状態からピカールで磨きました。
癒しのメーターに代わり初体験の ↓ " Magic Eye "
↓ コリン's 51S-1 よりも遥かに大きく、居間に置く案を考えています。
3つのつまみ上にある真鍮の横棒、腐食により真っ黒だったのでピカールで半日かけて磨きました。
今夜は RS-350 をタンスの上に置いて家族揃って正座して「 夜の娯楽 」として聴きますか。( 笑 )
このラジオの 16 cm Speaker でクリスマス・ソングなんか聴いてみたいです。
早川電機の RS-350 レストア用に製作しましたが、
すでに RS-350 には必要がなくなりました。
でもまた違うラジオで出番があるでしょう。
IC-R-75 で S = 9 + 20 dB くらいのノイズを発生しているのを確認しました。
クリスタル・イヤホンも出番を待っています。
先日 NHK 第2しか聴けなかった原因が判明。
通勤電車に揺られながら 内尾氏の「 真空管式スーパー・ラジオ徹底ガイド 」 を読んでいて気付きました。
OSC は 受信周波数 + 455 kHz を発振させる訳ですが、自作と違い、工場で生産されたラジオはパディング・コンデンサーではなく、コアで調整し、パディング・コンデンサー ( トリマー ) は使われていない場合がほどんど ... と書いてあります。
ということはパディング・コンデンサーの代わりとなるコンデンサーの容量が大切な訳ですが、いい加減な性格の私は、配線図の 440 pF が見つからなかったので 500 pF を入れていました。
440 pF が無いなら 220 pF をパラにすればいいのに、500 pF にしてしまう、このいい加減さ。( 笑 )
バリコンに付いているトリマーでなんとかなるだろうと適当に考えていました。
これでは OSC が正確な周波数を発振していないことになります。
( オリジナルの ANT, RF, OSC の3つのコイルを全て新品へ交換したら OSC コイルに調整用のコアが付いていなかったことも一因。)
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さて、コンデンサー交換の前に IFT のコアを調整してみました。
先日製作した 455 kHz オシレーター を取り付け、IF 真空管 6D6 のカソード電圧が最小になるようにテスターを見ながらコアを調整します。
4本ある IFT のコア、1本だけ少しズレていまいしたが、IF 455 kHz の調整は短時間で完了です。
↓ 画像はクリックしないでください、工作精度、レベルの低さが見られてしまうので。 ( 冷汗 ... )
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最初の記事の問題に戻り 500 pF を 440 pF へ入れ替えました。
凄い迫力で鳴り始めました。
これで一安心、です。
これからは筐体、ダイアルなど .. のんびり仕上げて行きます。
この状態でも十分な感度、音量ですが、まだトラッキング調整も残っています。
なんとか放送が聴けました。
今でも非純正品ではありますが新品コイルあるんですね、オークションで格安でした。
ただ聴けたのは NHK 第2のみ .. これからの調整が勝負です。
ANT コイルのコア&トリマー、RF コイルのコア&トリマー、OSC コイルのトリマー、IF コアなどの調整が必要です。
左手前 ↑ は 6E5C マジック・アイ ( Russia 製の新品 ) です。
" Aging " 老化 .. 嫌な言葉です。
でも真空管のエージングとなれば嬉しい言葉です。
アンチ・エージングに近い意味合いを感じます。
低周波回路の正常動作は確認できたのですが、高1スーパーのコイル、なかなか手に入りません。
あの有名な秋葉原「 内田ラジオ 」さんにさえ「 見たことないねえ。」と言われました。
単にスーパー用、または高1用だと新品、中古ともに沢山あるのですけどね。
ましてや 早川電機の RS-350 用は無いでしょう、地道に探します。
RS-350 用ではないのですが、オークションで高1スーパー・コイルを何回か見つけたのですが、
いつも居眠りしてしまい、気がついたらオークション終了!この連続です。
今の内に、早川電機 RS-350 の ST 管エージングを始めます。
エージング、ちょっと遅かったかもしれませんが、同じ真空管を2個から3個集めたので、まだまだ間に合うでしょう。
といいながら、エージングの意味合い、方法も全然理解していません。
取りあえず B 電源を切って、ヒーターだけ半分の電圧 ( スライダックで 50 V ) から始めます。
数時間経過したら徐々に 100V まで上げて、ヒーターだけ更に10時間くらいエージングしようかと思っています。
" P/U " ( ピック・アップ ) レコードを聴くための接続端子があります。
ここに iPhone から音楽を入力してみました。
うーーん、何かがやっと聴こえる程度 SINPO=22222~11111 ( 汗 ... )
もう一度、回路、ハンダ付けに間違いがないか?チェックしました。
... やはり間違いがありました、ハンダ付けをやり直して、気を取り直して、スイッチ・オン ...
素晴らしい、56 年前のアンプと現代の iPhone がつながり、いい音を聴かせてくれます。
しばし JAZZ " Bill Evans " を聴いていました。
音質は3段階の切り替え付き、いい雰囲気です。
もし高周波回路、中間周波回路がレストアできなくても、アンプ & スピーカーとして使えるか。
と思ってしまいました。
今夜行った工作;
↑ の画像右にある水色シールのチョーク・コイル、本来は出力トランスの定位置です。
出力トランスの行き場が無くなったので ↓ 16 cm スピーカーに背負ってもらいました。
次に 6E5 を除いたヒーター配線を済ませて、全ての真空管を挿してヒーターが灯るかチェック。
いい感じの雰囲気で灯りました。
↓ 電源部と電力増幅部
ここで当時の回路図とは違うのですがチョーク・コイルを入れました。
情報によると、この時代の ST 管ラジオは電源ハムが大きいようです。
電源部の電解コンデンサーの容量を大きくしてリップルを減らしたいのですが、
ST 管式の場合、最初の電解コンデンサーの容量を上げ過ぎると整流管が壊れるとのこと。
では整流後の最初のコンデンサーは 10μF くらいに抑えて、その後にチョークコイルを入れることにしました。
↓ 左がオリジナル、 ↓ 右が変更後の回路図。
さて電力増幅部の UZ-42 から部品を付け始め、検波、低周波増幅部、中間周波増幅部まで来ました。
ここまでは、さほど難しいことはないでしょう。
運良く IFT の断線もないです。
問題はこれから RF 部、高1スーパーだけに難しそうです。
ANT Coil には断線修理の形跡があります。
OSC Coil 端子は記号が読めません、どれがどの端子だか?
ここは私の失敗です。
Coil の配線、部品を外す前にどの端子が何の機能か?を確認していませんでした。
先日、高1スーパー用新品コイル、落札直前に居眠りして競り落とせませんでした。
とても安かったのに ...
言い訳は止めて、頑張ってみます。