今日、貧困をテーマにしたシンポジウムに参加。
ひとつ、分かったことがある。
貧困の子どもたちを助けようという法律ができて、国も県も市民団体なども、子どもたちを支援しようとしている。
どの立場の人たちも、「教育」が大切だという。
その子自身のためにも、貧困の連鎖をとめるためにも、教育が大切だという。
とくに「高校」だ。
そのために、経済的な支援をするという。
様々な形で、学びのサポートするという。
でも、そのやり方では、必ずそこからこぼれる子どもがいる、とわたしは思う。
たとえば、
千葉県の平成26年度の、全体の高校進学率が98.6%
そのうち、生活保護世帯の進学率は91.7%
だから、この91の差を98に近づけようという。
この方向は正しいか?
「何かが、おかしい」と心がさわぐ。
そこで、「%」じゃなくて、「人数」を計算してみた。
生活保護世帯の生徒数が726人で、進学者数が666人。
これが、91.7%の数字の中身だ。
つまり、残りは、60人。
そのうち就職が13人はいる計算なので、残りは47人。
貧困の子どもの支援として、教育=高校進学を応援しよう、という数字は、生活保護世帯で考えれば、たったのたったの47人だ。
一クラスちょっと分。
この子たちの、教育を、進学を、「実現」できない「子どもの貧困法」とは何か?
難しいことは何もない。
47人分の学級(学校)を、準備するだけのこと。
なのに、目にする支援内容は、中学3年生の「学習支援」、学びのサポート、無料の個別指導、などなど。
!!!!!ここで、わかった。
養護施設の子や生活保護の子に、勉強を教えることで進学を支援しようという動きに、それで助けられる子がいることも分かりながら、「どこか気持ち悪さ」がいつもあった。
その理由がわかった。
それは、「分からない授業はかわいそう」と同じ、まなざしを子どもに向けているからなんだ。
だから、丁寧に教えてあげようとする。
その子にあった教え方を支援してあげて、ちゃんと点数をとって、高校に合格できるように、してあげる。
あーーー気持ちわるい。
99%の進学率を実現させてきたこの社会で、
残りの1%を、「べんきょうができないか、」「点数がとれないから」
それは「貧困だから」
それはかわいそう、
だから、「わかるように教えてあげる」
なんて、冷酷な社会の法律だろうとおもう。
順番が違う。
子どもに本当に学びの機会を保障したいなら、
いちばんビリの子どもに、「おしえてあげる、そしたら高校にいれてあげる」じゃなくて、
まず、「高校でいっしょに学ぼう」という安心と所属を保障するのが先だろう。
◇
100人がかけっこをする。
最初の10人。
10人中、10位まで、合格。
次の10人。
10人中、10位まで、合格。
次の10人。
10人中、10位まで、合格。
次の10人。
10人中、10位まで、合格。
次の10人。
10人中、10位まで、合格。
次の10人。
10人中、10位まで、合格。
次の10人。
10人中、10位まで、合格。
次の10人。
10人中、10位まで、合格。
次の10人。
10人中、10位まで、合格。
次の10人。
10人中、9位まで、合格。
さいごの一人は、座る席がありません。
席があっても、座れません。
座り勝ったら、競争に勝てるように、支援しましょう。
貧困から抜け出しましょう。
すべての子どもたちが夢と希望をもてるように!
この最後のひとりが、参加しなければないのは、競争か?
本当に公正な競争か?
これから生まれてくる赤ちゃんに、15年後、この公正な競争に参加しろと、本気で言えるか?
犠牲になるのが、100人に一人の競争に。
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