ワニなつノート

伊部さんに会って話したいこと(その2)

伊部さんに会って話したいこと(その2)



しばらくブログの言葉を話さないでいると、言葉よりも、話し方そのものを忘れる感じがします。

誰に向かって話しかければいいのか。
私の言葉は誰かに届くのか。
そんなことが、分からなくなります。
私は、誰に向かって言葉をつないでいるのか。


世の中には、先生や専門家と呼ばれる人がごまんといて。図書館に行けば、障害児の教育や福祉について、膨大な量の専門書が震災の瓦礫のように積み上げられています。

私は、その業界にいる人と話したい気持ちがありません。あなた方は「間違っている」というつもりもありません。「正しさ」にはあまり興味がありません。

ただ、私は私の生き方を曲げる気はないと、自分にうなずくのみです。

私と、私の子どもたちが、仲間であることをじゃまするなら、私は私の子どもたちを、あなたたちの命ずる生き方から、取りもどすだけ。

そうだった。私は、私に話しかけている。
私が出会い、同じこの世で、お互いに、自分の人生を、自分の夢を、生きる仲間である子どもたちに、届く言葉を、自分の中でみつけたいと思っている。

私が、子どもの頃に、聞きたかった言葉。
包まれたかった声と空気。
確かめたかった、友達と一緒にいる自分の居場所。

インクルーシブ教育?
特別支援教育?
特殊教育?
統合教育?
そんなものに興味はない。

えーーー。
こんなことに気づくまでに、30年もかかったのかあぁぁぁ~~~~

伊部さんの笑い声が聞こえる。
「だからよー、おれはずっとそう言ってただろ」

「えー、そんなこと言ってくれなかったじゃん」

でも、千葉で最初に高校生になった子どもと出会ったのは、伊部さんが県教委に連れて行ってくれたからでした。
一人の闘いから始まり、もうすぐ100人をこえる子どもが高校生になる日が近づいています。そのあきらめない闘いの日々に、立ち会わせてくれたのは、伊部さんでした。

「違うんだよなー。そうじゃないんだよなぁ」

伊部さんに何百回と言われた言葉でした。

このブログを読んだら、またそう言ってくれるかなー。
「yo君よ~、ちがうんだよ。そうじゃないんだよな」
そしたら、また、書き直すからさ。
何度でも、何度でも。
自分の思いを言葉にできるまで。
今度、伊部さんに会えたときには、ちょっとはましになったなと笑ってもらえるように。



《おまけ》
この数カ月、なんとなくお気に入りの、岸田衿子さんの詩を二編、紹介します。


小学校の椅子

ながいながい一生のあいだに
みじかいみじかい一瞬に
だれでも いちどは
ここへ戻ってくる
みんながいなくなった教室
さわるとつめたい 木の椅子に




一生おなじ歌を 歌い続けるのは


一生おなじ歌を 歌い続けるのは
だいじなことです むずかしいことです

あの季節がやってくるたびに
おなじ歌しかうたわない 鳥のように
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