「(菅)話放題」⑭

2010-10-03 05:23:03 | 「(菅)話放題」
          「(菅)話放題」⑭


 日中間の尖閣諸島を巡る領有権問題は、振り返れば日中平和友好

条約(1978年)を締結した時点に於いて懸案として「棚上げ」し

てしまったことこそがそもそもの間違いだった。つまり、「過去に

於いても東シナ海に如何なる領土問題も存在しない」のであれば、

領土問題を先送りして「棚上げ」することなどなかったのだ。何れ

にしろ中国側は、「棚上げ」されたということは領土問題を二国間

で確認したと受け取った。或は、その時さえよければ難題を「先送

り」する日本人の習性を知っていてそうしたのかもしれない。つま

り、強権を背景に執拗に訴えれば日本側は、例えば沖縄の領有権だ

って問題として「棚上げ」してくれるかもしれない。ところが、「

棚上げ」を確認すると言う事は中国側の言い分を納得したことにな

り、延いては何れ日本側が忘れた頃にやをら棚から下されると問題

は捏造され歪められていたのだ。もしも、三十数年前に中国側が条

約交渉の過程でそのことを謀って日本側に「棚上げ」を持ち掛けた

としたならば、とても日本人の敵う相手ではないだろう。策略に長

けた彼等は未だに封建時代の駆け引きを近代にも弄しようとしてい

る。それはまるで徳川幕府や明治政府が行ったように、政治とは強

権によって支配することだと信じているかのようだ。しかし如何に

優れた人間であっても間違いを犯すものだ。もしも民主主義に利点

があるとすれば、それは政治の責任を権力者だけに預けない仕組み

ではないだろうか。そもそも民主主義とは権力者の過ちを改める為

に生まれた。我々は直ちに「棚上げ」した問題をテーブルに下ろし

て、何故なら再び「棚上げ」すれば間違いなく彼等の主張が増大す

るからだが、縦(よ)しんば、日中「平和友好」条約が破棄されるに

至っても中国側の理不尽な要求を拒わねばならない。

 ただ、私は中国が今後も経済発展を続けて例えば世界秩序を構築

するような国家になるとは努々(ゆめゆめ)思えない。それは、かつ

て日本が欧米社会を真似て経済大国に成り上がっても世界からは「

エコノミックアニマル」と蔑まれた様に、経済力を背景に自国の論

理を押し付けていては強国と怖れられても国際社会の信頼を得る国

家になれないだろう。彼等は今まさに嘗ての大日本帝国を再現して

いるのだ。しかし、何れ豊かさ(自由)を求めて国民の不満が爆発し、

恐らく時流の速さから五年以内に国内紛争が起るだろうと思ってい

る。傍から見れば幸せそうにしている人も思いも由らない悩みに苦

しんでいることだってある。貧しさは不幸ではあるが豊かであれば

幸せであるというものではない。彼等が外へ向かって国力を誇示す

る裏には内に収まらない問題を抱えていると思っていいだろう。も

ちろん、どちらかと言うとそっちの方が日本にとって危機的ではあ

るが、と言うのは今度は反対に日本国内に彼等の満州国が生まれる

かもしれないからだが、ただ領土問題を曖昧にしておいて、新天地

を求めて流出してくる十三億分の何人かの不法占拠に対して、日本

政府が巧く対処できる訳がない。

 私が彼等に対して信頼を与えないのは、彼等の中に社会を代表す

る紳士的な人物や穏やかな人、或は「笑い」を理解する文化人が思

い浮かばないからかもしれない。つまり、公人ばかりが目立って個

人が全く思い浮かばないのだ。どうです、紳士的な中国人とか或は

風刺の効いた中国人のコメディアンとか想像出来ますか?

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