「あほリズム」(69)

2010-10-13 12:31:26 | アフォリズム(箴言)ではありません
             「あほリズム」


             (69)


 我々は「何か」という問いに対して別の観念や概念で言い換える。

例えば、「人間は『進化した動物だ』」という様に。しかし、たとえ

言い換えたとしても本質的な答えになっていない。総ての「答え」は

「問い」に応えるものであるとすれば、「問い」そのものが誤っている

ことはないだろうか。つまり、「人間は人間である」のだ。否、そ

れすら誤りなのかもしれない。ニーチェは「木の葉」と呼ぶものは存

在しない様な事を書いているが、例えば「А=А」は「А」が二つ存

在することになってすでに誤りなのだ。記号「=」は「同じ」の意味を

表すが厳密に言えば同じものなど存在しない。先の問いに戻ると、

「進化した動物」は人間だけではない。だから、「人間とは何か?」

と問われれば、ただ「人間」としか答えられないのではないだろうか?


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