「ラテン語化する日本語」

2010-12-03 01:40:01 | 赤裸の心
        「ラテン語化する日本語」


 晩御飯を食べながら流行(はやり)のクイズ番組を見ていたら、

こちらはインテリ芸能人が珍解答を求められずに難読漢字に答え

る番組で、つられて答えているうちに、ふと、そもそも言語が難

解であっていいのだろうかと疑問に思った。それでなくとも日本

語は話し言葉でさえも煩雑な敬語や謙譲語を使い分けなくてはな

らなくて、相手の立場を慮(おもんぱか)って自分の意思や情報が

正しく伝わらないことが間々ある。我々の言語は意味以外の事ま

で伝えなくてはならないからだ。更に、書き言葉は同じ意味を表

しているのにも関わらず幾つもの漢字が存在する。文化としての

言語を措くとして、果たして機能としての日本語は方今(ほうこん)

のネットワーク社会に適応した言語だと言えるだろうか。26文

字だけの簡素なアルファベットの国際化の流れに抗(あらが)うこ

とが出来るだろうか。英語の国際化の流れは数多(あまた)の民族

言語を絶滅へと追い遣ったが、難解な漢字の読み書きを衒学(げん

がく)的な教養文化として残すべきだと主張するなら、何(いず)れ

我々の言語もラテン語のように大衆社会から見捨てられる日が、否

、国際社会から見捨てられる日がそう遠くない日に来るに違いない。

                                   Q.E.D.

 報道によると、29年ぶりに常用漢字に新たに196字が加えら

れて合わせて『2136』字になりました。

                         (おわり)

*Q.E.D. ・・・ラテン語の Quod Erat Demonstrandum
         「かく示された」が略されてできた頭字語。
          証明や論証の末尾におかれ、議論が終わっ
           たことを示す。(「ウィキペディア」より)


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