「蛙とミサゴ」
米軍機「オスプレイ」の配備に抗議する岩国市では、かつて、在
日米軍再編計画が持ち上がった時に、厚木基地からの空母艦載機の
移転受け入れを強固に反対する井原前市長が、対立する自民党政権
によって市庁舎改築事業の補助金を凍結され、更に、政府に同調し
て米軍再編交付金の受け入れを迫る議員が過半数を占める市議会に
よって、市長が提案した補正予算を通算五度も否決されて、四面楚
歌の中で追い込まれた市長は予算成立と引き換えに辞職して、20
08年2月10日に、空母艦載機の岩国移転問題を争点にした市長
選が行われた。福田現岩国市長はその選挙に於いて移転容認を訴え
て反対する井原前市長を退けて岩国市民によって選ばれた。つまり、
在日米軍の岩国移転は岩国市民によって合意されたのだ。井原前市
長はこの様な事態を恐れていただけにさぞ口惜しい想いをしている
ことだろう。貴方にだけは、岩国市民に向かって「ほら、言わんこ
っちゃない」と言うことが許される。
「オスプレイ」の岩国基地への配備計画はその後に突然持ち上が
った話しとはとても思えない。すでに、2005年の日米安全保障
協議委員会の「2+2」の時点で大枠は決まっていたに違いない。
今から思えば、普天間基地の移設計画も在日米軍移設計画もすべて、
オスプレイ配備による飛行の危険が伴うことから市街地を避けるた
めの計画だったとしか思えなくなる。それは、当時の自民党政権が
執った有無を言わせぬエゲツナイ嫌がらせがそれを物語っているで
はないか。更に、後を引き継いだ民主党政権も「オスプレイ」を陸
揚げしてからその安全性を確認するなどと本末転倒をいけしゃあし
ゃあと恥じもせずに述べている。いったいどこの国がその安全性に
疑いのある輸送機を、何もかもが計画され搬送陸揚げしてから調べ
始める国があるだろう。
今、岩国基地で起こっていることは基地移転の受け入れを容認し
ていた現市長を2008年の市長選挙で岩国市民が選んだ時点で決
まっていたのだ。元自民党議員だった福田現岩国市長は、実は何も
かも知っていたとしか思えない。政府に抗議する姿さえも市民に向
けたポーズとしか思えなくて白々しく映る。地域振興を基地移転と
の引き換えの補助金に縋り、軍民共用のきれいな岩国錦帯橋空港
を作って貰って大喜びしていた岩国市民が哀れでならない。
西洋の寓話にこういうのがある。
(本来は「鷺」(さぎ)ですが「ミサゴ」(オスプレイ)に変えてい
ます。ケケロ脱走兵)
幸せに暮らしていた蛙たちの前に神様が現れて、
「何か願い事を叶えてやろう。」
と云った。ところが蛙たちは、
「いいえ、私たちは今のままで十分幸せですから何もいりません。
ただ、もしお願いを聞いて頂けるなら、あの美しいミサゴ(オスプ
レイ)を下さい。何故なら、私たちはこんなにも醜い。あの美しい
ミサゴが、いつも私たちと一緒に居てその美しい姿を見ることがで
きるなら、こんな嬉しいことはありません。」
神様は早速願いを叶えてやりました。蛙たちは、美しいミサゴ(オ
スプレイ)を見てみんな大喜びでした。しかし、しばらくしてミサ
ゴは、その池の蛙を全部食べてしまいました。
神様もミサゴが自分の周りを飛び回るのが怖かったんだろうね。