「すは、2008年の再現か?」
米農務省は9日、国内のトウモロコシと大豆の収穫について、1
988年の大干ばつ以来で最悪の状況になっているとの見方を示し
た。穀物相場は足元で急騰しており、世界的に食料価格が再び高騰
する懸念が強まっている。[シカゴ 9日 ロイター]
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE86904220120710
アメリカが干ばつに見舞われている。穀物価格は高騰し、食糧危
機が避けられない事態だと言う。
「原因は、米中西部の穀倉地帯で、記録的な暑さと少雨により「5
6年ぶり」(米メディア)といわれる深刻な干ばつ被害が広がって
いることだ。米国は世界最大の穀物輸出国。「秋の収穫量が大きく
減るのではないか」との見方から、価格が上昇。世界的な金融緩和
であふれかえったお金が、欧州危機で行き場を失い、穀物市場に流
れ込んでいることもある。」(朝日新聞デジタル2012年7月21日22時
12分)
実は、2008年にも同じような食糧危機が問題になった。それ
は、地球温暖化問題によって穀物のバイオ燃料への転用が急速に進
んで穀物価格が高騰し食糧不足が深刻になり中南米では暴動まで起
こっている。4年前のちょうど今頃といえば世界は北京オリンピック
で盛り上がっていた。そして、そのオリンピックが終わって間もな
くの9月15日リーマン・ブラザースが経営破たんして世界的な金
融危機へと連鎖した。「日経平均株価も大暴落を起こし、9月12
日(金)の終値は12214円だったが、10月28日には6000
円台の安値をつけるまで下落した。」(ウィキペディア「リーマン・
ショック」) 更に遡れば、1929年の世界大恐慌も、もっとも
生産不足とは正反対ではあるが、機械化によって生産性が上り過剰
生産が大暴落の背景にあった。つまり、経済危機は常に食糧問題や
エネルギー問題と絡んで起こっている。穀物価格の高騰は各国経済
を急激なインフレへと向かわせることだろう。ただ、そのことが巨
額の債務を抱える日本経済にどのような影響を与えるかは、門外漢
の私が口を挟むことは慎む他ないが、恐らく経済のブロック化が進
むのではないかと思うが、それがグローバル経済にどのように影響
するのか、例えば、新興国の労働賃金がインフレによって更に高騰
すれば、海外生産による利ザヤは減るに違いない。ネットで調べて
みてもを専門家もその辺のことはあまり取り上げていない。EUの
経済危機を持ち出すまでもなく経済危機の火種は燻ぶっている。リ
ーマン・ショックを引き起こしたサブプライムローンにしても、そ
れまでは楽観論が頻りに関係者や専門家によってマス・メディアを
通じて流された。つまり、関係者によるEUの経済危機は去ったと
いう楽観論はあまり当てにはならない。そして、秋に政権交代する
中国や11月に大統領選挙を控えているアメリカからはネガティブ
な情報は隠蔽されるに違いない。つまり、経済危機はその情報の後
から起こるのではないのだ。だとすれば、・・・。やめよう!私は
予言者でも況してや霊能師でもないのだから。因みに、1929年
の大恐慌は株価が暴落した10月23日木曜日を後に「ブラックサ
ースデー(暗黒木曜日)」と呼び、リーマン・ブラザースの倒産は2
008年9月15日月曜日だった。つまり、秋は要注意なのだ。た
だ、今や70億人を越えた人間の誰もがアメリカ人の様な暮らしを
望んだとしても、すでに地球の能力を越えていることだけは決して
忘れてはならない。つまり、我々は1929年の生産過剰による大
恐慌とは正反対の事態、起こるとすれば資源不足からのインフレに
よる経済危機を迎えるのではないだろうか。だとすれば、それはグ
ローバル経済の崩壊であり近代物質文明の終焉ではないだろうか。
ロンドンオリンピックが終わるのが怖い。