「塞翁が馬」

2012-11-15 04:51:28 | 従って、本来の「ブログ」
 


                 「塞翁が馬」


 野田総理が16日に解散すると云った。ただ、私は彼の思い詰め

た表情に一瞬ヤバイんじゃないのと思った。ちょっと論理的ではな

いかもしれないが、自分の命を賭した決断のように思えた。最早、

政治的な如何なる手段を用いてもこの国を変えることはできない、

そう悟ったのではないか。仮に、まだ変革の余地が残されていると

信じれば、多分もっと得点してから解散するだろう。彼は、恐らく

何かを諦めた。それが、国民からの支持の低下によるのか、ねじれ

国会に嫌気が指したのか、かつて福田総理はそれで辞めたが、それ

とも政治主導の限界を感じたのか、そうだ、きっと何かの限界を感

じたに違いない。もちろん、日中関係を悪化させた責任も重く感じ

ているのだろうが、少し前だが、彼は、消費増税に政治生命を賭

けると言った時の政治生命とは何だったのかと安倍党首に糾されて、

「議員辞職するつもりだった」と述べたが、「総理を辞する」とは

言わなかったことを奇異に思った。もしも、総理の地位を賭してま

でも決意した政策が国民の支持を得られなかったのであれば、総理

を辞すると言うべきだが、もう政治の世界から身を引きたいとまで

思っていたかもしれない。何れにせよ、もうどうせハードランディ

ングさせるほかないのであれば、政党の枠を超えて、そもそも、そ

の原因を作った自民党にこそその操縦桿を握らせようと思ったのか

もしれない。彼の突然の解散宣言は、何か救いのない諦めからの決

意のように聞こえた。恐らく、これから我々は長きに亘ってなしく

ずしの時代を迎え不毛な彷徨を繰り返すことになるのだろう。もう

忘れてしまったかもしれないが、我々は自民党ではダメだと思って

民主党に期待したはずではなかったのか。それでは、自民党は変わ

りましたか?家貧しくて孝子顕ると言うが、相変わらずの親の七光

りを頼った「光子」ばかりの北朝鮮顔負けの世襲政治ではないか。

何だかこの国の暗い過去にも似たような筋立てがあったような気が

します。

 さて、今日、11月15日は今や時の人と言っていいほど持て囃

されている坂本竜馬の誕生日です。そして、忘れてはならないのが、

彼が暗殺された日でもあります。さらに、今日は私の、タッタッタ

ッ、タン塩日です、じゃなかった、誕生日です。誕生日にはタン塩

を食べましょう。おっ、忘れてた、今日は親父の命日だった。

 先ほど、何となく「文学界」のホームページを見たら、新人賞に

送った私の小説が落ちていることを知りました。見なきゃよかった。

 でも、人間万事塞翁が馬ですから。

                                (つづく)