「穴の開いた古いバケツに」
『安倍氏、野田首相の批判に反論=金融政策、学者の「お墨付き」』
【12衆院選】時事通信 11月20日(火)22時29分配信
自民党の安倍晋三総裁は20日、都内の会合で、自身が提唱した日
銀による建設国債引き受けを「禁じ手だ」などと野田佳彦首相が批
判したことに対し、「エール大学の浜田宏一教授から『非常識なの
は野田さんの方だ』とのファクスが来た」と述べた。さらに、自ら
の金融政策について「金融の泰斗(権威)にお墨付きを頂いた」と
強調したが、これ以上の反論はなかった。浜田氏は日銀の金融政策
を批判している経済学者として知られる。
安倍氏は「われわれは政権を失う以前の自民党とは次元の違うデ
フレ脱却政策を実行していく」と強調。「首相も題目を述べてきた
が、デフレ脱却、円高是正ができなかった。私たちはご託を並べる
のではなく、しっかりと結果を出していく」と述べた。
* * *
デフレ経済から脱却するするためには、金融緩和して経済を活性
化するべきだというが、それでは、そもそも我々はこの20年間に
何を行って10,000,0000・・・、あぁー分らなくなった、
1千兆円を超える債務を残すことになったのだろうか?1千兆円の
債務には一切触れずデフレから脱却さえすれば債務は何れ消えてな
くなると説くリフレ派の金融政策によって厖大な債務が積み上げら
れてきたのではなかったか。私の知っている限りそれは、いま安倍
総裁が公約として訴えているような、政官業が癒着して無駄な公共
投資を湯水のように垂れ流す財政緩和によってもたらされた。政治
家や、或いは賎しくも専門家を名乗るなら、これまで何故1千兆円も
気が遠くなる債務が野放しに積み上げられてきたのか、何が誤りだ
ったのかをまず検証するべきではないだろうか。前を見るなら後ろを
忘れてはいけない。これまでどれほど金融緩和が叫ばれ財政緩和
が実行されて、その度にあたかも中毒患者のように一時的な刺激に
陶酔し、しかし、酔いから醒めれば厖大な債務の現実に苦しめられ
てきたことか。社会構造に問題があるのであれば、幾ら金融緩和を
行っても紙幣は既得権益を持つ者によって独占され、決まって債務
者は稼ぎを博打ですってしまい家計を省みないように、ふたたび投
機へと向かわせ、実体経済を支える消費者の下には届かない。規
制に守られた既得権益を生む社会構造を改めない限り、まず、バ
ケツの穴を塞がない限り、債務が2千兆円に膨らんでもこの国は
デフレ経済からから抜け出せないに違いない。もちろん、その前に
信用不安に陥って、ハイパーインフレになるだろうけど。
選挙の争点がデフレ経済からの脱却ばかり重視され、1千兆円
を超える債務を生んだ社会構造の改革、公務員改革や政治改革、
規制緩和などの行政改革はまったく忘れられて、またしても穴の
開いた古いバケツに水を流し込もうとしている。
(おわり)