「あほリズム」
(866)
総選挙が始まり各党の公約が喧伝され、中でも経済政策では
「成長と分配」が注目されているが、そもそも「成長」を前提
にした「分配」は「取らぬ狸の皮算用」になることさえある。
これまでも安倍政権下で施行されたアベノミクスで、それは異
次元の金融緩和政策によってデフレ経済を脱して財政再建を果
たそうとしたが、2%のインフレターゲットすら達成されなか
ったことからも窺い知れるように、「停滞」した日本経済がに
わかに「成長」に転ずるはずがないではないか。つまり、分配
は成長を前提にすれば「絵に描いた餅」に終わるだろう。そこ
でハタと思い出したのが孔子が為政者の心得を語った言葉であ
る。それは、
「寡きを患えずして均からざるを患う」
「成長なくして分配なし」というのは既得権益に与る者たちの
詭弁である。何故なら、すでに日本経済は「成長の限界」に達
しているのだから。