「あほリズム」
(896)
かつて三島由紀夫は全共闘の学生との討論の場でこう言った、
「ぼくらは戦争中に生れた人間でね、こういうところに陛下が坐っ
ておられて、三時間全然微動もしない姿を見ている。とにかく三時間
、全然木像のごとく微動もしない。卒業式で。そういう天皇から私は
時計をもらった。そういう個人的な恩顧があるんだな。こんなこと言
いたくないよ、おれは。(笑)言いたくないけれどね、人間の個人的
な歴史の中でそんなことがあるんだ。そして、それがどうしてもおれ
の中で否定できないのだ。それはとてもご立派だった、そのときの天
皇は。― 三島由紀夫「討論 三島由紀夫 vs. 東大全共闘」(1969年5月
13日、東京大学900番教室壇上において)[ウィキペディア「三島由
紀夫」より]
私は未だに「三時間全然微動もしない姿」の何が立派なのかがさっ
ぱり分らない。