今年の9月下旬、某社のウォーキングシューズを買った。
ウォーキングシューズと言っても、ナマイキな事に革靴で、
革靴と言っても、ピッグスキン、つまりブタ皮のシューズだ
ピッグスキンというと安物のように思われそうだが、それでも¥16,000もした。
仕事の時は安物のビジネスシューズ、オフタイムには安物のスニーカーで過ごしているワタクシにとって、¥10,000を超えるシューズなどめったな事で買ったりはしないが、店頭で見かけて、試しに履いてみた時点でワタクシの負けだった。
気が付けば、このシューズを手にしてレジに並んでいた。
以来、お出かけ用に大事に使っていた。
先日のあらふねライヴに出かけた時にも、このシューズを履いて行ったのだが、ライヴ会場で開演を待っている間に妙な違和感を感じた。
足元をチェックしてみると、、、、、、、
なんと言う事だ
お気に入りのシューズのかかとの部分が破れているではないか
特に荒っぽく扱ったわけでもなく、どっか鋭利な物にひっかけてしまった記憶も無いので、勝手に破れてしまったとしか考えられない。
困った、、、、、、
このシューズを買って、既に40日ほどが経過していた。
これがまだしも、買ってから2~3日後の出来事だったならば、買った店に持ち込んで
「すぐに破れてしまった。不良品だから交換して欲しい!」
と、クレームをつけて迫る事も出来るかも知れない。
だが、これだけの日数が経ってしまうと、そうはいくまい、、、、、、、
買った時からあまりにも時間が経っていたので、いくらなんでも買った店にクレームをつける事はできない。
このまま、かかとが破れたままで履き続けるしかない
適当な接着剤を買ってきて、破れた所を自分で貼り合わせてみよう。
破れ目の中には、白いウレタン状の物が見えているが、揮発成分を含んだ接着剤で大丈夫だろうか?
とりあえず、ホームセンターへ行って、このシューズに使えそうな接着剤を買って来よう。
と、一度は、そう考えた。
そう考えたものの、やはり、腑に落ちない。
確かに買ってから40日以上経ってはいたが、だからといってこのシューズを毎日履いていたわけではない。
ちょっとしたお出かけの時、いわゆるよそ行きとして使っていたので、このシューズを履いて出かけたトータルの日数はというと、ほんの3~4日分でしかない。
ほんの3~4日履いただけで破れてしまうとは、やはり不良品をつかまされたのではないか?
このシューズを製造した某社のホームページを開いてみた。
『Contact Us』というコンテンツをクリックしてみると、
『カスタマーサービス向上のために、当社製品に対するお客様からのご意見、ご質問、ご提案などをお待ちしております。』
という文章の後に、某社のメールアドレスが表示されていた。
破れ目を貼り合わせる前に、苦情は苦情として、製造販売元であるこの会社に現状をメールで連絡してみる事にした。
そして、
「有償でもいいから修理していただけないか?
もしも素人でも修理できるのならば、修理方法を教えていただけないか?」
とも書き添えておいた。
メールには、破れたシューズの写真を添付しておいた。
ワタクシとしては、某社に向かってクレームをつけたつもりは全く無かった。
例えワタクシが、実際の使用日数が3~4日だったと言い張ってみても、購入して40日以上経ったシューズが破れたと言ってクレームをつけるような客に対して、会社側はどういう反応をするだろうか?
何でもない事に難癖をつける、クレーマーとして扱われる可能性が極めて高い。
自分を製造メーカーの担当者の立場に置いて考えてみると、おそらく相手にしないであろうと思ったので、あくまでも修理方法を問い合わせてみたのだ。
返事が来る事には、ほとんど期待していなかったし、もっともらしく『お客様からのご意見をお待ちしています。』などいっても、そんな物に目を通しているのかどうかさえ疑っていた。
2日後、某社の営業部から返信メールがあった。
返事が来た事さえ意外だったのだが、返信メールの中身にはもっと意外な事が書かれていた。
返事には、まず
「この製品に使用しているレザーの部位によって、レザーの強度にバラツキが見られようです。」
と、自社製品の製造過程での不具合を認めた上で
「添付された画像を拝見した限り、修理する事は不可能です。
交換あるいは返金させていただきますので、お手数ですが、お客様のご都合の良い時に購入店舗にご持参下さい。」
さらに
「この度は、弊社商品でお客様に多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを心よりお詫び申し上げます。
今後、このような商品が発生しないように商品開発に努めていきたいと思います。」
と、締めくくられていた。
先方の気が変わらないうちに、再度、こちらからメールで、購入店に持って行けそうな日付を知らせておいた。
その上で、買ったお店に持ち込んで、少しだけデザインが違うシューズと交換してもらった。
破れたかかとの部分の画像を添付した事が、大いに役立ったのだと思う。
デジカメを持っていてホントに良かった、と感じられる数少ない機会だった。
まさか、新品に交換してもらえるとは思いもよらなかったが、苦情メールを送信した事に、ちょっと後味の悪さも感じている。
ワタクシが送信した苦情のメールには、当然、ワタクシは本名と現住所を名乗っている。
いったい、ワタクシの名前は、某社営業部のCustomerファイルに収められているのか?
それとも、Claimerファイルに収められているのか?
なんとなく気になってしまうのが、小心者の悲しい性である