というわけで、急遽、東京進出を決断した。
2006年3月にストーンズライヴのために東京ドームに行って以来となる。
今回は、WOWOWのホムペのプレゼント企画に当選しての予定外の外遊となったわけだし、ストーンズの時も、友人が持ってたチケットのおこぼれに預かってのライヴ観戦だったから、いつの間にかコバンザメみたいな生き方をしている自分にチトみっともなさを感じたり、そういう自分をいたわりたくなったり。
とは言っても、交通費、宿泊費は自分持ちなのだ。
当然の事だが、決して卑下する必要は無い。
と、胸を張りながら、新大阪駅の新幹線ホームへ立ったのは、コンサート当日の11月27日の午後。
ここから先は、周囲の人達に、実はワタクシがイナカモノだという事を悟られたくないので、
「N700系のぞみ号なんて、乗り飽きたなぁ、、、、」
などという雰囲気を全身から漂わせながら行動しなければならない。
というのに、
なるほど、新幹線のホームからは、京都駅はこんな風に見えるのか。
と、京都駅に止まっただけで、またもやシャッター
iPodを聞きながらウトウトしていて、何の気なしにブラインドを上げて窓外を見やると、富士山を通過しようとしていたので、またもやシャッター
もしかすると、ワタクシのイナカモノ具合が、周囲に悟られたかも知れないぞ。
と、気にしながらも、いつの間にか東京駅に着いて、ホテルにチェックイン。
18:30開演だが、なんせ、文京シビックホールとやらへは行った事もステージに立った事もないので、現地を偵察するために早めに行動することにする。
晩メシの段取りも考えなくてはならないし。
鉄道路線図を見ても東京の地下鉄を乗りこなせるはずがないので、ケータイの乗り換え案内サイトを参照しながら、春日駅を下車。
下車したと言っても、シビックホールは文京区役所の中にあって、その文京区役所の地下に春日駅がある。
現地に行ってみると、めっちゃストレートにわかりやすい場所にあるわけだ。
場所のわかりやすさに安心して、地上に出て、ホールの外観をチェック。
時間もあるし、どっかで早めに晩メシを済まそうと、ホールの周囲を偵察していると、向こうの方に見覚えがある東京ドームの屋根の一部が見えてきたので、ハチマキみたいなドーム屋根の青い照明を目指して足を伸ばす。
我らが聖地、東京ドームだが、野球のほうはすっかりシーズンオフ。
いつかきっと、
死ぬまでに、
一度で良いから、
ジャイアンツの優勝シーンをこの球場でナマで観戦したいものだ。
と、心に誓いながら
ホールの方向に戻りながら見つけた、レジ担当のお兄さんが妙に愛想の悪い店で、定食を食す。
なんで、ここまで来て、どこで食っても同じ味の全国チェーンの店に入ってしまうのだろうか?
しかし、支払いの時くらい、
「ありがとうございました。」
くらいの事を言ってみろってんだ。
ま、マニュアル用語しかしゃべれないアルバイトよりはマシか。
いや、マシとはちがうよねぇ?
とにかく、シビックホールに戻る。
ここから、服部克久50周年記念アルバム発売コンサートが始まるのだが、まさかと思うようなすんごいサプライズがワタクシを待っているとはつゆ知らず。
ハープ2台とギター2本。ベースとドラムスとパーカッションやらティンパニやらの打楽器隊と、サックスとトランペットが何人か。
トロンボーンはいたのだろうか?
とにかく、その他は全部、バイオリンやチェロやコントラバスやらのストリングス隊が大量にずら~っと並んだ、総勢50人のオーケストラ編成。
数えてみるのも大変なので数えられなかったが、ストリングス隊は、50人編成のうち8割以上を占める。
こんな壮観な編成の演奏をナマで聴くなんて、初めての事で、ひたすらWOWOW様に感謝、感謝。
中央に指揮台があって、その指揮台を囲むようにコの字型に楽隊が配置されている。
コの字の口が開いた方向が客席を向くわけだ。
オーケストラっちゅうと、全部ナマ音でやるもんだと勝手に思い込んでいたのだが、全部の楽器にマイクが立てられていたのが、ちと意外だった。
エレキベースも入ってるみたいだし、全体のバランスを取るためにはそうなるのだろうか。
生まれて初めて経験する、大量のストリングスの音色に包まれて、時々フワフワと眠くなったりする。
決して、退屈で眠いのではなくて、あまりにも気持ち良くて、ワタクシの全身がリラックスしすぎるのだ。
1部が終わっての休憩時間に、当選ペアチケットの片割れを引き受けてくれた隣の人が、唐突に、
「確かにお名前は何度も聞いたことがあるし、お顔も何度も見た覚えがあるんですが、服部さんって、どんな音楽やる人なんですか?」
と、質問してきたので、
「歌謡曲やポップスのアレンジでも活躍してる人ですよ。例えば、竹内まりやの「ク~リスマスはなんとかかんとかで、、、、」とかの唄のストリングスアレンジとかやってますよ。」
ワタクシはとっさにそう答えた。
確かに、ワタクシもくわしくは知らないのだが、決してでまかせを言ったわけではない。
山下達郎のFMラジオで、まりやのニューアルバムの紹介をする時に、達郎とまりやが話してたのを覚えていたのだ。
「まりやのあの曲をレコーディングする時に、服部さんは、まりやと世間話しながら、ピアノには全然触らずに、スラスラとアレンジスコアを書き上げたらしいですよ。」
「へ~ぇえ、すごい方なんですね。頭の中は、いったいどうなってるんでしょうかね。」
隣の質問者は、その曲に心当たりがあったようで、それ以上の追加質問をしてこなかった。
ホッと胸をなでおろしたワタクシであった。
1部にも出てきたバイオリンのゲストの人(名前忘れました、、、佐藤さんでしたっけ?、、、、)が去って、馬頭琴の人が出てきて(この馬頭琴と言う楽器、ナマ音を聴いたのは初めてだったが、すんごい豊穣な音色だった)、また、去って、、、、、
その後、何曲目かで、どっかで聴いたようなイントロが流れ出したなぁ、、、、、?
あれ?
何の曲だったけ?
と悩んでいる時、そのサプライズが起こったのだ。
去年12月28日の大阪フェスの時と同じようなニット帽をかぶって黒いパンツをはいて赤いシャツを着た山下達郎がマイク片手に登場したのだ
曲は、『煙が目にしみる』
ついさっき、竹内まりやの話をしていたら、まりやのダンナの達郎が出てきたのでビックリした。
あ、そうか、そうか、そういえば、この曲も服部克久のアレンジだったのか。
エンディングの達郎の絶唱が終わると、大拍手が起きた。
達郎を知っている人も知らない人も、皆、ビックリしていたのだ。
1曲終わってちょこっとしゃべって、2曲目は達郎オリジナル曲の『FOREVER MINE』。
またまた二人でしゃべくって、達郎が、一旦、ステージセンターから離れたので、これで帰ってしまうのかと思ったら、オーケストラの演奏はなぜだかどんどん教会風を経由してクリスマスの雰囲気になってきた。
と、なると、当然、3曲目は『クリスマス・イブ』。
聴きなれた達郎のアルバムバージョンとは、微妙にドラムスのリズム感が違っていたような気がするが、ストリングスをバックのナマ・クリスマスイブは、爽快だった。
泣きそうになった。
途中、服部さんのパリ留学中の写真や、ご幼少の頃の写真や、親子3代の音楽家が集合した写真がステー上に映し出されたり、衛星かぐやがとらえた月面の写真が映し出されたり、ビジュアル面でもとっても楽しめた。
再度、ワタクシにこういうコンサートを聴く機会を与えていただいたWOWOW様に、感謝、感謝。
そして、後は、達郎、あなたのコンサートツアー開始を待つばかりなのだ。
達郎ファンクラブの一員としては