ワタクシが生の音楽を聴くためにあちこち出歩くようになったのは、2000年後半以来だ。
当時から渡辺香津美マニアへの道を目指していたワタクシはあるが、2001年2月17日、栗東芸術文化会館さきらでのセッションライヴを観戦した。
その時のメンバーは、ギター渡辺香津美、トロンボーン向井滋春、ピアノクリヤマコト、ベース山下弘治という編成で、途中メンバーが出たり入ったり入れ替わりながらステージを展開する中、渡辺香津美を差し置いて強烈なインパクトを感じたのが、めちゃくちゃカッコ良いソロを披露した江藤良人というドラマーだった。
それ以後、ブックマークして彼のライヴスケジュールに目を凝らしていたのだが、悲しいかな、ワタクシとこのドラマーの演奏予定がことごとく合わなくて、ひたすら年月だけが虚しく過ぎてしまった。
ようやく行けそうなライヴを見つけたのが、2019年の事だった。
7月6日の鈴鹿市文化会館けやきホールでの『すずかジャズ』に参戦したのだ。
鈴鹿へはF1GP観戦のために何度もクルマで出かけた記憶があるし、クルマで移動するのがベストなのだが、その前日に達郎ライヴ観戦のために大阪に滞在する必要があり、鈴鹿への移動は電車利用となった。
めったに乗らない近鉄の名古屋方面行は大阪なんば駅からの始発で、戸惑いながら乗車した名古屋行きの特急車内にはいまだに喫煙車があってビックリした(2019年当時の話ね)。
車内も窓外も含め近鉄電車の見慣れぬ風景を味わいながら到着した平田町のビジホに荷物を投げ出して、サーキットまで行く時間は無かったがF1観戦以来の鈴鹿市を少しだけ散策の後、例によって会場の鈴鹿市文化会館にはかなり早めに到着した。
全席自由席のホール入り口前で開場待ちしていると、ワタクシのすぐ前に並んでたオジサン(この写真には写っていないが)のユニクロのシャツの襟には、新品の時に貼られているLサイズのシールが付いたままだった。
トントンと肩を叩いて教えてあげるべきかと思ったのだが、そんな事を指摘するのはためらわれた。
もちろん、知らない人だし、もしかするとそういうのが流行っているのかも知れないし。
さてさてライヴのオープニングは、お目当てのドラマー江藤良人のスネアと女性トランペット奏者だけでの演奏が始まった。
どうやら出演者達と顔なじみらしく、なんか身振り手振りで挨拶しながら前列に座っていた3人くらいが演奏にあわせて手拍子を始めたのだが、これがよくある頭打ちのトンデモ手拍子で、こんなにも身悶えしたくなるようにたまらなくトンデモない手拍子が延々と続くのかと心配したが、1曲目だけだったので良かった良かったと胸をなでおろした。
このライヴのメンバーは、ドラム江藤良人、トランペット中村好江、ベース井上陽介、サックス田中邦和、ギター・ヴォーカルACE、ピアノ板谷大という布陣で、ドラム江頭良人とトランペット中村好江は鈴鹿市出身らしく、観客席とのフレンドリーな雰囲気はその為もあっただろう。
アンコールでは撮影解禁のアナウンスがあったので、遠慮なく。
終演後は、ビジホの最寄り駅の平田町までの電車が不便な時間帯だったのでホテルまで歩きだしたのだが、途中で、やはり少々時間待ちしてでも電車に乗った方が楽だったかも、、、、と反省したのを憶えている。
ところで、大友良英のツイートから、この日に出演していた札幌出身のピアニスト板谷大(いたやひろし)が、昨年9月に亡くなったと聞いて驚いた。
軽やかなラグタイムスタイルの演奏が得意らしく、バリトンサックスもこなす人だったという。
上の2枚のステージ写真の左端にいる、少しゆったりした体格の人出、鈴鹿で聴いて以来、この人のピアノもどっかでじっくり聴いてみたいと思っていたところだった。
ぱくよんせYouTubeチャンネルに、板谷大がぱくよんせと共演する演奏動画がアップされている。